2019年にフェリシモ 地球村の基金から支援をしているプロジェクト「マニラで最も生活が厳しいトンド地区の子どもたちの栄養改善事業」の活動レポートをアイキャンさまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
〈プロジェクトの実績報告〉
フィリピンのマニラの最も生活が厳しいトンド地区において、子どもたちの栄養改善のために、以下の活動を実施しました。
1.安価で栄養価の高い料理の作り方研修
地域の母親81名に対して、子どもの成長と発達に必要な栄養素、食材の栄養ロスを防ぐ調理方法等の研修を5回実施し、母親81名が安価で栄養価の高い料理の作り方の知識を身に着けました。また、料理コンテストも実施して、研修で学んだ知識を共有し合う場も設けました。
2.保健研修
地域の母親85名に対して、新型コロナウイルス感染予防(正しい手洗い・マスクの装着方法等)や、応急処置等の保健研修を5回実施し、母親85名が子どもを病気から守るために保健の知識を得ました。
3.調理器具の提供
本プロジェクトのパートナーである同地区の保育園(自治体が運営)に、調理器具・食器を提供し、継続的に学校給食を実施する事ができました。
4.地域参加型給食活動運営研修
保育園の教師および地域住民ボランティア11名に対して、通年のOJTと住民参加型給食活動運営研修を2回実施しました。研修を通して、持続的に給食活動を運営していくための計画が完成しました。
5.栄養改善の学校給食の提供
同保育園で週5回、86名の3~5歳の子どもに対して、五大栄養素をバランス良く含むご飯を提供しました。その結果、12名の子ども(全体の14%)が低体重から標準体重に改善したとともに、継続的に給食活動に参加した58名の子どもの内、78%の子どもの栄養状態の改善が見られました。
〈現地の様子・現地の声〉
本事業を通して、学校給食が地域住民ボランティアと母親主体で運営されるようになったとともに、調理研修や保健研修を通して、各家庭内の料理の改善や子どもを病気から守るための母親の行動の変化が見られるようになりました。
給食活動運営研修では、
「本事業を通して、子どもたちの栄養が改善され、給食活動を通して地域の母親との繋がりも強くなり、地域全体で子どもたちを見守り育てる環境が生まれている。だから今後も給食活動を継続していく必要がある」
と地域住民ボランティアは語り、政府機関に給食活動に対して予算を付けてもらう、母親から少額の寄付を募る、近隣のフードバンクから食材をもらうなど、継続的に給食活動を運営していくための計画を立てました。
2月24日現在、実際にフードバンクから物資をいただき、継続的に協力していく事が決まっています。
また、研修に参加した母親の家庭では、「奇跡の木」と呼ばれるモリンガの葉を活用した料理が多く取り入れられるようになり、ご飯を食べる前に子どもに手洗いを徹底させる母親の姿が見られるようになりました。
3歳の子を持つネリタ(仮名)さんは、
「私の家庭では、経済的な理由で、捨てられたファストフードの残飯を洗い、再加熱した料理(現地語で「パグパグ」と呼ぶ)を、子どもに食べさせざるを得ない事がありました。でも、研修を通して、こんなに安くても栄養のある料理を作れることを学びました。」と語ってくれました。
〈支援者のみなさまへ〉
「マニラで最も生活が厳しいトンド地区の子ども達の栄養改善事業」を応援いただき、誠にありがとうございました。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、本事業は2020年3月~9月まで中断せざる得なくなってしまいました。トンド地区の子どもたちは毎日3食を食べる事ができなくなり、より困難な状況下に置かれたため、「すぐにでも再開せねば」という思いで各自治体との調整を継続的に行い、感染予防対策を十分に講じた結果、この度、無事に本事業を完了することが出来ました。
予断を許さぬ状況が続いていますが、私たちも引き続きトンド地区の住民とともに子どもたちの栄養改善を継続して参りますので、引き続きみなさまの応援のほどよろしくお願いいたします。
(認定NPO法人アイキャン 西坂さまより)
■マニラで最も生活が厳しいトンド地区の子どもたちの栄養改善事業
実施場所:フィリピン共和国マニラ市トンド地区
実施期間:2019年10月1日~2021年1月31日
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら(中間・実績)
・アイキャンさまのその他の支援活動はこちらから
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