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久米島ってこんなとこ

はいさい!海とかもめ部飛び入り部員の旅カナです。

今日は、私がこのところ毎年1回は通っている久米島がどんなところか?と、久米島のダイビングスタイルについてお話ししましょう。その後、海で見た生物の写真をご紹介します。

飛行機から見た久米島の“はての浜”

久米島は沖縄本島、西表島、石垣島、宮古島に次いで、5番目に大きな島だそうです。那覇から飛行機で約30分。私は那覇に前泊して早朝便で離島に渡って、その日から1日3ダイブ行くスタイルです。空港は島の西側、主なダイビングショップは島の東側・イーフビーチ近辺に集中しています。車で20分くらい。ショップからお迎えに来てもらえます。

久米島空港

久米島のどこが好きって、全然観光地化されていないところ(笑)。“沖縄の正しい田舎”と久米島観光協会の人がJALの機内誌「Coralway」で語っていたけど、まさにそんな感じ。

サトウキビ畑がどこまでも広がり、観光業より農業が主で、メインストリートにも国際通りにあるようなわちゃわちゃしたお土産物屋さんなんて1軒もありません。当然イオンみたいな大型ショッピングモールもなく、あるのはAコープか、“おろしスーパー”という完全ローカル対応の小さなスーパー。おろしスーパーはその名の通り、業務スーパーとホームセンターを足して2で割って小さくしたような店で、愛想で観光客用のお土産をちょこっと置いてます。(でも私はこの店が大好き)大通りも滅多に車を見かけませんが、一応リゾートホテルもちゃんとしたのが何軒かあります。私は民宿派ですが。

ビーチ通りのおろしスーパー

ショップから船が出航する港までは車で約5分です。また、ポイントまでも大変近いです。港から10分くらいのポイントで潜ることが多いです。なので、1本ごとに港に戻るスタイル。これらもダイバーにとっては嬉しい点ですね。船酔いしやすい人だと、船で30分以上かかるとか、出航したら1日中ずっと船の上とかは辛いですもんね。

港を出てすぐでこの光景

あ、でもこの辺りは各ショップのスタイルによっても違うかもです。私がお世話になっているショップは「やさしい海をご案内」がコンセプトの、万人にやさしいダイビングサービスなので(笑)。

私たちがリスペクトを込めて“海賊船”と呼んでいる某ショップさんは正反対のスタイルで、どんな荒れた海でも外洋の大物ポイントへ繰り出すアドベンチャーなスタイル。また、別のショップさんは個人店で完全オーダーメイド対応。1,000本、2,000本クラスの上級ダイバーの行きたいところどこにでも連れて行ってくれる。そう考えると面白いですね。各社各様のポジショニングがあって。でも久米島のショップはみんなすごく仲が良いんですって。

ダイバーも、どこのショップで潜るかで、同じ久米島でも見てる海はまったく違うのかも知れません。よくインスタで「私も久米島行きました〜」っていう方と知り合うんですけど、全然違う話をしてたりして(笑)。

では次に、そんな久米島の海で見られる生物の写真をお届けします。

この日1本目は、深場のポイント《ウーマガイ》へ。水深40m以上にしかいないアケボノハゼを見に行きます。

ハイ、これです!アケボノハゼです。見える?もちろん見えますよねっっ???

アケボノハゼ

……遠い。
私は心の目で見ました。。
驚かすと、ぴゅっと穴に引っ込んでしまいますので、ある一定以上は近寄れないのです。数人で取り囲んでじりじりと距離を詰めていきます。ズームで撮るのですが…遠い。
頑張ってもこれが限界でした。本当はとてもキレイな紫色のグラデーションの魚なのですよ。やさしい目で、歩み寄りの心で、見てください…!

ちなみに、上皇陛下がハゼの研究者であることは有名ですが(最近も何やら新種のハゼを発見されたとか)、実はこのアケボノハゼも上皇陛下が(正確には美智子上皇后さまが)名付けられたんだそうですよ。そう聞くと何だかありがたく見える。

それから、これ。

クダゴンベ

クダゴンベと言います。これは必ずしも深場にいるとは限らない魚ですが、赤白チェック柄が可愛いので、フォト派ダイバー的には必ず押さえておきたい魚です。お住まいのウミウチワとの色彩のコントラストが見事です。映え写真、ありがとうございまーす! ウミウチワ越しに上にいるダイバーを見上げたらこんな感じでした。

水深40mからの、ウミウチワ

40mというと普通のファンダイバーはインストラクターの引率なしには行けない深さです。詳しい説明は省きますが、タンクの空気の減りもとっても早くなるので、その場所にいられるのはほんの数分だけです。ダイブコンピューターが教えてくれる「あと何分」という数字とにらめっこしながら、早技で写真を撮って、ささっと浮上態勢に入ります。(潜降する時は耳抜きさえ大丈夫なら、どんなに早く潜ってもOKですが、浮上する時は制限速度を守ってゆっくり上がらないと死にます)

ちなみに、その潜降途中でナポレオンフィッシュを見ました。お隣にいるのはカスミアジでしょうか?

