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生活雑貨「Kraso」に新ブランド「シルムッカ」が仲間入り。環境にも地場産業にもサステナブルをもたらす「シルムッカ」にまつわる10のこと。

シルムッカ

こんにちは、フェリシモしあわせ共創事務局のFukuです。

フェリシモの雑貨「Kraso(クラソ)」では、2024年2月に新たなブランド「シルムッカ」がデビューしました。「シルムッカ」は、料理家のワタナベマキさんと“小さなサステナブルから始めよう”をコンセプトに、環境に意識を向けたふだん使いの暮らしとキッチンアイテムを提案するブランドです。リユース・リデュース・リサイクルを念頭に、日常生活の中にサステナブルが根づくような、暮らしのアイテムを提案しています。

今回は、そんな「シルムッカ」の生みの親である企画担当の安藤晃子さんに、「シルムッカ」が生まれた背景や、そこから見えてきた環境とものづくりの未来について、お話を聞きました。

話し手:安藤晃子さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局

Q1、安藤さんが担当されている、お仕事について教えてください。

現在は家事雑貨チームで企画業務兼チームリーダーを務めていて、主に「Kraso」の商品企画を行なっています。これまで「Kraso」の中の、キッチンアイテムブランド「S3_Kitchenz(エスキューブキッチンズ)」や、しあわせな眠りをプロデュースする「Ku:uf(クーフゥ)」の立ち上げなどにも関わってきました。

Q2、“暮らしはエンタメ!”が合言葉の「Kraso」では、どのようなことを意識して提案をしていますか?

「暮らしを愛でる・はぐくむ・楽しむ」をキーワードに、身近な暮らしに寄り添ったモノの提案やコトの提供を意識しています。例えば、キッチンでの提案であれば、家事の余分な手間を省きながら、調理する時間を楽しくなるようなキッチン雑貨を意識して企画しています。お客さまが答えてくださったアンケートがヒントになることもあれば、メンバーがそれぞれの生活のなかで気づいた「こんなのがあったら便利そう」という視点から生まれるものもあります。家事をする方の気持ちに寄り添ってアシストできる存在になれれば、と色合いにもこだわって使う時にウキウキできるようにと考えています。

片付けがめんどうで使わない、という人も多い魚焼きグリル。「魚焼きグリルに並べて調理 そのまま食卓でアツアツを楽しめるロンググリルプレートの会」を使えば、汚さずに使うことができ、そのまま食卓にも!
片付けがめんどうで使わない、という人も多い魚焼きグリル。「魚焼きグリルに並べて調理 そのまま食卓でアツアツを楽しめるロンググリルプレートの会」を使えば、汚さずに使うことができ、そのまま食卓にも!
「手際よくがここちいい 私の毎日を軽くするキッチン雑貨」をテーマにする「S3_Kitchenz」の商品。「エスキューブキッチンズ お肉も野菜も逃さずつかんでスムーズカット かわいいカーブキッチンばさみ」は、カーブのかかった刃が特徴。力を入れやすく、切りにくいものも簡単にカットできる。
「手際よくがここちいい 私の毎日を軽くするキッチン雑貨」をテーマにする「S3_Kitchenz」の商品。「エスキューブキッチンズ お肉も野菜も逃さずつかんでスムーズカット かわいいカーブキッチンばさみ」は、カーブのかかった刃が特徴。力を入れやすく、切りにくいものも簡単にカットできる。

Q3、これまで商品企画を続けられてきて、特に印象に残っている商品はどんなものがありますか?

今まで雑貨の商品企画を担当することが多く、「スーパーコレクション」の第1弾企画「1000このはんこ」はとても思い出に残っています。他には、レッスン講座「ミニツク」の商品「知って・使って・食べて野菜となかよくなる 暮らしに役立つ 野菜の便利ノートプログラム」などが、印象に残っています。気づけば、暮らしに根づく企画が多く、私の得意なテーマは「暮らし」だと考えるようになりました。

Q4、入社当時から「暮らし」に興味があったのですか?

最初はシンプルに「企画を考えることが楽しい」という思いでやっていました。働いていると、仕事とプライベートを分けて考えることがあると思いますが、私は分けることなく、日常の延長として働きたいな、という感覚が芽生えてきたんです。そこからは、自分の中で「暮らすように働く」ということが働くうえでのコンセプトになって、企画も自然と暮らしにまつわるものが中心になっていったように思います。そして、より日々の暮らしそのものが企画につながっていきました。

Q5、その思いや視点が、きっと新しいブランド「シルムッカ」の誕生につながっているんですね。では「シルムッカ」のはじまりについて、教えてください!

