2012年度に次の基金より拠出した認定NPO法人 幼い難民を考える会さまの活動レポートをご紹介します。
内戦終結から20年、戦争の爪痕はいまだにカンボジア社会に影を落としています。医療や教育、保健、児童福祉、人権など、カンボジアのさまざまな課題を支援する海外のNGOは500団体以上あり、まだまだ海外の支援なしでは十分に機能しません。
そのなかで私たちは、子どもたちが安心して暮らせる環境づくりと、女性の自立を支援する活動に取り組んでいます。子どもたちを取り巻く環境は厳しく、内戦の影響で30代以上の男性が少ないため、女性が暮らしを支えているケースが少なくないからです。
カンボジアでは4割の子どもが慢性的な栄養失調で、衛生環境も悪く、農村部では2人に1人が安全な水を飲めず、1割近くが5歳まで生きられません。そのため保育所や幼稚園の開設・運営に協力し、幼児教育の場から子どもたちを支援しています。
アンドレ村は首都・プノンペンの郊外に点在する700あまりのスラムの中でも、劣悪な環境地域の1つです。幼児教育の普及率、栄養充足率、保護者の就労率、どれも大変低いことが問題になっていて、私たちは現地NGOのCCDOの保育所運営に協力しています。
また、より多くの子どもたちに保育や幼児教育の機会を提供できるように、幼稚園のない村に午前保育の簡易幼稚園「村の幼稚園」の開設と運営の協力もしています。小学校をドロップアウトする子どもが多いなかで、幼稚園や保育所の普及率の向上は、初等教育以上の中途退学率の低下に大きな効果をもたらしています。
「お腹いっぱい食べること」は、子どもにとって大切なことです。スラムには1日に1食すらとることのできない子どもたちがいます。ですから1人でも多くの子どもたちが健やかに成長するように、給食の支援もしています。2012年度は13の保育所と幼稚園、小学校に通う約1200人の子どもたちに、給食や、豆乳とゆで卵の特別給食を支給しました。
それに小学校の高学年の児童、保護者給食調理者を対象に栄養ワークショップを行い、給食支援が食育にもつながるようにしています。さらに一部の保育所では将来、自主運営ができるように、保護者や地域住民、保育者たちで給食の食材をいくらか畑で作っています。
これからも保育所や幼稚園運営の支援を続け、地域での自主運営を目標に活動を続けていきたいと考えています。
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