2020年にフェリシモ 地球村の基金から支援をしているプロジェクト『誰一人取り残さない「いのちをつなぐ」救急体制を村人へ』の活動レポートをAMDA社会開発機構さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
〈プロジェクトの実績報告〉
まず4月から8月にかけて、テウパセンティ市にある2台の救急車の車両整備を行いました。エンジンやライトの修理に加え、運転席と患者との間にアクリル板をつけたことで、運転手からは、「新型コロナウイルス感染症の疑いがある患者も安心して搬送できるようになり、前より運転に集中できるよ!」との声が聞かれるようになりました。
そして、9月中旬までに医療機材の設置を進めた結果、それまで空っぽだった救急車に、医療用モニター、担架、ストレッチャー、聴診器、血圧計、酸素ボンベ一式、固定用具などが整備されました。コロナ禍で救急搬送時の酸素投与ニーズが増えたことから、それぞれの救急車に酸素ボンベが設置されたことは、特に感謝されました。
11月になると、救急車を管理する赤十字のボランティア10名を対象にした、妊婦の危険兆候や重症度の見分け方とその対処方法に関する研修を実施しました。長年、救急搬送に携わっていても、こうした知識を体系的に学ぶ場がなかった参加者にとっては、貴重な機会になりました。
以上の結果、今年11月までの救急車の出動回数は248件で、2019年(1~12月)の156件、2020年(1~12月)の225件を上回っていることから、テウパセンティ市での救急搬送体制を強化できたからだと考えています。
また、 救急車の出動理由としては、新型コロナウイルス感染症が29%、慢性疾患26%、外傷23%、妊婦は22%でした。
〈現地の様子・現地の声〉
研修に参加したボランティアのカルラさん:
「応急処置に関する一般的な研修は以前にも受けたことがありましたが、妊婦さんに特化したものは初めてで、特に搬送時や急なお産に立ち会わないといけないときに知っておくべき大切な処置について、たくさんのことを学びました。血を見るのは怖いと思っていたのですが、丁寧な説明を受け、重度の妊婦さんとはどんな状態なのか区別がつくようになり、自信がつきました。研修を受けられて良かったです」
10月に救急車を利用したロサナさん:
「出産前に急にお腹が痛くなって、初めて救急車を利用しました。車の中には横になるスペースもあって安心できました。運転手さんが病院まで付き添って体調を気にかけてくれたので、本当に助かりました。おかげで元気な赤ちゃんを授かることができました。もし、また必要なことがあっても、安心して利用できると思います」
体調不良で二度、救急搬送されたマリアさん:
「夜中、急に体調が悪くなって救急車を呼びました。車もタイヤもしっかりしていて振動をあまり感じず、安心して乗っていられました。搬送中、ずっと声をかけて気遣ってくれた運転手さんには、本当に感謝しています」
昼夜を問わず、ボランティアとして出動を続ける赤十字スタッフ。
新しく整備された救急車で、今日も人命救助に尽力しています。
〈支援者のみなさまへ〉
このプロジェクトで取り組んだ車両整備、医療機器の設置、技術習得のための研修を通じて、テウパセンティ市の救急体制や、現地の暮らしの質の向上にもつながりました。
赤十字社は、整備を終えた2台の救急車を少しでも長く使用するために、ガレージに屋根を設置しました。また、プロジェクトの波及効果として、現地の多くの関係者のモチベーションが高くなったことを、あわせてご報告します。
なにより、住民が安心して救急車を呼べるようになったのは、ひとえにご支援をいただいたみなさまのおかげです。関係者一同、心からの感謝を申し上げます。
(AMDA社会開発機構 白川さまより)
■誰一人取り残さない「いのちをつなぐ」救急体制を村人へ
実施場所:ホンジュラス共和国エル・パライソ県テウパセンティ市
実施期間:2021年4月1日~2021年11月30日
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら(中間・実績)
・AMDA社会開発機構さまのその他の支援活動はこちらから
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