利便性の高い商品は使い捨てになるものが多く、ゴミが増えることを常々気にしていました。誰もが使うラップやスポンジなど、生活の中に存在するプラスティックについても以前から気になっていて。というのも、プラスティックはどれだけ粉砕してもなくならないんですよね。プラスティックゴミを魚や鳥が飲み込んで怪我をするという話もよく耳にしますし、生態系を揺るがしていることがわかっていながら使うのも忍びない、でもやはり企画をしていく中で利便性を追求すると、プラスティックは切り離しにくい素材でもあるんです。また、環境に配慮した商品は高いものが多く、手を伸ばしにくいことも事実です。その状況をどうにかできないかな?と考えていた時に、たまたま手に取ったのが、料理家のワタナベマキさんの本でした。

安藤さんが手にした、「MAKI’S DAILY DISH」(主婦と生活社)。料理家のワタナベマキさんは、「シンプル」「サスティナブル」「スマイル」の3つをモットーに、料理を手がけているそう。
安藤さんが手にした、「MAKI’S DAILY DISH」(主婦と生活社)。料理家のワタナベマキさんは、「シンプル」「サスティナブル」「スマイル」の3つをモットーに、料理を手がけているそう。

Q6、本との出会いが、きっかけの一つでもあったんですね。

そうですね。ワタナベマキさんは料理を作る仕事柄、どうしても多くのごみが出てしまう環境でもあるので、少しでも環境に負荷がかからないようにと日ごろから意識されていること、そして、その環境に配慮した暮らしぶりを日ごろから丁寧に実践されている姿勢に何よりも、憧れと共感を感じる1冊でした。また、ワタナベマキさんも、自分ひとりだけではなかなか浸透しないことも、フェリシモと一緒に取り組むことで、より広がりが生まれるのでは?と期待してくださって、快く引き受けてくださったんです

ワタナベマキさん。「Kraso」のカタログでは、ワタナベさんによるベジブロスの作り方など、エコにつながる料理情報も掲載。
ワタナベマキさん。「Kraso」のカタログでは、ワタナベさんによるベジブロスの作り方など、エコにつながる料理情報も掲載。

Q7、では、「シルムッカ」のオリジナル商品第一弾について、教えてください!

ここでわたしが何よりもこだわったのは、シルムッカの商品を「ただ使うだけで自然とサスティナブルな暮らしを実現」できないかということでした。「リユース(繰り返し使う)/リディ―ス(ゴミを増やさない)/リサイクル(再利用する)」の3R(スリーアール)という考え方です。これをブランドコンセプトのひとつに掲げ、この3つが循環するものを企画では目指しています。まず1つ目が「シルムッカ 小分けや取り分けに便利 5寸ふた皿の会」と「シルムッカ 下ごしらえや保存に便利 5寸おわんボウルの会」。ワタナベマキさんと私の間で共通していたのが、ラップに使用量を減らすことと、「多用途」に使える仕様であることでした。そこで、別々で使えばお皿は小皿にも取り皿にも使え、ボウルはどんぶり椀にも調理用ボウルにもなる形状。そして、二つを合わせればおひつや保存容器にもなる商品をつくることにしました。

「シルムッカ 小分けや取り分けに便利 5寸ふた皿の会」と「シルムッカ 下ごしらえや保存に便利 5寸おわんボウルの会」。電子レンジでも使え、そのまま食卓にも出せる万能容器。
「シルムッカ 小分けや取り分けに便利 5寸ふた皿の会」と「シルムッカ 下ごしらえや保存に便利 5寸おわんボウルの会」。電子レンジでも使え、そのまま食卓にも出せる万能容器。

2つ目は「シルムッカ 台所仕事に重宝 フード染めロールコットン〈1.5m〉の会」。ワタナベマキさんは日ごろから食材をしぼったり蒸したりするときにはさらしを使うことが多いそうで、「自分の好きなサイズでカットできるさらしは便利」という話から、さらしのように使えるロールコットンを商品化することにしました。さらしは漂白された白い布を指しますが、毎日の作業を楽しくするには色が欠かせないので、「コーヒー・緑茶・小豆」を使ったフード染色で彩りを加えました。フード染色とは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう「フードロス」の問題に着目し、製造過程で不要になる食品から色素を抽出して染色。今回、ご協力いただいた大阪泉州の先染め工場では、食品と地下水だけで糸を染め、そして織り上げた、食品基準に適合した職人の手によるこだわりの逸品です。

