2013年度に次の基金より拠出した認定NPO法人難民を助ける会さまの活動レポートをご紹介します。
アフガニスタンでは、報告されているだけで子どもや民間人など毎月約40人が地雷や不発弾の被害に遭っています。難民を助ける会(AAR)はカブール県を含むアフガニスタン各地の村落で2002年から地雷回避教育のための講習会を実施しています。これまでに56万人以上が参加しました。現在AARスタッフは村を一つひとつ訪問して短編映画を上映し、地雷・不発弾の危険や法を伝える講習会それらの危険から身を守る方法を伝える講習会実施していますが、AARスタッフが同じ村で実施できるのは年に1、2回程度です。
そこでAARは、今年から各地域の村落住民の中から地雷回避教育の指導員を養成し、指導員が自主的に地雷回避教育講習会を実施することができる仕組みづくりに取り組んでいます。AARスタッフがこれまで培ってきた地雷回避教育の知識や方法を指導員に伝え、指導員が今後も長期にわたって講習会を実施することで、住民への知識の定着がより進みます。
カブール県およびパルワーン県の27村で、長老や宗教指導者と相談のうえ、各村から指導員候補生を2人ずつ選出しました。その指導員候補生に対し、AARスタッフが3日間の研修を行い、地雷・不発弾の種類、頻繁に発見される場所や、教材を使った講習会の進め方、地雷事故発生時の対応方法などを学んでもらいました。講習会で使うポスターやパンフレットは、AARが作成したものを使います。研修の最後には一人ひとりが実際に教材を使って講習会のデモンストレーションを行い、理解を深めます。
パルワン県の村で、地雷回避教育の指導員候補生に対して研修を行っている様子。
研修終了後、これからの教材も指導員に提供します。
指導員候補生も実際に講習会で使うゲームで遊んでみます。
今年4月に研修を受け、指導員となったパルワーン県の小学校教員ナザール・ムハンマドさん(33歳)は、地雷や不発弾の被害者を数多く知っていると言います。「もう地雷や不発弾で苦しむ人を見たくありません。被害に遭わないための正しい知識を広めることは、たくさんの人の健康や幸せな生活につながります。早速小学校の授業の一環として講習を実施して、子どもたちに知識を伝えています」。
研修を終えた指導員が実際に自分の住む村で講習会を行う様子。
子どもたちも熱心に聞き入っています。
<支援者のみなさまへ>
アフガニスタン地雷対策調整センターの調査によると、現在も、同国の各地で新たな地雷原が発見されています。まだ多くの人々が危険にさらされているのです。人々が安全で平穏な日常生活を送れるよう、地雷回避教育の継続的な取り組みが必要とされています。治安の悪化が懸念されるアフガニスタンではありますが、これからもAARは地雷対策を通じ、同国の平和構築に貢献してまいります。どうか引き続き皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。
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