新しい知識の扉を開こう!博物館めぐりの良いトコロ
公開日 2021.08.16
大人になってから「勉強って楽しい!」と感じる出会いがいっぱいのライター、相良海琴(さがらみこと)です。
オタ活に励んでいると、「もっとこの分野を勉強したい!」と思うことがよくあります。私は日本刀に興味を持ったことがきっかけで、日本刀そのものに関する知識だけでなく、日本刀が誕生した背景や歴史に関する知識も身につけたいと思うようになりました。
子どものころ、教科書に向き合うだけではいまいち興味を持てなかった分野でも、大人になってから一変して学びたいと思い始めるんですから、「好き」の力って偉大ですね。
さて、干支(えと)1周分くらい遅れて学習意欲が湧いた私が今回ご紹介するのは、「博物館めぐり」という趣味。趣味としている人はあまり多くないかもしれませんが、博物館めぐりは静かに学びと向き合えるすてきな趣味だと考えています。
今回は、全国各地の博物館めぐりを楽しむ私が、博物館めぐりという趣味の魅力について、徹底的に語ります!
目次
何歳からでも、学びを歓迎してくれる
博物館の良いところは、なんといっても、あらゆる人を受け入れてくれる懐の深さ。
自由研究で学びたいテーマが決まっている子どもから、ふと新しい世界に触れてみたくなった大人まで、博物館は、誰にでも学びを提供してくれます。私は大人になってから、貴重な学びを得る場として博物館を利用しているタイプです。
社会に出て働くようになると、毎日の仕事に追われて勉強する時間を持てなくなりがちです。学生時代に必死で勉強して身につけた知識は、いつの間にか忘れてしまいます。目の前の仕事を片付けることに必死で、新しく何か学ぶ時間を作るのが難しいという人も、少なくないのではないでしょうか。
しかし博物館は、そんな学びから遠ざかってしまった大人でも、いつでも優しく迎えてくれます。学びに積極的な人だけでなく、子どものころは勉強に興味を持てなかったけれど、大人になってからあらためて勉強したいと思うようになった人もまとめて歓迎し、新たな知識を与えてくれるのです。
「一生勉強 一生青春」という相田みつをさんの言葉があるように、勉強して新たな知識を得ることは、教養を深めて人生を豊かにすることにつながります。博物館は、人生を実り多いものにするために開放された学びの場。誰もが気負いせずに訪れることができる学習場所として、博物館はおすすめです。
そして、博物館で得た学びは、博物館の外での自発的な学びにつながります。
博物館で展示物を鑑賞し、もっと学んでみたいと強く感じたものがあれば、自力で勉強することでさらに知識が深まります。その分野に関わる本を読んでみたり、ネットで情報を収集したり。博物館をきっかけとしてふだんの学びが促されるのも、博物館めぐりの魅力です。
自分の興味に合わせて自由に鑑賞できる
自分が興味を持っていることについてじっくり学べるのも、博物館めぐりの醍醐味(だいごみ)です。
博物館には、さまざまなタイプがあり、地域や歴史、科学など特定の分野に関する展示物を公開しています。そのため、自分が興味を持っている分野に特化した博物館をめぐることで、専門知識を効率的に得られます。
例えば、好きな戦国武将がいるなら、その武将の一生をたどる歴史博物館へ行ってみましょう。武将が使用していた武器や防具のレプリカ、したためた手記や手紙など、気になるあの人の生き様を詳しく知ることができます。
ちなみに、私の推し武将は伊達政宗。独眼竜政宗に関する展示をしている博物館には優先的に足を運んでいます。
例えば、宮城県の松島へ行った際には、みちのく伊達政宗歴史館を訪れました。伊達政宗公の生涯をろう人形で表現した展示は、圧巻の迫力です。戦の才能があっただけでなく、街づくりにも力を入れていた政宗公が今も地元の方々に愛されていることが、展示から十分に伝わってきました。政宗公に関する展示をしている博物館はまだまだたくさんあるので、今後も訪問を検討中です。
そのほか、古代文明に興味があるなら文明ごとに展示をまとめた博物館へ、自然環境や動植物について知りたいときは、自然史博物館へ行くのがおすすめです。古代文明がどのように発展していったのか、または自然環境がどう移り変わり動植物がどのように進化を遂げてきたのかなど、それぞれの分野について模型や写真、動画を見ながら学ぶことができます。
また、博物館で常に開催されている常設展のほか、期間限定で開催される企画展や特別展も見逃せません。企画展や特別展では、ふだん、その博物館に展示されていない資料も見ることができるからです。
私が博物館で日本刀を鑑賞するときは、大体、特別展を狙います。というのも、特別展では、ふだんは見る機会が少ない貴重な刀を見られることもあるからです。
このように、自分が興味のあるものを集中的に鑑賞できるのが、博物館の大きな魅力です。
強い興味がある分野は特にないという人も、ご安心を。博物館は、新しい学びを見つけるための第一歩を提供する場でもあるのです。
強い興味を持つ分野がまだ見つかっていないときは、近所の博物館をちょっとのぞいたり、旅行先にある博物館にふらっと入ったりしてみましょう。ふだんは目にしない貴重な展示物を鑑賞することで、興味の幅を広げられますよ。
そのうちに、「これについて、もっと知りたい」と心が動かされるものに出会えるかもしれません。興味をひかれるものに出会えたら、その分野に特化した博物館を訪れてみてください。そこから先は、自らの好奇心の赴くままに、広くて深い博物館という海を自由に泳いでいきましょう!
