2015年度に次の基金より拠出した認定NPO法人難民を助ける会さまの活動レポートをご紹介します。
アフガニスタンに埋められた全ての地雷・不発弾等を除去するには、まだ長い時間が必要です。難民を助ける会(AAR Japan)は、イギリスの地雷除去団体ヘイロー・トラスト(HALO Trust)と連携して地雷・不発弾除去を実施し、同国の人々が安全に暮らすことができるようにする活動を実施しています。
地雷探知機で地雷・不発弾を探す除去員(バダフシャン州)
アフガニスタンの北部に位置するバダフシャン州アルゴ地区およびバフラン州タラ・ワ・バルファク地区は、1970年代後半から約10年間にわたり続いた旧ソ連によるアフガニスタン侵攻の激戦区でした。そのため、いまでも当時埋められた地雷などが多く残っている地域です。
家畜の放牧区域で地雷探査活動を行う除去員(バダフシャン州)
この地域には、570世帯の住民(およそ2,850人)が住んでいます。地雷や不発弾が埋設されていたため、常に危険に脅かされながら、それでも生活のために家畜の放牧や農作業を行っていました。
AAR Japanは、専門の訓練を受けた地雷除去チームを同地域に派遣し、地雷除去専用の機材を使って、地雷や不発弾を発見し、そして除去する活動を行いました。2016年4月から2016年6月まで3ヵ月にわたって行われた作業では、対人地雷49個と不発弾2個が除去され、東京ドーム約2.5個分の土地(19,080㎡)が安全に使用できると確認されました。
住居付近で地雷が発見され、除去活動を行う除去員(バフラン州)
彼らが使用する土地の安全性が確認されたことで、地雷や不発弾の脅威に脅かされることなく、安心して生活することができるようになりました。
<支援者のみなさまへ>
アフガニスタンに埋設されている地雷・不発弾の数はおよそ1千万個以上とも言われています。地雷や不発弾の事故にあった人々の中には、障がいを負いながらも十分な治療を受けることができず、学校に行くことができなくなった子どもたちや、仕事に復帰できなくなった人々が多く存在します。常に脅威に怯えることなく、生活するためには、埋設されている地雷・不発弾を1日でも早く撤去することが喫緊の課題です。
この度のみなさまからの温かいご寄付で570世帯もの家族が安心した暮らしを取り戻すことができました。AAR Japanは今後も地雷対策活動を通してアフガニスタンの復興に貢献していきますので、引き続きご支援の程、よろしくお願いします。
前回の報告書はこちら
■難民を助ける会さまのその他の活動はこちらからご覧いただけます。
コメント