2020年にフェリシモ 地球村の基金から支援をしているプロジェクト「バングラデシュで新型コロナウイルスから脆弱な人々を守る活動」の活動レポートを世界の医療団さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
<プロジェクトの実績報告>
ロヒンギャ難民キャンプでコミュニティの主要な関係者と会合を行い、新型コロナウイルス感染予防と彼らの役割についての話をしました。そして、ボランティアが新型コロナウイルス感染症で重篤化しやすいお年寄りの家庭を回りました。
150軒ほどの家庭を訪問して、お年寄りとそのご家族に面会をしましたが、新型コロナウイルスについてはいろいろなうわさが飛び交っていたため、「うわさに惑わされないこと」「正しい情報を得る方法」などについてのパンフレットを配りました。
こうしたお年寄りの中でも、80歳を超えて生活習慣病を患っているが治療を受けていない105名に対して、啓発と健康状態の見守りを行うことにしました。これらの活動を通じて、彼らは予防の重要性や方法について学び、新型コロナウイルスの症状を示した3名を医療施設に紹介することができました。
中間報告でもお知らせしたように、ロヒンギャ難民を受け入れているコミュニティ(ホストコミュニティ)での家庭訪問による啓発を継続しながら、診療所職員へのワクチンの研修も行いました。本来、こうした研修は政府が実施すべきなのですが、新型コロナウイルス感染拡大という緊急事態において、入ってくるワクチンに関しての内容や接種方法、人々にどのように伝えていくかといった情報をしっかりと伝達する余裕がないのです。
そこで、ワクチンについての啓発や院内感染防止を強化するために、ポスターやマスク、消毒液、感染予防用手袋などを提供しました。
<現地の様子・現地の声>
- 外出するときはマスクをつけるよ。 (難民キャンプのお年寄り)
- (人々はイスラム教徒なので)新型コロナウイルスの予防は宗教的な教えにそっている。大事なんだということを学んだ。 (難民キャンプのお年寄り)
- ワクチンの悪いうわさをたくさん聞いて、混乱していたの。でも、ポスターを見て、よく分かったわ。 (診療所の患者)
- 政府からは院内感染防止のための資材提供が少なくて、研修も受けられず、不安でした。でも、ご支援により自信がつきましたし、患者さんたちにも正しい知識を伝えられます。 (診療所職員)
- ワクチンのポスターは待合室に掲示しました。これを使って啓発したり、患者さんが診察待ちの間に読んだりすることができます。 (診療所職員)
- 研修を受けて、人々にしっかりと新型コロナウイルスの予防についての啓発をすることができたので、人々の行動も変わっていくと思います。 (診療所職員)
<支援者へのメッセージ>
このたびは温かいご支援・応援をいただきまして、誠にありがとうございました。
特に難民の人々への啓発には頭を悩ませました。敬虔なイスラム教徒の彼らに、同じロヒンギャ難民のボランティアから教えにそって伝えてもらうことで、「新型コロナウイルスは非イスラム教徒や不信心者がかかるものだ」といった誤解もとけて、「自分ごと」としてとらえてもらうことができました。
また、ホストコミュニティの診療所では、政府からの支援不足に困惑していましたが、研修を受けた彼らが自信を持つ手助けになったことをうれしく思います。
バングラデシュでは人材・技術・資機材に恵まれない中、人々は今も奮闘しています。これからも「ご支援いただいた人々が同じ地球にいる」ということを心に留め続けていただけましたら幸いです。
(「世界の医療団」 認定NPO法人 メドゥサン・デュ・モンド ジャポン 中嶋さまより)
■バングラデシュで新型コロナウィルスから脆弱な人々を守る活動
実施場所:バングラデシュ・コックスバザール県
実施期間:2021年1月1日~2021年3月31日
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら(中間・実績)
・世界の医療団さまのその他の支援活動はこちらから
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