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基金活動報告 ー 茅葺き古民家「篪庵」保全プロジェクトへの支援(NPO法人 篪庵トラスト)ー

昨年より、かやぶき屋根の葺き替えなど修復が行われていた築300年の古民家「篪(ち)庵(いおり)」の改修が無事終了したとの報告と感謝のお手紙を、アレックス・カーさんよりいただきました。

「篪(ち)庵(いおり)」の修復には日本伝統生活文化基金からも一部支援をさせていただいており、基金に参加していただいたみなさまには改めて御礼申し上げます。また、アレックスさんと一緒に作った日本の美しいものシリーズの商品も間接的にこの修復に役立てていただいております。

「篪(ち)庵(いおり)」の屋根の葺き替えはアレックスさんの長年の悲願であり、こうして無事に改修を終えることができたのも、みなさまからのご支援があってのことだと感謝されています。また、お手紙にはアレックスさんの「篪(ち)庵(いおり)」への熱い思いとこだわりそして改修が完成した喜びがあふれています。

機会があればぜひ現地をお訪ねいただいて、新しい「篪(ち)庵(いおり)」をご覧いただければ幸いです。

 


 

【アレックス・カーさんからのお手紙】

 日本伝統生活文化基金、日本の美しいものシリーズをご購入いただいたみなさま、ありがとうございました。
 みなさまのご支援により、築300年の古民家「篪庵(ちいおり)」の改修を無事に終えることができました。
振り返ってみると、私が徳島県の山奥にある「祖谷(いや)」と出会ったのは1971年でした。「三大秘境」の一つと言われる祖谷には平家落人の伝説が残り、険しい山の斜面に茅葺き屋根の民家が点在しています。仙人の世界に見えた祖谷に惚れてしまい、1973年の夏に一軒の家を買いました。その家に「よこぶえ」を意味する「篪」という字を使って、「篪庵」の屋号を付けました。
 その後、住めるように直して、たくさんのボランティアや見学客を迎えました。
 全国的に言えることですが、祖谷でも古い農家がどんどん壊されており、篪庵のような家は貴重な存在です。
 古民家は「死んだ資料館」ではなくて、「生きている住居」として改修する必要がある、と私は深く信じています。
 40年間ずっと篪庵の大改修を夢見てきましたが、大修理には多額の金額が必要なこともあり、なかなか実現には至りませんでした。
 今回の改修で、そうした長年の夢がやっと叶いました。改修内容としては、傾いていた柱を戻すなど基礎の補強をして、きれいな風呂や炊事場を作って水まわりの整備を行いました。また、ペアーガラスと床暖房を入れて寒い冬を楽に過ごせるようにして、最後に茅葺き屋根を葺替えしました。
 改修によって囲炉裏と黒光りしている座敷の松板など、もともとの雰囲気を残しつつも、丈夫な構造と快適な生活環境を得ることができました。
 篪庵は、この8月から再オープンして宿泊希望を受付けています。次の300年に向けて新たな一歩をスタートすることができ、うれしく思っております。皆様も祖谷にお越しの際は、是非篪庵まで遊びにいらしてください。
 日本には危機的な状況に瀕した建物や地域がまだまだあります。今後は、そのような地域の再生活動に尽力していきたいと思います。これからも引き続き、皆様からのご支援を頂けると幸いです。 

篪庵トラスト
アレックス・カー
www.chiiori.org/jp/

 

dentou_chiiori_F1.jpg

改修後の篪庵 (外観)

dentou_chiiori_F2.jpg茅葺き屋根(屋内から)

dentou_chiiori_F3.jpg改修後の篪庵(外観夜景)

dentou_chiiori_F4.jpg改修後の篪庵 (座敷)

dentou_chiiori_F5.jpg改修後の篪庵 (座敷)

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