カンボジア人自らの手で、世界遺産・アンコール遺跡群を後世に伝えていくために、破損や崩落の危機に瀕しているバイヨン寺院の彫像修復および人材育成を行っています。修復活動は7名のカンボジア人によって進められています。JASAの修復活動に20年間従事していたベテランの棟梁から、新米のカンボジア人に技術を継承しています。
ナーガ像・シンハ像の修復を行うカンボジア人スタッフ
このプロジェクトのリーダーを務めるノヴ・ソピアック氏 (27歳) に3年目を迎えたプロジェクトへの想いを聞いてみました。
「このプロジェクトは、次の世代に技術を伝える本当に重要なものです。私はこれまで2年以上、このプロジェクトに携わり、専門家になるために学んできました。私自身もできる限り多くの知識を身につけ、ここで学んだことを次の世代へとつなげていきたいと思っています。
私の夢は、この仕事を続けることで一人前の専門家になることです。JASAスタッフからうけたトレーニングにより、スタッフはとても早く成長することができたと思います。とても親身になって、常に何が一番良い修復の方法か話し合いながら教えてくれているからです。
ナーガ・シンハ彫像プロジェクトを応援してくださっている日本の支援者のみなさん、
『オークンチュラン (どうもありがとうございます) 』。
今年も私たちはチームワークよく、充実した仕事をできるよう努力していきます。ぜひみなさん、この修復現場を見に来てください。みなさんにカンボジアでお会いできるのを楽しみにしています!」
ノヴ・ソピアック氏
修復作業は、厳しい暑さの中での作業が多く、若者にはあまり人気がありません。しかし、彼らの中には “自分たちの文化を自分たちで残す” ことへの誇りと熱意が着実に生まれています。
〈支援者のみなさまへ〉
バイヨン寺院は1994年からJASAによって修復が行われています。このプロジェクトは、ナーガ・シンハ像の彫像修復のみならず、JASAのこれまでの約20年間に養成された人材を、次の世代へとつなげる〝カンボジア人からカンボジア人へ″の技術継承を進めています。
厳しい暑さの中、日々自分たちの文化を自分たちの手で子どもたちに伝えよう、と奮闘しているカンボジア人スタッフの応援を引き続きよろしくお願いたします。
なお、バイヨン寺院近郊に、2013年~2014年の間に修復プロジェクトにご協力いただいた方々のお名前を刻んだ銘板を設置いたしました。バイヨン寺院に行かれた際には、ぜひご覧ください。
銘板完成
現地パートナー:JST(カンボジアのNGO:アンコール遺跡の保存と周辺地域の持続的発展のための人材養成機構)、技術協力:JASA(日本政府アンコール遺跡救済チーム)】
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