フェリシモ「LOVE&THANKS基金」から、2022年度に基金を拠出した「認定NPO法人 ACE(エース)」さまより、このたび活動レポートが届きましたので下記にてご紹介します。
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新たな支援地で開始された
カカオ農家の収入向上とコミュニティの協力による児童労働のない村づくり
私たちがガーナ国アハフォ州アスナフォ・サウス郡の2つの村において、2018年2月から支援を続けてきた活動は2022年8月に完了しました。そして、2022年9月からは同郡の新たな2村において支援活動が始まっています。
2022年8月までに実施された活動では、以下の成果がありました。
- 141人の児童労働被害の子どもが発見され、救出されたすべての子どもは就学中。
- プロジェクトの完了時点で、子どもたちの学校への出席率は100%を達成。
- 「子どもの権利」を学んだ子どもたちが、自身の権利を知り、意見を発信することで、変化を起こした。
- カカオと米の技術研修が家計の安定に繋がり、教育への投資が増加した。
児童労働を撤廃するためには、学校給食や学用品の提供、カカオや米の技術向上訓練を通じた収入の向上、コミュニティ規則によるアプローチなどが効果的であることが確認されています。
例えば、11歳のヤオさんは元々学校に通っていましたが、コロナ禍で休校になった間に、ご両親と一緒にカカオ農園で、収穫したカカオポットの集積作業をするようになりました。学校が再開された後も、ヤオさんが農園で働くために学校を休むことが時々あり、このことを保護者との意見交換会(※)で発表しました。
※子ども、保護者、教員、子ども保護委員会などが集まり、子どもの権利や保護者の義務、子どもの気持ちを話し合う会。
この話を聞いた子ども保護委員会(住民ボランティアグループ)は、ヤオさんを毎日学校に行かせるようにご両親を説得して、プロジェクトからも学用品一式を提供することにしました。その結果、ヤオさんは毎日学校に通うようになりました。
その一方で、以下のような課題も確認されました。
- カカオの収穫期などに学校を欠席する子どもが散見されるため、今後も注視が必要。
- 担当教員の転任後には、子ども権利クラブの活動が停滞になる。
- 困窮した家庭の子どもへの支援策には、コミュニティ内の工夫や自治体や行政との連携が不可欠。
私たちはこれらの課題を、2022年9月から開始した新たな支援地での活動に活かしながら、より持続的な活動内容にしていきたいと考えています。
新たに活動を始めた2村では、子どもが保護者の農作業を手伝うために、学校を休むことが多く、小学校の出席率は60%台でした。そこで、子ども保護委員会を組織化して、児童労働をしている子どもや、保護者への対応方法についての研修を実施することにしました。今後は同委員会のメンバーを中心に、児童労働をなくす村づくりの基盤を作っていきます。
〈支援者のみなさまへ〉
4年半にわたって支援を続けてきた村での活動が、2022年8月に完了しました。活動前には約40%の子どもが児童労働に従事していましたが、みなさまからの温かいご支援のおかげで、141人の子どもが児童労働から救出されて学校に通い、その出席率は100%になりました。
そして、このプロジェクトによる児童労働から救出・就学した子どもの累計は595人になりました。これは、子どもたちが自身の権利を知って行動を起こし、保護者は子どもの権利と保護者の義務を認識したことで、このような変化を起こすことができたと感じています。
新たに活動を開始した支援地では、カカオ農園で働くために学校を休む子どもたちが多くいます。子どもが児童労働から守られ、安心して勉強できる環境にするために、私たちは一歩ずつ取り組んでいきます。これからもどうぞよろしくお願いします。
(認定NPO法人 ACE 赤堀さまより)
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