アートを日常に!ゆったり楽しむ「おうち美術館」のススメ
公開日 2020.11.27 / 最終更新日 2023.05.01
こんにちは。文具好き、マンガ好き、資格取得マニアというコレクター気質満載のフリーライター、みのうかなこです。
美術館巡りも好きで、好きな画家や時代の企画展があれば、いそいそと出かけています。しかし、アートの世界は奥深く、そのジャンルは幅広いもの。絵画や彫刻、書など、歴史を彩る作品も多く、マンガやアニメの原画展まで含めると、推し活として美術館に足を運ぶ方も多いのではないでしょうか。
好きな画家やその作品を前にすると、感動したり、癒やされたり、時間を忘れて立ち止まることもしばしば。しかし、どんなに好きな作品があっても、美術館に滞在できる時間は限られており、特別展の場合には期間限定でしか目にすることができません。
もっと気軽に、もっと日常にアートを楽しむために、おすすめしたいのが「おうち美術館」です。今回は、自宅でアートを楽しむ方法や、おすすめアイテムを紹介します。
目次
「おうち美術館」とは
美術館は、全国、全世界にあり、貴重な作品を鑑賞したり、作品に触れたりできる場所です。そこでしか鑑賞できない作品もあれば、時代やジャンル、画家ごとに企画された特別展として巡回する作品もあります。ただ、どんな特別な企画でも、通常であれば、特定の美術館まで出かけなければ目にすることができないのが残念なところです。
一方で、「おうち美術館」は、出かけずに、おうちの中でアートを楽しもうというもの。インターネットを通じて、貴重な美術品を目にしたり、アートなアイテムを生活に取り入れたりしながら、日常そのものを美術館にいるような空間にするという趣向です。
美術館に直接足を運ぶのも楽しい時間ですが、実際のところ、お目当ての作品を生で鑑賞できる機会はかなり貴重。例えば、私の好きなベラスケスの「ラス・メニーナス」は門外不出。スペインにあるプラド美術館に行かなければ、直接目にすることはできません。複写の形で目にすることができる展覧会もありますが、実際にはそうした機会も少ないのが現実です。
その点、「おうち美術館」なら、いつも目の前に好きな作品がある環境が作れます。もちろん、本物を見ることはできませんが、作品へ想いを馳せながら身近にあるポストカードや画集を見るだけでも至福の時間です。私自身も、ひと息つきたいときには、画集を見たり、ミニチュアの彫刻を触ったりして癒やされています。
「おうち美術館」を楽しもう!オンラインで訪問できる美術館リスト
Google Arts&Culture
今や、オンラインで美術品が鑑賞できる時代。多くの美術館が、無料で観覧できるオンライン展示を行っています。なかでも手軽に楽しめるのが、「Google Arts&Culture」。Googleが運営するサイトで、世界中にある250以上もの美術館や博物館にある作品や文化財が登録されており、好きな画家名や時代、色を選択して検索しながら鑑賞できるのが魅力です。しかも、かなりの高解像度で、スポットによってはストリートビューを使って美術館を歩いているような雰囲気を味わえたり、拡大して細部まで鑑賞できたりするのがすごいところ。スマホさえあれば、国内だけでなく海外の作品までじっくり見れますよ。
Google Arts&Cultureの基本的な使い方
まずは、初めて「Google Arts&Culture」を使う人のために、簡単に使い方をご紹介しましょう。
といっても、利用方法はいたって簡単。サイトにアクセスして、お好みのスポットや作品を検索するだけです。ただし、スマホからアクセスしたい場合は、アプリをダウンロードするのがおすすめです。また、設定によっては、英語で表示されることがあるため、日本語翻訳で表示するようにしておくとよいでしょう。
おすすめの検索方法は以下の3つ。
- ホーム画面の「虫眼鏡マーク」から、美術館名や作品名、画家名、年代を入力して探す
- ホーム画面から「トピック」ページを開き、ページ半ばにある「時系列」から時代ごとに見る
- ホーム画面から「トピック」ページを開き、ページ半ばにある「カラー」から好きな色を選んで作品を探す
個人的には、時系列で作品を探すのが好きで、特にベラスケスやフェルメール、レンブラントなどが並ぶ1600年代のバロック絵画を中心に閲覧しています。ほかにも、素材や技法、コレクション、芸術運動ごとの検索も可能。国ごとの美術館や博物館、文化財を指定して探すこともできますよ。
スマホアプリのみで楽しめる「おうち美術館」
「Google Arts&Culture」は、パソコンでもスマホでも使えますが、スマホアプリ版のみで利用できるユニークなサービスがあります。おすすめの2つをご紹介します。
・Launch Art Projector(Art Projector)
カメラで映し出した背景に、名画が現れます。画面を通してしか見られませんが、まさに「おうち美術館」が作り出せるツールです。
・Art Selfie
