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沖縄本島・万座で擬態の名手に出会う

はいさい! 海とかもめ部飛び込み部員の旅カナです。前回の続きで、沖縄の万座で潜った時に見た生き物たちをご紹介しますよ。今日のテーマは「化ける」です。

美しい海の中の光景ですが、そこに生きる生き物たちにとっては「食うか? 食われるか?」の熾烈な闘いの場です。そこでは小さな生き物たちも必死に知恵を絞って、オリジナリティー溢れる生きる術(すべ)を編み出しています。
そのひとつが「擬態」。
周りの環境に溶け込んで、まるでそこにいないかのように身を隠す彼らのアイディアは、時にあまりにも巧妙で「なんでそうなった?!」と言いたくなるほどです。そんな「擬態の名手」たちをとくとご覧ください。さて、何秒でで見つけられるかな?!

まずはこれ。
これ? どれ??という声が聞こえてきそうですが、いるんですよ。よぉ〜く見てください。
しかもこれ、実物はめっちゃ小さい。素人ではまず見つけられません。熟練のガイドさんが探して探して探して……ようやく「おった!!!」という感じで教えてくれます。
​分かりました?

正解は「ピグミーシーホース」。タツノオトシゴの仲間で、体長は1cmちょっと。ピンクに赤いドットのサンゴそっくりの模様をしていて、尾っぽでくるんとサンゴに巻き付いている姿が超キュート。写真を撮ろうとすると、くるん、くるんと裏側に回って逃げていきます。割と深場にいるので、あんまり長居もできないんですが、つい夢中になっちゃうカワイイ子です。

お次はこれ。
​これ?? どれっっ??? という声がまたまた聞こえてきそうですが、いるんです。いるんですよ〜。まるで忍者ですね。

分かりましたか?正解は「クマドリカエルアンコウ」でした。
魚なんですが、ヒレが足のような形に発達していて、こうやって足(ヒレ?)を踏ん張って、岩場に変な体勢で、それこそ忍者のように「はっ」と張り付いています。体の模様は周りの岩とサンゴに似せてるんですね。大きさは7〜8cmくらいかな? まるでおもちゃみたい!と思うのは私だけはないようで、よくクマドリカエルアンコウのフィギュアを作ってる作家さんを見ます。

次はこれです。
​どれ〜〜〜〜?!さっきよりさらに難問です。どっち向いてるのかさえも、パッと見では分からないですよね?

正解は「ニシキフウライウオ」。頭を下にして逆立ちの格好でフラフラ〜〜っと泳いでいます。この子は海に浮かぶ藻屑か葉っぱに擬態しているんですね。周りのサンゴの色ともばっちり合っています。上手いですよねぇ。感心感心。

次は甲殻類行ってみましょう。
​んん????んんんん?????これはかなり高度です。大きさもちっちゃいです。1cmくらい? プロのガイドさんでもなかなか見つけられないと言います。

正解は「イソバナガニ」です。ホスト(擬態される側)はイソバナという真っ赤なサンゴで、それとまったく同じ色をして、敵に見つからないように隠れています。正確には「隠れてないのに見えない」のです。すごい戦略だなぁ。

私はこの擬態の名手たちを見ると、「生き延びる」という究極の目的が、生物の姿形のデザインさえ変えてしまうことにいつも感動するのです。海の中にはまだまだ上手(うわて)がいっぱいいますので、名探偵ばりに擬態を見破るという遊びはえんえんと楽しめます。

​沖縄・万座は那覇市内から車で1時間くらい。サンゴがモリモリ元気な海です。シュノーケルでも充分楽しいと思います。

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かもめブログライターご紹介

旅カナ

『海とかもめ部』飛び入り部員。元「ecolor[エコラ]」ブランドマネージャー、現「幸福のチョコレート」マネージャー。 旅が好きでこれまで旅した国は35ヵ国。趣味はカメラとダイビング。沖縄離島とフィリピンを主に潜り、経験本数は約500本。 特技は海の生き物のイラストをダイビングログブックに描くこと。インスタグラムで「お絵描きDiver 旅カナ」として作品を発表中(@nosekana)「海とかもめ部」ではブログ「海の写真館」連載担当。 イメージキャラクター:タンクを背負ったカンパチ

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