2016年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「もっと多くのマニラの路上の子どもたちに愛情溢れた生活を!」の活動レポートをアイキャンさまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
<プロジェクトの中間報告>
ドロップインセンターで、路上の子ども150名以上に対し、
1)食事の提供、2)衛生活動、3)教育活動、4)仮眠場所の提供、5)カウンセリング を行う目標に対し、2017年3月23日現在までに、121名(実数)に実施しました。
ドロップインセンターでの食事風景
1)食事の提供:栄養のある昼食を提供することにより、子どもたちの空腹を満たしました。
2)衛生活動:シャワーを浴び、体をきれいにすることで、子どもたちの衛生状態を良くしました。また、子どもが自主的に自分の着ている衣類の洗濯をし、身なりを整える習慣を身につけており、子どもたち自身の衛生に関する意識が向上しました。
3)教育活動:基本的な読み書きや算数を教えることにより、「学ぶことの楽しさ」を子どもたちに感じさせ、学校に戻る意欲を促進しました。同時に、親に対するカウンセリングで教育の重要性を伝えることで、二方向から復学を促しました。
算数を学ぶ子どもたち
4)仮眠場所の提供:過酷な路上生活を送る子どもたちに対し、安全な場所で安心して心から休める仮眠の場を提供しました。
5)カウンセリング:ソーシャルワーカーが、子どもたちが抱える問題や日々の出来事を話す場を設けました。また、アウトリーチ活動として、ドロップインセンターから徒歩10~15分圏内の地域の線路上や道路で暮らす子どもたちを訪問し、カウンセリングを実施するとともに、ドロップインセンターでの活動を案内しました。その結果、路上の子ども98名が、新たにドロップインセンターの活動に参加するようになりました。
<現地の様子・現地の声>
食事提供や衛生活動、教育活動など、日々のドロップインセンターの運営においては、アイキャンのスタッフだけでなく、通ってくる子どもたちが協力して準備や片付けを行っています。
子どもたちをグループ分けし、1日ごとに当番グループを決めています。食事、シャワー、洗濯、掃除、基礎教育活動など、当番グループの子どもたちが協力して、事前準備や片付けを行っています。このグループ当番制により、人と一緒に協力しあうことの大切さや楽しさを学んでもらい、また責任感や協調性を育むことも目的としています。
当番で食器洗いを担当する子ども
教育の面では、家庭環境や経済的な事情だけでなく、学習への意欲損失により休学している子どもたちに「復学させる」ことを目標に、「学ぶことの楽しさ」を子どもたちに感じてもらい、復学意欲を高めることに力を入れています。
マイケル(仮名・7歳)は、通学していたにも関わらず、学習意欲がわかず路上で物乞いをし、学校を休みがちでした。ドロップインセンターで学ぶことの楽しさを覚えた彼は、ソーシャルワーカーに「もっと勉強がしたい。また学校へ戻りたい。」と話し、2017年2月から復学しました。 彼の変化は内面的なものだけではなく、体を清潔に保ち、靴や服をきちんと着て、外見的な変化も見られるようになりました。
〈支援者へのメッセージ〉
「もっと多くのマニラの路上の子どもたちに愛情溢れた生活を!」プロジェクトを応援していただき、誠にありがとうございます。
路上の子どもたちを取り巻く環境は、日々変化しています。子どもたちが持つ、「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」が守られ、1人でも多くの子どもが路上から抜け出すことができるよう、ドロップインセンターで子どもたちとともに活動していきたいと思います。引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。
(認定NPO法人アイキャン 井川さまより)
■もっと多くのマニラの路上の子どもたちに愛情溢れた生活を!
実施場所:フィリピン共和国マニラ市
実施期間:2016年9月1日~2017年8月31日
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・プロジェクトの報告(中間・実績)
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