2013年度に次の基金より拠出した認定NPO法人 ACE(エース)さまの活動レポートをご紹介します。
■「ピース・インド」プロジェクト
ACEは、インドのコットン生産地で子どもを危険な労働から守り、子どもの教育を支援するため「ピース・インド」プロジェクトを実施しています。2014年4月から、テランガナ州にあるマッデラバンダ村とタティクンタ村で活動を始めました。
2つの村には、事前調査で、義務教育年齢の子ども約1,200人のうち約2割に当る226人が、コットン栽培などの農業で働くために学校へ通っていないことが分かりました。プロジェクトの始めの活動として、まず子どもの就学徹底に重点をおいて、児童労働による問題や教育の重要性について意識を高める集会や演劇の開催、就学を呼びかけるキャンペーンの実施などを行っています。また働いていた子どものためのブリッジスクールの運営を行い、学用品、制服や靴、給食などの支給を受けて基礎学力を身につけ、公立学校へ就学できるよう支援しています。これらの活動により、現在81人の子どもが働くのをやめて教育を受けられるようになりました。
働いていた子どもたちが勉強するブリッジスクールでの授業の様子
タティクンタ村に住む9歳の女の子、ウルクンドゥさんは、学校に通ったことがなく親と一緒にコットン畑で働いていました。親は「娘はすぐに結婚して家を出るから教育を受ける必要はない、働かせたい」と考えていたため、現地スタッフは何度も家庭訪問をして、女子も等しく教育を受けることの重要性などについて親と話しました。始めはなかなか理解が得られませんでしたが、村の住民の協力を得て一緒に話合い、親は徐々に将来のためにも教育が必要と理解し、ウルクンドゥさんはブリッジスクールに入学できるようになりました。
現在、ウルクンドゥさんは毎日ブリッジスクールに通い、「勉強できてとてもうれしい」といっています。
今後ウルクンドゥさんが村の公立学校に編入し継続して教育を受けられるよう、親への支援も視野に入れて活動していきます。
コットン畑で働いていた時のウルクンドゥさん(9歳)
働くのをやめてブリッジスクールに通えるようになった現在のウルクンドゥさん
<支援者のみなさまへ>
ご支援のおかげで、2つの村で子どもの就学のための活動を予定通り開始することができました。誠にありがとうございます。
今後は、子どもが就学した後も継続的に教育をうけられるよう、公立学校の施設や教育の質の改善等に取りくむと共に、義務教育年齢を過ぎた女子の自立支援を行います。
また働く子どもの親は経済的に貧しく安定した仕事がない場合が多いため、収入向上支援や行政制度に関する訓練などを行って、住民が子どもの労働に頼らず、生活環境を改善していけるよう自立を支援していく予定です。
より多くの子どもたちが労働から守られ、安心して希望を持って暮らしてけるよう、今後ともプロジェクトへのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
マッデラバンダ村の小さな集落にある公立学校で勉強する子どもたち。
まだ教育環境が十分整っていません。
前回の報告書はこちら
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