次の基金より拠出したNPO法人篪庵トラストさまの活動レポートをご紹介します。
徳島県三好市東祖谷にある茅葺き古民家「篪庵」は、東洋文化研究者アレックス・カーにより1973年に購入されて以降、屋根の葺き替えや修理を受けながら数多くの人々を迎え入れ、今日までその存在を守ってきました。篪庵は東祖谷における文化的遺産とも言える存在であり、今後の歴史的観光資源ともなりうる存在です。
われわれNPO法人篪庵トラストにとっては、日本の美しい田舎風景の保全に貢献するという活動理念のベースとなる場所です。
当プロジェクトでは篪庵を、劣化の進む現状から救い、保全していくために、茅葺屋根の総葺き替え工事、及び建物の整備を行います。
また、より多くの人々に当NPOの活動趣旨を理解していただくため、屋根の材料集めである茅刈り作業体験を一般の方に対してもイベント的に開催し、葺替え工事中にはワークショップも開催いたします。
プロジェクト進捗状況
2011年11月~12月 <茅刈り作業>
落合峠付近の茅場にて、11月から12月にかけて茅刈を実施しました。
この2ヵ月間で250シメ程度の茅を収穫しました。
※1シメ=6尺(約180㎝)の縄で根元から90㎝上を束ねたもの
茅を刈取り、束ね、山から運び下ろします。
雪の日には、保管庫で茅に付いている余分な葉を除去します。
2011年12月末~2011年1月初旬 <篪庵横納屋の解体工事>
篪庵横の納屋の解体が完了し、跡地の整地が進む。
2011年1月~2月 <納屋土地の整地、篪庵の解体>
納屋跡地の整地、レベル(土地の高さ)調整進む。篪庵の外壁は撤去完了。
2011年3月 <納屋の基礎工事、篪庵の傾き修正>
納屋の基礎が完成。背面の石垣が積み直されており、レベル調整は完了している。
篪庵の柱が新しいものに交換されている
2011年3月 <篪庵の構造補強工事>
柱の交換が進展。
今後の予定
3月下旬~ 屋根の茅を剥がす作業
4月 外壁の土壁及び茅の吹き替え完了
5、6月 床、壁の仕上げ
6月中に完工し、宿泊施設としての開業を目指しております。
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