「見る」だけじゃない体験を味わえる
膨大な量の展示物が公開されている博物館では、関連する説明文を読みながら、たくさんの知識を吸収するのが、スタンダードな楽しみ方です。
しかし、近年では展示物を「見る」以外の楽しみ方ができる博物館が増えています。いろいろな博物館の楽しみ方を知って、博物館めぐりをもっと楽しいものにしましょう!
音声ガイドで「聞く」
例えば、展示物の解説を耳で「聞く」というのも楽しみ方のひとつ。目だけでなく耳でも楽しめるよう、展示物を解説する音声ガイドを導入する博物館が増えています。イヤホンと端末を借りたり、専用のアプリをスマホにインストールしたりすれば、自分のペースで鑑賞しながら音声ガイドを利用できます。目と耳から情報を取り入れることで、展示物に関する知識がより深まるといううれしい効果も期待できますよ!
さらに、近年はその土地や展示にゆかりのある声優さんを起用した音声ガイドが、博物館の魅力を高めているケースも増えています。私が日本刀の特別展を訪れたときは、日本刀を擬人化したキャラクターが出てくるゲームとのコラボが行われていました。そのとき借りた音声ガイドは、キャラクターの声を務めていた声優さんによるナレーションが楽しめました。展示物を見るのはもちろん楽しいのですが、耳元で良い声の解説が流れると、耳から全身に癒しを取り込んでいるような気分に。知識を深めるだけではない楽しみ方もできる音声ガイド、おすすめです。
展示物に「触る」、イベントに参加し「体験する」
また、許可された展示物に「触る」ことができる博物館もあり、化石や標本、武器や農具のレプリカなどに直接触れることができます。展示物に触れることで、過ぎ去った時代をより具体的にイメージできるでしょう。私は日本刀を見るために訪れた博物館で、真剣と変わらない重さのレプリカを持ったことがあります。イメージしていたよりもずっしりと重く、「昔の武将たちは、こんなに重いもので戦っていたんだ!」と驚きました。実際に触れることで日本刀の物理的な重さを知り、それを使って戦うことの重みを想像できるようになりました。
ほかに、「体験する」ことができる博物館も人気です。特定の分野に関するものを作ったり、ワークショップやゲームに参加したりする体験型の学びは、ただ見るだけと比べて知識が定着しやすくなりますよ。私も刀鍛冶の解説を聞きながら真剣に触れるワークショップに参加したことがありますが、真剣を手に取って間近で鑑賞するという体験は、なかなかできることではないので強く印象に残っています。
「見る」はもちろん、「聞く」「触る」「体験する」と、さまざまな感覚を使って博物館を全身で楽しみましょう。
フェリシモミュージアム部の活動がアツい!
フェリシモでは、会社公認部活として、ミュージアムが大好きなメンバーが集まって活動するフェリシモミュージアム部を発足しています。
アート大好き! ミュージアム大好き! そしてミュージアムグッズ大好き! なメンバーが集まり、鑑賞した作品について語り合う。ミュージアムの楽しみ方を広めたり、フェリシモが持つ編集力や商品企画力をフル活用して新しいグッズを生み出したりしています。
フェリシモミュージアム部のページではグッズの紹介もしているので、チェックしてみてくださいね!
(公式HP:フェリシモミュージアム部)
自由に博物館めぐりを楽しもう!
学びを提供してくれる博物館は、自由研究をする子どもだけでなく、あらためて勉強したいことがある大人も歓迎してくれる包容力のある場所です。私はこれからも全国各地の博物館を訪れ、自分の好奇心を満たしながら勉強を続けていきたいと思います。
博物館では、自分の好きなものを自由に鑑賞できます。まずは気ままにふらっと立ち寄って、新しい世界に触れてみましょう。