2021年に「フェリシモ 地球村の基金」から支援をしている未来の子どもたちのためのカンボジアのプロジェクト「村の幼稚園の自立運営~保護者の研修と委員会運営能力強化~」の活動レポートを、幼い難民を考える会さまからいただきましたので、みなさまにご報告します。
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〈プロジェクトの中間報告〉
運営委員会が5月4日から5月7日にかけて開催した能力強化の勉強会には、8ヵ所の「村の幼稚園」から23名が参加をし、13項目にわたる委員会の役割を学びました。
クラス内の環境を充実させるための年間計画の立て方や、月次会議の開催と記録、資金調達、保護者への幼稚園登録の呼びかけ、保護者向けの学習会の準備と開催、 幼稚園の備品・教材の補充と管理、外遊具の設置などです。
各委員会は、13項目の中から優先的に取り組む活動を年次計画にまとめました。どの委員会も計画に入れていたのは資金集めで、勉強会で作成された運営委員会の年間計画は、それぞれの地区評議会でも報告されました。
また、7月16日から7月21日までの6日間には、「村の幼稚園」の保育者が保護者の学習会で指導する内容や、説明の仕方などを州や郡の幼児教育の担当者から学びました。そして、歌やダンスを交えた指導ができるように事前の準備をしました。具体的には、子どもとのコミュニケーションの基本、発達段階、栄養や衛生、病気の予防、礼儀や生活動作の教え方などです。
8月に入ると親が子どもの成長に必要な知識や関わり方を学ぶ学習会を始めました。それぞれの幼稚園では保護者会が開かれて、家庭における子どもとの掃除の仕方やデング熱とその予防などについて、準備をした教材を使いながら歌や踊りなどを交えて実施しました。これまで各村の幼稚園では、2~3回実施されています。
〈現地の様子・現地の声〉
「幼稚園の運営委員会の役割と義務」を学んだ運営委員会のメンバーは、早速、地域の人たちに協力を呼びかけました。
その結果、運営委員会のメンバーとして仕事ができていなかったと気づいたトロピエンクロプー村の小学校の女性校長は、小学校で使用している水と電気を幼稚園でも使えるようにパイプや電線を伸ばしました。
また、コンポンバスロータボン村では、園舎の外の環境を整える計画を立てることにしました。まずは川からポンプで水をくみ上げ手洗い場に流し、教室からトイレまで素足で往復できるようにセメントを塗りました。そして、子どもが川に落ちないように煉瓦の塀を作ってペンキを塗り、園舎の周囲には広く屋根を付けて炎天下でも遊べるようにしました。
トクホート村の委員会では、協力金を払っていない保護者に会って、月1ドルの協力を呼びかけています。
参加したお母さんたちからは、「いままで子どもをしかることが多かったが、子どもに声かけをするようになった」「歌や踊りをしたのが楽しかった」などの声がありました。
多くのお母さんたちが参加する学習会を担当することになった保育者は、事前に研修を受けていたものの、初めての経験でうまく運べるかの心配をしていました。結果的に、準備をしていた内容を忘れ、順序通りに運べなかったなどの反省点はありましたが、以前よりお母さんたちが協力的になったことは、学習会の効果であると感じています。
〈支援者のみなさまへ〉
みなさまからのご支援で、コンポンチュナン州にある8ヵ所の「村の幼稚園」の運営委員会メンバーが、能力強化の勉強会で年間計画を作り、「村の幼稚園」では保護者の学習会を開くことができました。何よりも運営委員会のメンバーが資金集めを始めたり、保育者が保護者と苦手なコミュニケーションをとり、徐々に自信を持ちながら事業を進めていることは大変うれしく思います。みなさまのご支援に感謝します。ありがとうございます。
(幼い難民を考える会 関口さまより)
■村の幼稚園の自立運営~保護者の研修と委員会運営能力強化~
実施場所:カンボジア王国 コンポンチュナン州
実施期間:2022年4月~2023年3月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら(中間・実績)
・幼い難民を考える会さまのその他の支援活動はこちらから
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