みなさま、こんにちは。
春にフランス・パリで開催された「エギュイーユ・アン・フェット(針と糸の祭典)」にフェリシモのハッピートイズが出展しました。今年もフランス在住のスタッフがレポートしてくれましたので、少し遅くなりましたがご紹介します。
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世界を旅するぬいぐるみ
今年も恒例の手芸見本市、「エギュイーユ・アン・フェット」がパリの南、ポルト・ドゥ・ヴェルサイユで開催されました。「エギュイーユ」とは針、「アン・フェット」とはお祭り(気分)でという意味です。刺しゅう、洋裁、パッチワーク、編物の材料や、新しいテクニックなどを求めてフランスだけでなく、針仕事を愛する人たちがヨーロッパ各地から集いました。
「FELISSIMO HAPPY TOYS PROJECT」がこの針の祭典に初めて出展したのは2014年のことです。
最初は遠い日本のパッチワークや編物の作品に、フランスの方々が興味を持ってくださるのか少々不安でしたが、結果は予想を超える大反響。毎回4日間の開催期間中、私は一歩もその場を離れることができないくらい対応に追われます。
パッチワークで作るトイズたちの愛くるしい姿に惹かれて近づいてくる方々は、「アーティキュレ!(関節が動くのね)」と言って特に手足が動くことに驚かれます。そしてそれが特別な部品を使わず、あたかもボタンで固定するかのように、パーツに糸を通し付けているだけだと知るとなおさらです。編みぐるみのトイズもパッチワークのトイズもフランスとはまた違う、明るい色遣いが多いのも好評です。
さらに感心されるのは同じ型紙なのにどれひとつとして同じトイズがないこと。それぞれに作り手のアイディアと感性が反映されていてどれも手づくりならではの愛嬌があり、それが一堂に集まった風景はやはり見る人を笑顔にしてくれます。
「エギュイーユ・アン・フェット」の会場に展示するのは毎回100体ほどと決して多くはありませんが、ガラスケースもなくオープンに展示しているので、近くまで寄って見ていただくことができます。
私もお客さまほとんど全員に、プロジェクト誕生のきっかけから、日本、アメリカ、中国と各国で行ってきた展示のこと、そして何よりこれまで60,000体以上のトイズが誕生し、60か国の子どもたちにお届けしてきたストーリーについてご説明してきました。トイズがただ作品としてかわいいだけでなく、実は「世界を旅するぬいぐるみ」で、作り手の方々も作品を見せ合うことによって、多くの人と繋がってきた一大プロジェクトであることを、誇りを持ってお伝えしてきたのです。
昨年、激動する戦禍の中、原発基地のあるサポリージャの避難援助施設を通じ、自宅からおもちゃを持ち出せなかったウクライナの子どもたちに、どうにかトイズを届けることができたという報告も、こちらで行いました。
ここの展示を10年近く続けるうちに親しくなる方も増えてきました。入場後いちばんに「今年は何の動物かしら?」とやって来てくださる方たちと再会し、みなさんの一年間の手づくり報告を聞くのも大きな楽しみのひとつです。中には型紙の発売前にすでにテーマの動物を自分でデザインし、作って持ってきてくださる方が何人もいるんですよ!
持参くださったぬいぐるみはさっそく、日本からやってきたトイズに加えて一緒に展示します。
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今回は展示会場の様子をレポートしました。次回は、ハッピートイズのスタンドにお越しくださった方々の声をお届けします!