「シルムッカ」の商品は、使い捨てではなく使い切って捨てられるものを。「シルムッカ 台所仕事に重宝 フード染めロールコットン〈1.5m〉の会」は、料理で繰り返し使ったあと食器ふきや台拭きなど役割を変えて、しっかりと使いきれる。
「シルムッカ」の商品は、使い捨てではなく使い切って捨てられるものを。「シルムッカ 台所仕事に重宝 フード染めロールコットン〈1.5m〉の会」は、料理で繰り返し使ったあと食器ふきや台拭きなど役割を変えて、しっかりと使いきれる。

そして、3つ目は「シルムッカ 野菜の鮮度を保つ まち付き バイオマスジップバッグ〈ミニ〉の会」と「シルムッカ 野菜の鮮度を保つ まち付き バイオマスジップバッグ〈ロング〉の会」。これはジップバッグに米ぬかを20%配合することで、石油の使用量を削減することができています。しかも、米ぬかに含まれる「フェルラ酸」が抗酸化作用を持っているため、野菜の鮮度を長持ちさせることができるんです。環境に配慮しながら野菜の鮮度も保てる、ワタナベマキさんも、特にお気に入りの素晴らしい商品。ジップバッグは繰り返し使うことができ、最後はゴミ袋になって役目を果たします。これも使い捨てではなく、使い切って捨てられる循環アイテムです。

「シルムッカ 野菜の鮮度を保つ まち付き バイオマスジップバッグ〈ロング〉の会」。年間約50万トン廃棄されているという米ぬかが、野菜の鮮度を保つ立役者に!
「シルムッカ 野菜の鮮度を保つ まち付き バイオマスジップバッグ〈ロング〉の会」。年間約50万トン廃棄されているという米ぬかが、野菜の鮮度を保つ立役者に!

Q8、どの商品もまずは便利であることが大前提で、初めに安藤さんが目指していた「暮らしを変えずに環境配慮に関わる」ことにつながっているなと感じます。実際に商品づくりをしていく中で、大変だったことはありますか?

エコにまつわる商品企画は、市町村ごとに制限があったり、素材を再利用するまでの過程やそれを証明するための工程にかなりの手間と時間とお金がかかるという事実を、企画を通して改めて知りました。素材を再利用したものこそお金も時間もかかるので、販売価格をおさえるのはむずかしい。ゴミを減らすことなのか、費用をおさえることなのか、効率なのか……天秤にかけなければいけない項目がいろいろあり、とてもむずかしいものづくりだなと感じます。でも使う人が増えることで、価格も落とせますし、利便性ばかりを追求せずに、挑んでみることが大事だなと感じています。目先の安くて利便性のよいものを使うのではなく、環境配慮につながるものを使うこと・つくることで、将来世代のことを考えた環境や日本の産業につながっていくと信じています。

Q9、今回の商品は、すべて日本でつくられているので、地場産業としての魅力もあるなと感じます。一緒にものづくりをして感じたことなどはありますか?

今回に限ったことではないですが、日本の地場産業は70代や80代の職人さんがまだまだ現役で頑張って伝統を継承してくれているからこそ商品が生まれている、ということの重大さを感じますね。10年後には継承する人がいないかもしれない、というのは本当に直近の課題です。今回手がけた商品は、ふた皿とボウルは岐阜県多治見市で。ロールコットンは大阪泉州で。そして、ジップバッグは兵庫県の豊岡市でそれぞれの職人さんが丹精込めて作った作った日本製です。どのメーカーさんも、エコ商品だけを製造しているわけではなく普通の商品も生産されていますが、取り組みの一つとして、どの企業も環境配慮につながるものへの挑戦を行っており、思いは一緒だなと感じています。

Q10、では最後に、「シルムッカ」の今後の展望をお聞かせください!

2025年の2月ごろを目指した新商品を計画中です。特に米ぬかは、商品づくりのキーワードになると感じているので、「シルムッカ」の代表商品として今後もバリエーションを増やしていきたいですね。あとはスポンジなど、身近なもののプラスティックを削減するために、さまざまな環境配慮素材を探し見つけて、商品に取り入れたいと思い準備を進めています。「シルムッカ」の商品点数が増えて、使ってくださる方もどんどん増えていくことで、環境配慮にも地場産業の活性化にもつながる。そういう循環に一躍買っていけるような商品づくりをこれからも行っていきたいです。

silmukka[シルムッカ]

私たちにも無理なくできて、未来へつながる暮らしのヒントをご紹介。
できることから取り組んで、サステナブルがみなさんの日常になりますように。

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