2021年に「フェリシモ 地球村の基金」から支援をしている、紛争地の破壊された教室を修繕し子どもたちが学べる環境へと改善するためのプロジェクト「支援から取り残されてきた紛争地の子ども達に教育を」の活動レポートを、日本国際ボランティアセンター(JVC)さまからいただきましたので、みなさまにご報告します。
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〈プロジェクトの実績報告〉
反政府組織が支配している地域のために、支援団体のアクセスが極端にむずかしいスーダン共和国南コルドファン州のブラム郡。ここにある学校は、空爆や砲撃によって校舎が破壊されたままなっています。紛争の影響で教科書や教具が不足し、ほとんどの家庭が経済的な事情から文房具を充分に買うことができません。
そこで、破壊された2教室の修繕を行い、教具・文房具の支援を実施することで、児童たちが適した環境で教育を受け続けられるようになりました。
校舎の修繕には追加の物資搬入などがあり、予想以上に工期がかかってしまいました。コミュニティの住民も、水汲みなどできる範囲の手伝いをして、無事に完工することができました。これまで雨季に強い雨が降ると屋根がないために、児童たちは家に帰ることを余儀なくされていましたが、帰宅せずに勉強を続けられるようになりました。
修繕した学校を含む計4校1,008人に対して、ノートやペン、ものさし、消しゴムなどの学用品を配布しました。また、黒板やチョークなどの教具に加えて、スポーツ用品(サッカーボール、バレーボール)の支援も行いました。休憩時間になると、グラウンドで駆け回る子どもたちの歓声や笑い声が響きわたっています。
このように子どもたちの学ぶ環境を維持するために、PTAメンバーが中心になって、教育の重要性や役割などについて保護者と話し合う機会を設けています。
〈現地の様子・現地の声〉
紛争のため南スーダン難民キャンプに避難し、その後は故郷に戻って勉強を続けているサハーファさんは、以下のように語ります。
「空爆により学校が閉鎖されたため、幼い時に南スーダンの難民キャンプに避難しましたが故郷に帰ってきました。卒業後は地域の人々を助けるために、大学まで進学して医学を勉強したいです。みなさまの支援に大変感謝しています。本当にありがとうございます。」
学校代表を務める女子生徒イフラースさんも、
「支援によって私たちの学校は”カラフル”になりました。試験結果もよく、この学校からパイロット、医者、技術者といった、スーダンを平和で発展した国へと変える将来のリーダーを輩出するでしょう。学校を代表してみなさんに感謝を伝えたいです。」と述べています。
学校の教員には政府からの給与はありませんが、地域や子どもたちのために奉仕の精神で教えています。ハディージャ先生は、「長い間、生徒たちは木の下で勉強することを強いられていました。風雨や直射日光にさらされてきたので、修繕された校舎で勉強することを渇望していました。」と喜びの表情を見せました。
〈支援者のみなさまへ〉
いつも温かいご支援、ありがとうございます!
本活動を実施した地域は、政治的な事情から人道支援団体のアクセスが極めて限られていたために、長年支援から取り残され、世界から見放されていると感じている人が多くいました。みなさまからのご支援は、日本から応援している仲間がたくさんいることを知った現地の人々のはげみにもなりました。
このように困難な状況下であっても、「自分たちの将来のために、教育は欠かせない!」と行政、住民、教員が力を合わせています。いまだに紛争の解決の目途は立っていませんが、自ら生活を改善しようとする紛争地で暮らす人々とともに、今後も活動を行っていきます。引き続きご支援・応援のほどよろしくお願いいたします。
(日本国際ボランティアセンター 後藤さまより)
■支援から取り残されてきた紛争地の子ども達に教育を
実施場所:スーダン共和国南コルドファン州ブラム郡
実施期間:2022年1月~12月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら(中間・実績)
・日本国際ボランティアセンターさまのその他の支援活動はこちらから
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