ナポレオンフィッシュとカスミアジ

深場から棚の上に上がって来ると、水深は大体8〜10mです。

このように広々としたサンゴと岩の棚が広がり、アカネハナゴイやキンギョハナダイ、それから英語で“パープル・クイーン”と呼ばれる紫色のハナゴイの群れが美しいです。

お昼を挟んで2本目は、今、久米島で話題のスポット《マンタステーション》へ…!ここは最近開発されたポイントで、その名の通り、マンタ遭遇率が非常に高く、 “ブラック・マンタ”と呼ばれる、お腹まで黒い珍しいマンタもやって来るということで、ダイビング雑誌にも盛んに取り上げられているポイントです。私は初めて訪れました。

でもね、、相手は野生です。

事前にアポ電かけて「あ、悪いけど今日2時から2枚で入ってくれる? お客さま5名さまで、ご指名で〜す」というわけには行かないのです。

ハイ、見事に外しました。ちーん、です。

でも、私はそれが普通だと思います。
「マンタステーションに行ったのにマンタいなかった…なんで?!」と言うダイバーさんもいると聞きますが、私にしたら、そっちの方が「なんで?!」です。行ったら100%その生物が見られるなら、それは水族館です。

私は前にセブ島でジンベエザメが必ず見られるというポイントに潜ったことがあります。彼らは野生ではあるものの、餌付けされていて、ごはんタイムに定時出勤するという仕掛けでした。確かに潜ったらお約束通りジンベエは現れましたが、何の感動もありませんでした。(「美ら海水族館の大水槽に入ってジンベエと一緒に泳ぎたい」という夢は叶った気がしましたが)

ダイビングは、広い広い海の中で偶然その生物に出会うから感動があるのだと思います。

主役のいない舞台は、それはそれは見事なサンゴの根でした。

主役はいなくても数々の名脇役たちで海はにぎやかです。

「ボク脇役やけど、出てってエエんかな?」とアバサー君(ハリセンボン)が舞台袖から出たり入ったり、こちらの様子を伺っています。

これはミヤケベラの幼魚。

それから、たくさんのウミウシ!きれいでしょう?

リュウグウウミウシ。

コイボウミウシ。(ツブツブコイボウミウシとよく似ていますが、触覚が全部黒いか、半分白いかで見分けるそうです。むずっ)

アデヤカニセツノヒラムシ。きれいな色です。体長約1cm。自分で見つけると何だか嬉しい。ちなみにウミウシとヒラムシは全然別の生物です。

ニシキツバメガイ。こんな名前ですが、ウミウシです。もう何が何だか分からないでしょう?(笑)でもきれい。

2本目はこれでおしまい。

休憩を挟んで3本目。

ここは《一文字》というポイント名で、リュウキュウキッカサンゴの群生が見事でした。
まるでレタス畑!海の造形物はすごいです。

ちなみに、リュウキュウキッカサンゴは成長がすごく早いそうです。他のサンゴを押しのけてこんな風にもりもり育ったのかも知れません。

ジュズダマイソギンチャクのワンルームにお住まいのクマノミさん。

セナキルリスズメダイ。あ、誰か奥から覗いてる。

そして!ここのポイントはカメパラダイスでした。巨大なアオウミガメが何匹も…!

思わずみんなで写真を撮りまくりです(笑)

クロメガネスズメダイ。紫色の点々がきれいだな。

ちっちゃいヒトデ。なんてことない生物ですが、写真に撮るとアイコン的で可愛い。

オランウータンクラブ。そう言われたらもうそうとしか見えませんが、こう見えてもカニなんですよ。和名はミナミクモガニと言います。けっもけも。モフりたい。

これ何だか分かります?そう、正解!タコです!外に出そうとすればするほど奥に引っ込みます。

3本目は以上です。

…とまぁこのような感じのことを、来る日も来る日も繰り返します。まるで合宿です(笑)。けど飽きないんですねぇ、これが。
次回もこんな感じなんですが、いいですか? お付き合いいただけますか?
ではまた来週、続きをお楽しみに!

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かもめブログライターご紹介

旅カナ

『海とかもめ部』飛び入り部員。元「ecolor[エコラ]」ブランドマネージャー、現「幸福のチョコレート」マネージャー。 旅が好きでこれまで旅した国は35ヵ国。趣味はカメラとダイビング。沖縄離島とフィリピンを主に潜り、経験本数は約500本。 特技は海の生き物のイラストをダイビングログブックに描くこと。インスタグラムで「お絵描きDiver 旅カナ」として作品を発表中(@nosekana)「海とかもめ部」ではブログ「海の写真館」連載担当。 イメージキャラクター:タンクを背負ったカンパチ

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