はいさい!海とかもめ部飛び入り部員の旅カナです。
旅の始まりはフライトキャンセルから…。上げたり下げたり起伏の激しい24時間を越え、ともかくも1日遅れでバヌアツの旅は動き出したのでした。
フィジーのナンディから約2時間半のフライトで首都ポートビラに着いたのは現地時間で夜の7時。時差は2時間。時計が逆戻りしてちょっと得した気分。
神戸空港よりもちっちゃいポートビラの空港に70人乗りのATRは無事着陸。真っ暗な滑走路にポイと降ろされ、歩いてターミナルビルへ。出口へ向かうと…「あっしーーー!!!(涙)」
後輩のあっしー君が出待ちしてくれていました。もう嬉し泣きの半泣きです。がっちり握手をする我ら。彼は今バヌアツにJICAの青年海外協力隊の隊員として赴任しています。約2年ぶりの再会です。短パンにサンダル、髭を伸ばし、日焼けして痩せたあっしーは、すっかり現地人に変貌していました。「ご無事で!ようこそ、バヌアツへ!」
そもそも私がバヌアツに行くことにしたのは、彼が会社を辞める時に交わしたこんな約束から。
「バヌアツ、来てくださいね。僕寂しがりなんで。ダイビングも一緒にやりましょうね!」
「わかった。行くわ」
旅カナに二言はありません。行くと言ったら行くのです。昔JICAでモロッコに赴任した友人に会いに、サハラ砂漠のど真ん中まで行ったこともあります。
あっしー曰く、「 “行くわ”って言う人はたくさんいるけど、本当に来た人はごくまれです」ま、そうでしょうね(笑)。こんなに行きにくい国もそうそうありません。
ホテルは街の中心から少し離れた全室コテージタイプの宿。守衛さんに部屋まで案内されましたが、ホテルと言うよりジャングルです。確かに書いてた、“ラッシュ・トロピカル・ガーデン”って。でも私はこういう自然の中にある宿が好きなのです。
ほらほら。こんな素敵なお姫さまベッドもあるし。
そうして長い1日がようやく終わりました。
翌朝、目が覚めると周りは緑と花でさらにジャングル感が増しています。鳥の鳴き声で目が覚めるなんて何年ぶりか。
朝食はラグーンのそばのレストランで。おっ、やっと海辺の写真じゃないですか!海好きのみなさま〜、お待たせしました。南国リゾート感出てきた!
天気は少々悪いですが、ラグーンの本来の水の色は尋常でない美しさ!多分(笑)
トロピカルフルーツたっぷりの朝食、おいしかったです。
さて、この日はポートビラの市内観光です。現地語のビスラマ語を自在に操るあっしーが案内してくれます。確か行く前は英語を勉強していたはずですが、どうやら人生が違う方向に転がっているようです。
ちなみ今バヌアツは真夏。南半球なので季節は逆です。街路樹の鳳凰木が真っ赤で、燃えてるよう!
「バヌアツの普通の人の暮らしが見たい」と言う私たちに、工業がないこの国で、「今ある最高のバヌアツ産品を見せる」と、あっしーが渾身のアテンドツアーを組んでくれました。みなさまも、いつか行かれるその日のために、しっかり予習しておいてくださいね。知らんけど。
《ポートビラ・マーケット》
まずは町の中心、バヌアツの台所とも言える市場へ。
ザ・南国の市場です。カラフルですね〜。
果物豊富。お芋が主食。
旬のスイカもごろごろ。
お花もトロピカルです。
24時間営業と聞きました。まぁ、おばちゃんたちが夜は売り物の野菜のそばで横になって寝てるってだけだと思いますが(笑)。某コンビニのオーナーさんもそうされたらどうかと思います。ザ・働き方改革。おばちゃんたちは遠くの島や村から野菜や果物を1週間分くらい持って来て、全部売れるまでここで寝起きして、売り切ったら村へ帰るんだそうです。
ここで海とかもめ部のみなさまに重大発表があります!
バヌアツでは使い捨てプラスチック製の食品トレー、レジ袋、ストローは「使用禁止」です。レジ袋有料とかそんなケチな話と違いますよ。全面禁止。抜け道はありません。オールorナッシングです。段階的に移行とかもほとんどなく、「来月から変える!」「ハイ変えた!」ぐらいの勢いだったそう。人間やればできるのです。ゴチャゴチャ言うてる間にやりゃええんです。
ここバヌアツでも海岸に打ち上げられる無数のプラスチックゴミ問題にずっと悩まされてきたそうです。「これじゃアカン」となって禁止令ができて、「えいや!」で変えて、数ヵ月で目に見える成果が表れたそうです。実際海に行きましたが、確かにゴミがない。日本ではどんな離島でも、悲しくなるくらい目につくあの光景が、ないのです。ペットボトルや発泡スチロールが散らばる海岸が。
いや、これは素晴らしい。バヌアツ、ハッキリ言って最高です。めっちゃ環境先進国です。日本なんか周回遅れもいいところです。
じゃあ買い物の袋はどうしてるか?
もう一度先ほどの写真をよく見てください。
タロイモやサツマイモが入ってるのは、ココヤシの葉で編んだカゴです。
カットフルーツを買うと…なんか草の葉っぱに載せて渡してくれます。
ラップラップと呼ばれる蒸した芋の伝統料理が載っているのもバナナの葉です。
(真っ二つにぶった切った魚ドーンみたいな盛り付けどうなのか?という点は、この文脈では問わないでください)
この白い容器は紙製でした。多分もとはハンバーガー用みたいに身と蓋がつながってたと思われますが、もったいないから半分に切って使ってるところが可愛いです。鶏肉おいしそう。
ラッピング資材としてのバナナの葉も束で売られています。350円。(1バツ=約1円)
買い物客はというと、みんなちゃんとエコバッグを持って来ていました。ちなみに生鮮食品以外の店でも、買ったものを包装したりバッグをくれることは一切ありませんでした。お金を払ったら裸のまま笑顔でハイ!と手渡してくれます。大サービスで茶封筒みたいな紙袋入れです。
バヌアツで販売員になるのはきっと簡単です。なぜなら、キャラメル包みとか熨斗(のし)の種類とか、一切覚える必要がないから。バヌアツ人が日本の百貨店の売り子さんの超高速包装を見たら絶対気絶する(笑)
バヌアツの「使い捨てプラスチックのない生活」について熱く語っていたら、紙幅が尽きてしまいました。
出発前、水中写真家の鍵井靖章さんに「海とかもめ部としては、プラ禁止国だからバヌアツに行くんでしょ?」と言われ、「え?そうなの?」と思ってた私(言われるまで知らなかった)。行ってみて、実際に見て思ったことは、バヌアツの取り組みは、私たちの“海をきれいにする”という目的だけでなく、本当の豊かさやしあわせな暮らしってどんなもの?というイメージを描くうえでとても示唆に富んでいるということでした。
全然話が進んでいませんが(汗)、とりあえず今週はここまで。
ではまた来週~!