はいさい!海とかもめ部飛び入り部員の旅カナです。
この旅話、まだ続いていますよ(笑)読んでくださってるみなさま、ありがとうございます。
バヌアツ式年越しカウントダウン
さて、モソ島にダイビングに行った日は大晦日でありました。その夜はハッピーニューイヤー!花火〜〜!
バヌアツでもあるんですよー、ちゃんとカウントダウンイベントが。私たちも行きました。海から花火が上がると聞いたので、海辺のボードウォークへ。しかし、日本とちょっと様子が違っていました。3、2、1で花火が上がった瞬間に、大人も子どももあの、“ブブゼラ”って言うんですか?サッカー試合の応援の時によくみんなが吹いてるプラスチックの長〜いラッパ、アレを吹き鳴らすのです。いっせいに。
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その音のうるるさたるや…! ブーブーブォブォーーぶーぶぉーぶぉーー…・・・もうあっちこっちで好き勝手に吹き鳴らすもんだから、うるさくて仕方ありません。そしてみなそんな単純なラッパ吹きにまったく飽きる気配もなく、ずーーっと吹き続けています。繰り返しますが、いい大人もです。これは祝い…か?
いや、そりゃね、外人から見たら甲子園球場で阪神ファンが飛ばすジェット風船だって珍妙な光景だとは思いますよ。なんやねん、あれは?と。バヌアツ人には意味が理解できないでしょう。
……いや待って、今偶然例に出してみて、すごくニアなものを感じました。ブブゼラとジェット風船。関西人とバヌアツ人はもしかしたら気が合うかも知れません。知らんけど。
いや〜、独特の大晦日カウントダウン体験でした。花火は普通にきれいでした。
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ミニバスみたいなセスナ機でサント島へ
翌朝、2020年1月1日は早朝便でもうひとつの島“エスピリトゥ・サント島”へ渡ります。おめでとうございます。ニューイヤー!
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5:45に迎えの車が来る予定です。眠いわ。「明日は元旦だから、前日の夜なんかに言っても来てくれるタクシーはいないですよ」と言われたホテルのオーナーさんに、無理から送ってもらうのも悪いので、あっしーが“バヌアツで一番信頼できる”と言うドライバーを頼んでもらったのです。きっと時間通りに来てくれる…はず。いや、甘かった。6:00すぎにあっしーに「来ないよ」とメッセージを送ると、「あと5分で着きます!」と蕎麦屋の出前的な(笑)。想定内です。
ポートビラの空港に着いてみて分かりました。ガラッガラです。国内線とは言え、40分前でほぼ誰も来てない状態です。でも理由は簡単。飛行機は定員19人で、満席でも何でもなく、チェックインなんてあっという間に終わり。
手荷物と一緒に人間も体重計に乗ります。なんかオモシロイ図(笑)私たちも測られました。
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19人?そう、こーんなちっこいセスナ機です!
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バスかっ!
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なんと!ツインオッター!ボンバルディア社が前身のデ・ハビランド・カナダ社だった時代の双発機じゃないですか!…待って、80年代で製造は終わってるんじゃ?…と・い・う・こ・と・は? ハイ、それ以上は聞かないでくださーい(笑)
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ハイ、機長さん、コンニチワ〜
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みなさん非常にカジュアルに着席していらっしゃいます。「座席番号はあってないようなもんなんで」とあっしーが言っていた意味がわかりました。
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フライトは当然、有視界飛行。嫌いじゃない。むしろ窓に張り付いて離れないクチです。
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わー緑の島と青い海がきれい!サント島は島が83あるバヌアツの中で一番大きい島。沖縄の離島には行き慣れている私ですが、まあなかなかの離島っぷりです。
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ジャングルの中に降りて行くのかと思うような景色。 そして無事着陸〜!お見事でした。
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この日は着いたらすぐダイビングです。「え〜?」と思われるかも知れませんが、沖縄離島ではごく一般的なスタイルです。早朝便で着いてダイビングサービスが迎えに来てくれて、そのままダイブサイトに直行するパターン。
8時きっかりにお出迎えです。時間に正確じゃないか!ここはバヌアツなのに(笑)
でも景色はめっちゃ南国やな!
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世界最大の沈船、S Sプレジデント・クーリッジ号を潜る!
サント島に来るダイバーは100%潜るであろうポイント、それが「S Sプレジデント・クーリッジ号」です。ファンダイビングで潜ることが出来る世界最大の沈船だそうです。全長約200m。あのタイタニック号が268mだそうですから、クーリッジ号もいかに大型の豪華客船であったかが分かると思います。私たちもその沈船を潜るためにこの島にやって来たのです!
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なんてきれいな海!ここからビーチエントリーです。この沖合い200mも離れていないところにそんなでっかいもんが沈んでいるとは…!
さてここでおもむろにブリーフィングが始まります。これが海底に沈んでいるクーリッジ号の図解です。斜めになって横に倒れています。
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“S Sプレジデント・クーリッジ号は、第2世界大戦の時、アメリカの軍用輸送船として使われた民間客船である。ニューカレドニアから兵士と物資を積んでサント島にやって来て、いざ寄港しようとしたその時。船長が基地の管制官に許可を取ろうと無線で連絡するも返事がない。真夜中で、どこに日本軍の船が隠れていて奇襲に遭うやも知れないと思ったらだんだん怖くなって来た船長。焦って独断で水路に侵入したその瞬間、無線が入った。「待て!その進路は…!」…しかし警告は間に合わず、船は機雷に当たった。船には5,000人以上の兵士が乗っていたが、沈みかけた船の船首を浅瀬に乗り上げ、全員退避を命じた船長の判断で、兵士は助かった。ただ、最後まで残った船長は船とともに海に沈んだという。”
…と言う話がクーリッジ号の歴史で、ここではブリーフィングとは、この昔話を語ることから始まります。
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水深は、船首20m〜船尾70m。私達は30m付近を潜ります。ではビーチから潜降です。このロープの先に沈船が!
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見えてきました!これが船体の一部です。大きすぎてまったく全体像が分かりません。
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なんか壮大な光景です。見上げれば、朽ちた船の駆体に差し込む光が、蒼く冷たい色を投げかけていました。
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船のあちこちには、ライフル銃や薬莢、ガスマスク、中身の入った薬品の瓶、車のタイヤから便器まで、当時のものが生々しく残っています。それらもポイントの見せ場のひとつなので、ガイドが1個1個手に取って説明してくれます。ライフルも持たせてくれるし、サービス満点です。
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「クーリッジ号のすべてを見るためには、20本は潜らなければならない」
バヌアツ人ガイドだけで営む現地サービスのPacific Diveのウェブサイトにはそう書いてありました。
怖くはない。ただ、どこか哀しい。そんなレックダイブでした。この自然豊かな平和な島に戦争の爪痕が残っているのが哀しかったです。犠牲になられた方のご冥福をお祈りします。
おまけ。私たちが沈船と同じかそれ以上に魚に興味を示しているのを見て、ガイドが浅場でちょこちょこ紹介してくれた小さい子たちです。
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この2日間で今回のバヌアツのダイビングは終わり。でも、実はこのあとダイビングよりも楽しみにしていたアクティビティがあるのです。
つづきは来週!