2015年より、ネパール大地震への被害に対し、みなさまに「ネパール中部地震義援金」へのご協力をお願いいたしました。たくさんのご支援をいただき、本当にありがとうございました。
ネパール中部地震 100円義援金から2018年度に拠出したピースウィンズ・ジャパンさまの活動レポートが届きましたのでご紹介します。
■プロジェクト名 : 家内工業従事者の生計向上を通した持続可能な地域産業振興
■実施場所 : ネパール国バクタプール郡
■実施期間 : 2019年4月~2020年3月
(新型コロナウイルスの影響により、活動期間は2020年9月末まで)
<プロジェクトの完了報告>
ピースウィンズ・ジャパンは、現地のNGOサバ・ネパールと提携をし、ダカ織りという伝統織物を通して、ネパールで生きる女性の生計と地位の向上に取り組みました。
【起業・マーケティング研修】
起業方法や会計、企業成長、リスク分析などを学ぶ起業・マーケティング研修を行い、将来有望な20名の女性たちが参加をしました。研修参加者はより実践的な知識を得るためにサバ・ネパールの直売店舗でOJT(現任訓練)を行いました。
直売店舗にて販売研修を受け、店頭販売にチャレンジする女性たち
【技術研修】
意欲的で5年以上の経験があるダカ織職人4名が、更なる技術向上のための研修を行いました。参加者は、デザイン図面をもとに9つもの新しい模様を織ることができるようになりました。更には、学んだ模様の色および品質をカスタマイズして、お客さまの要望や予算に合わせて商品を織ることができるようになりました。
【展覧会イベント出展】
ダカ織り生産者を応援するために首都で開催された全国規模の工芸品展に出展し、より多くの人へダカ織りの魅力や製品技術・実用性をアピールしました。また事業対象の直売店があるバクタプールでの展覧会にも出展をして、地元の人を中心に商品の認知度の向上を図りました。
首都で行われた工芸品展への出店風景
【直売店舗の販売促進】
旅行者への紹介が行われるよう旅行代理店2社へ店舗紹介を行い、海外からの旅行者が実際に店舗を訪問しました。こうした取り組みを更に促進していくために、店舗の宣伝物品を製作、配布しました。
ドイツ人観光客グループの直売店舗訪問
【直売店舗の設備拡充】
扇風機や展示用マネキン、商品棚などの設備備品を設置し、店舗の運営管理が円滑に行えるように拡充しました。
商品が見やすく陳列された店内
<現地の様子・現地の声>
技術研修に参加したSarala Limbuさんたち4名は、5年以上機織りを続けるベテランのダカ織職人です。全ての参加者が、織物だけで家計を切り盛りしており、副業は行っていません。しかし、彼女らは研修に参加し、朝の6時から日が暮れるまで、少しでも多くの技術を習得するために、自ら進んで自主練習に勤しみました。
研修では地元で学ぶことができないパターンやデザイン画の解読を学びました。織職人の9割の女性は読み書きができないと言われていますが、「読み書きができなくても地元の市場以外から仕事を請け負うことができるようになるため、少しの時間も無駄にはできない」と一生懸命でした。
「この研修に参加し、地元では巡り合うことのできないような素晴らしい技術者たちの仕事を見ることができてとってもモチベーションが上がります。」
と笑顔で話してくれたのは、二人の子どもを育てるシングルマザーの参加者。
「より品質の高い商品を作れるようになりたいんです。」と笑顔で話してくれました。
彼女らの地元は、テラトム郡という首都から飛行機を使っても移動に丸一日を要する山間部にあります。バクタプール郡に来ることも初めての人がほとんどで、研修中の毎日がとても刺激的だったようです。
デザイナーからデザインの図面の読み方を学ぶ受講者
<支援者のみなさまへ>
みなさまの継続的なご支援により、直売店の人材育成や広報活動、ダカ織職人の技術向上が進みつつあります。また、新型コロナウイルスの影響で、海外からの訪問客を主要な販売対象とする従来の生産・販売活動が難しくなったことによって、ネパール国内にいる顧客のニーズや趣向を見直し、新たな販売計画を試行中です。
この事業でネパールの女性が自身で生計を立てられる術を身につけ、彼女たちの自立を支援するという機会を作ることができました。みなさまからのあたたかいご支援をいただき、誠にありがとうございました。
(認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン 石田さまより)
■家内工業従事者の生計向上を通した持続可能な地域産業振興
実施場所 : ネパール国バクタプール郡
実施期間 : 2019年4月~2020年3月
(新型コロナウイルスの影響により、活動期間は2020年9月末まで)
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