自撮りした写真に似ている絵画や彫刻を探し出してくれるツールです。一体どこが似ているのかわからない、驚くような作品が表示されるのもおもしろいところ。いろいろ試した結果、撮影した写真と色味が似ている作品が多く検出されるようです。
オンラインで遊びに行きたいおすすめの美術館
「Google Arts&Culture」以外にも、オンライン鑑賞ができる美術館はたくさんあります。その中から、おすすめの美術館を3つご紹介します。
・ルーヴル美術館(フランス)
常設展示数3万5000点、収蔵品数は38万点を超え、来訪者数世界一とされるパリのルーヴル美術館。「モナ・リザ」「ミロのヴィーナス」といった貴重な作品が多いものの、現地まで行くのは大変です。しかし、オンラインならサイトにアクセスするだけ。3つのコースが用意されており、バーチャルツアーに入れば、館内の様子を見ることができます。展示されている作品をクリックすると拡大表示されるため、じっくり絵画や彫刻を鑑賞できます。また、iPhone対応の無料アプリ「Musee du Louvre」では、建物の中を歩き回っているような視点で作品を探せますよ。
・MoMA(The Museum of Modern Art)(アメリカ)
ニューヨークにある近代美術館MoMA(モマ)。ゴッホやモネ、ピカソといった有名画家の作品も多く展示されています。日本でも人気のクリムト作品もあります。MoMAの公式サイトのArt and artistsページに並ぶ近代美術作品は圧巻。また、英語のみになりますが無料で受講できるオンライン講座も提供されています。「Google Arts&Culture」からもMoMAの作品リストを鑑賞できますが、おすすめなのがストリートビュー機能を使った鑑賞です。まるで美術館にいるような雰囲気で特定の展示室を見渡せます。気になる作品画像をクリックすれば、一気にその作品の目の前にワープし、拡大表示も可能です。
・国立西洋美術館(日本)
「Google Arts&Culture」には国内の美術館もたくさん登録されています。好きな美術館が多すぎてひとつに絞るのは難しいのですが、今回ご紹介するのは東京都台東区にある国立西洋美術館のページ。国内外の著名画家の作品が収蔵されており、オンラインでは248点の絵画や彫刻が登録されています。こちらも、ストリートビューで館内に展示されている作品をゆっくり鑑賞できます。公式サイトでは、常設展の作品が紹介されていますよ。
「おうち美術館」の楽しみ方
オンラインでの美術鑑賞をご紹介しましたが、おうち美術館の楽しみ方はほかにもたくさんあります。画集をのぞいてニンマリ楽しむのもよし、アートなアイテムを身につけるのもよし。好きな楽しみ方を見つけてみましょう。
■ポストカードを活用しよう
アートポストカードを、100円均一ショップで購入した写真立てに入れるだけで、部屋が華やかな美術館に変身します。私は、好きな作品に出合うと、同じポストカードを数枚購入してしまうこともあり、直接コルクボードに画びょうで刺して飾ることもあります。ポストカードに穴をあけたくないなら、小さなピンチではさんで並べたり、マスキングテープを使って貼り付けたりするのがおすすめ。インテリアとしてもおしゃれな空間を作れます。雑貨店でも販売されている絵画のポストカードを並べて、自分だけの企画展を開くのも楽しいですね。
フェリシモミュージアム部 おうちミュージアム 額縁柄のきせかえポストカード袋セットの会
ポストカードだけでなく、推しのブロマイドも額縁柄にきせかえできますよ。
■ミニチュア彫刻作品を並べてみる
最近では、カプセルトイでミニチュアの彫刻作品や絵画がシリーズ化されていることがあります。わずか数百円で入手できるカプセルトイですが、意外と手の込んだ作りとなっており、小さいので場所を取りません。私が好きなシリーズは、「ミニチュアアートコレクション」「和の心 仏像コレクション」です。玄関先の棚に、ミニチュアの仏像を並べて楽しんでいます。
■マグネットで企画展
ミュージアムグッズとしても定番のマグネット。冷蔵庫に貼り付けるだけでも、アートなスポットのでき上がり。アート系のマグネットは美術館に行かなくても、雑貨屋さんで販売されていることもあるため、手軽に入手できるアイテムのひとつです。
もっと身近に。アートなアイテムをファッションに
おうち美術館をさらに盛り上げるために、ファッションにアートを取り入れるのはいかがでしょうか。好きな画家や作品をおしゃれに着こなせば、それだけで気分も上がるというもの! アートファンとして楽しむだけでなく、おしゃれなアイテムとしても使える商品をいくつかご紹介しましょう。
■おしゃれに着飾る「アートプリントTシャツ」
柔らかな輪郭で移り変わる光の変化を映し出す印象派作品。優しいタッチと色合いに美しさを感じる方も多いのではないでしょうか。そんな印象派の作品がプリントされた「アートプリントTシャツ」は、美術ファンはもちろん、そうでない方にもおしゃれなアイテムとしても活用大。さらに、繊細さが美しいミュシャのロンTは、袖のロゴにも注目。近年、ブームとなっているグラフィックプリントTシャツも、絵画のプリントで差をつけちゃいましょう!
