頭上に広がるドーム天井 幾何学模様のタイル装飾傘
YOU+MORE!の透明傘シリーズの新作は、愛知県・常滑市「世界のタイル博物館」にある、イスラームのタイル装飾のドーム天井を再現しています。
旅するように巡って、タイルの歴史と魅力を実感できる「世界のタイル博物館」。
その中でとりわけ印象的だったイスラームのドーム天井を、傘のデザインに落とし込みました。
博物館のドーム天井と同じ8つの頂点。オリエンタルな雰囲気と、繊細で美しいタイルの色やデザインを頭上で楽しむことができる透明傘です。
実際のイスラームの天井はてっぺんに穴が開いていて、日の光が入ってくるようになっており、ドーム内の光の色や角度が移り変わり、昼~夜で時間の経過とともに異なるタイルの表情が見られるそうです。
世界のタイル博物館でも天井部分にライトを仕込み、その様子を再現しています。今回の傘でも、てっぺんにクリア部分を作って、空が見えるようにしました。
細かいタイルの配置やぷっくりとした立体感も、イラストとは思えないくらいリアルな描写で再現。タイル一枚一枚の陰影にもご注目ください。
ハンドル部分は白~クリアのグラデーションに染めました。そして今回はワンタッチで開く、便利なジャンプ式!
光が差すと、美しい影が現れます。(UVカットや遮光機能はありません。)
実際のドーム天井を傘にする際、最も苦労したのがこのタイルを配置する作業です。それは、ドーム天井と傘のカーブが異なるため、まったく同じに配置しても傘の形状には合わないからです。
世界のタイル博物館の主任学芸員である、後藤 泰男さんにアドバイスをいただきながら、デザインを何度も何度も修正し、完成に至りました。
何を隠そう世界のタイル博物館にあるこのタイル天井は、後藤さんがイスラームの繊細で美しいタイルのデザインに魅せられ、中近東のドーム建築の内部に広がる幾何学的なタイル装飾を試行錯誤の末に再現したもの。
現地の天井を観察しながら、後藤さんも私たちと同様にタイルの配置に苦労されたそうです。中心線を見つけ、模型を作り、このドーム天井のために新しいタイルを型から作り、焼き上げました。
複雑に見えるこの柄も、じつは12種類の形のタイルを色や配置を変えて組み合わせることで出来ています。
そして世界のタイル博物館のドーム天井は、約5万枚のタイルを貼って出来上がりました。想像を絶する緻密な作業ですよね……。
後藤さんへの詳しいインタビュー記事は【こちら】
ぜひ、世界のタイルミュージアムの装飾の宇宙、ドーム天井に想いを馳せながら広げてみてください。
重厚感があるはずのタイル装飾を、ワンタッチで開いていつでも頭上で楽しめます。憂うつに感じる雨の日も思わず見上げたくなるような美しい傘になりました。