IEDIT[イディット] 印象派アート グラフィックTシャツの会
IEDIT[イディット] 繊細なミュシャのアートをまとう グラフィックロングTシャツの会
■指先にもアート!ネイルシール
MEDE19F モネの世界をまとうネイルシールの会
MEDE19F クリムトの世界をまとうネイルシールの会
MEDE19F ルドゥーテの世界をまとうネイルシールの会
印象派の代表的な画家モネ、そして、印象派の影響を受けつつも新たな表現を目指して「ウィーン分離派」を結成したクリムト、「バラの画家」「花の画家」とも呼ばれる繊細な水彩画を描き出すルドゥーテの作品がネイルシールになりました。
柔らかなモネ特有の色合いと雰囲気を残したネイルシールは、指先を一気にアートに仕上げるアイテムです。一方で、独特の幾何学模様が美しいクリムトの世界観も、また違った魅力に。さらに、マリー・アントワネットもお気に入りだったというルドゥーテの美しい植物画が描かれるネイルシールは、乙女心をくすぐります。どれも緻密な筆づかいを感じられ、作品の魅力がたっぷり詰まっています。シールなので、気軽に使えるのもうれしい。
作る楽しみもある。ハンドメイドでアートを描こう
アートが好きな方は、自身でもイラストを描いたり、写真を撮ったり、ハンドメイド作品を楽しんだりする方も多いのではないでしょうか。自分の手で作りだせることも、アートの魅力。続けて、ハンドメイドが好きな方におすすめのアートアイテムをご紹介。
■名画を作り出す!手作りクロスステッチキット
自然の美しさに魅せられて クロード・モネ「睡蓮の池」クロスステッチキット(大)
DMC×大英博物館 葛飾北斎「神奈川沖浪裏」(大)クロスステッチキット
有名なモネの「睡蓮の池」や、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」がクロスステッチキットになりました。クロスステッチは、難しい刺しゅうの技法が不要で、初めての人でもチャレンジしやすいのがポイント。キットで指定されたマス目に、指定の色の糸を使って交差するように縫い込むだけで、作品が完成します。名画を自らの手で縫い込んで作れるクロスステッチは、まさに手作りのおうち美術館アイテムと言えるもの。
名画を自分の手で作り出すことの楽しさを味わってみませんか?
クロスステッチをもっと知りたい!という方は、「ヴァン・ゴッホ「ひまわり」のクロスステッチを始めてみた」の記事もご参照ください。
■ビーズで作るアートの大輪。有名画家の「花」を描き出すビーズ織りキット
ビーズ織りの モネ・ルノワール・ゴッホ 印象派 花の名画の会
印象派画家として有名なモネ、ルノワール、ゴッホの名画から、「花」を題材にした作品がビーズ織りのキットになりました。ビーズ特有の質感と凹凸が、きらびやかに名画を浮き上がらせてくれますよ。一つひとつ時間をかけて作れば、大切に飾りたくなるアート作品の完成です。
アートの楽しみ方のヒントがいっぱい!フェリシモミュージアム部
アートが大好き、ミュージアムが大好き、そしてミュージアムグッズも大好き! な「フェリシモミュージアム部」がスタート。美術館巡りやアート好きの方へ楽しみ方のヒントをご紹介しています。おうち美術館をより楽しむヒントも見つかるかも?
■手持ちのポストカードでマイミュージアムポーチに
ミュージアム部 ポストカードをもっと楽しむマイミュージアムポーチ
ポーチの表面に透明な窓付きのポケットがついているマイミュージアムポーチ。お気に入りのポストカードを差し込んで、自分だけのオリジナルポーチを楽しめます。好きな作品を持ち歩けるうえ、気分に合わせてカードを入れ替えるのも楽しいですね。ポストカードを直接入れると傷がつきそう……と思われるかもしれませんが、ご心配なく。封筒型のクリアポケットや保護板で、ポストカードを折れや傷みから守る工夫がされています。
おうち美術館でアートの世界を楽しもう
美術館巡りというと、歴史的背景や作品に関する知識が必要なイメージがあるようですが、そんなことはありません。身近なところにあるデザインは、すべてアート。まずは、感じるまま、思うがままに、作品を鑑賞すればよいのです。
知らないことに触れられるのも、美術館巡りのいいところ。好きな作品に出合ったら、きっとオタクのアンテナで、いろんな情報を調べたくなるはず。オンラインであっても、作品ごとに制作時期や背景といった作品情報も掲載されています。アートを身近に親しみながら、リフレッシュの時間としておうち美術館を楽しんでみてはいかがでしょうか。