60代の冬こそ冒険アイテムの力を借りるべし!【Mimiさんのおしゃれ教室】

「もう何十年も同じような服を着ている気がする」「冬は防寒最優先で着ぶくれしちゃうし色も地味だから、なんだかオジサンっぽく見えているような……」といった、60代になるとぶつかりがちな壁。実は「冒険アイテム」をひとつ取り入れるだけで、明るく軽やかに乗り越えられるんです。そこで今回、テレビや雑誌でも活躍するおしゃれユーチューバー・Mimiさんに、60代におすすめの冬コーデ術を教えていただきました!

No.1 キルティングスカートで冒険

「冒険アイテムといっても、いつもとちょっと違う素材を選んでみるとか、合わせる色を変えてみるとか、その程度でいいんです。たとえばこのスカート、遠目から見ると普通のスカートですが実はキルティングになっていて、とても暖か。いつもと同じアイテムなのに、質感を少し冒険するだけでぐっとおしゃれに見えるし、気分も上がるんですよね」

しかもこのスカート、キルティングのフカフカ感でからだのラインを拾いにくいうえ、ゴムウエストとバックルベルトでサイズを調節できるから、トップスをインしても安心。巻きスカートのように見えるデザインだけれど実は巻いてはいないので、はだける心配もありません。

さらに、合わせるトップスやアウターも、いつもなら安心感のある黒やグレーを選ぶところを、今回はちょっぴり冒険してグリーンのニットとカーキのフリースをチョイス。それだけで「なんだか普通」から「ちょっといい感じ!」にランクアップするのです。

着用アイテム
No.2 花柄ワンピースで冒険

「以前は、ずっしり重いメルトンのコートなんかも好きで着ていましたが、60代になった今はもう絶対に無理(笑)。アウター選びは“軽さ”が第一条件になりました」

とはいえ、こういうボリュームのある黒ダウンは、見た目が重たい印象になってしまいそうですが……。

そこでMimiさんが中に合わせたのが、こちらのワンピース。花柄やシルエットの軽やかさでダウンとのバランスをとる作戦です。

「総花柄のワンピースだなんて、若いころは冒険中の冒険! という感じでしたが、60代になったら逆にすんなり着こなせるようになった気がします。顔やからだにハリや華やかさがなくなってきたぶん、それを補ってくれるからですかね(笑)」

クリスマスローズやスノードロップなど数種類の花を組み合わせた柄は、白の割合が多めなので、やさしく上品な雰囲気。胸もとや袖口の黒の引き締め効果で、膨張して見えないのもうれしいポイントです。

「ボリュームのあるダウンと軽やかな花柄ワンピースは、お互いがお互いを引き立て合う組み合わせだと思います。冬ならではのコーディネートですよね。全体をモノトーンでまとめればトライしやすいですよ」

着用アイテム
ワンピース:魔女の花畑ワンピース¥8,690(税込)商品詳細はこちら
No.03 フリルシャツで冒険

次にMimiさんが手に取ったのは、その名も「フリフリフリルシャツ」。ジャンパースカートの深く開いたVネックが、フリルをきれいに見せてくれています。

「60代がこのジャンパースカートにプレーンなニットやシャツを合わせるとしたら、さみしい印象にならないよう、アクセサリーを追加したり強めの色のリップを使ったりする必要があると思うんです。でもこれだけフリフリのぜいたくなフリルがあれば、シンプルに着るだけで、とたんにお出かけ着! フリルは冒険度が高めではありますが、アクセ代わり、メイク代わりになってくれると思ったら、心強い味方ですよね」

よーく見ると、胸もとのフリルにはカットワークレース刺しゅうがほどこされていたり、衿と袖口には生地を折りたたんだようなタックフリルがあしらわれていたり、とっても凝ったデザイン!

中わた入りのシャツをアウター代わりに羽織って、ちょっとそこまでお出かけ。ブラウンコーデの中で、シャツのブルーが効いています。

「今年の冬は、ブラウンがトレンドカラーだそうですよ!」

着用アイテム
ジャンパースカート:コール天ジャンパースカート〈茶〉¥6,490(税込)商品詳細はこちら
No.04 チェック×チェックで冒険

「街中で若い人が柄×柄のコーディネートをかっこよく着こなしているのを見るたびに、常々うらやましいなぁと思っていました。でも私たち世代だと、うまくなじまずに浮いてしまう気がするんですよね。いざ着てみても、なんだか気持ちが落ち着かなくて……」

ならば60代は経験と知恵と工夫で対抗! ということで、大好きなチェック同士をすんなり組み合わせられる方法をMimiさんが考えてくれました。

それがこちらの“無地のように見えて実はチェック”のボトムスを使うテク。鮮やかな黄色のチェックが印象的な冒険ニットも、細~い格子柄のキュロットと合わせれば、無理なく柄×柄コーデを楽しめそうです。

「60代のおしゃれって周りからどう見られるかより、自分自身がどう思っているかのほうが大事だと思うんです。だから『私いま、チェック×チェックを着ちゃってる!』って密かにワクワクできるコーデ、おすすめですよ~」

そして、「実はもうひとつ、冬にぜひトライしてみてほしい冒険テクがあるんです」というMimiさん。それは、ニットの首もとと袖口からフリルやレースをのぞかせること。例えば、ひとつ前のNo.03のコーディネートで登場したフリルシャツをニットの中に着てみると……

セーター着用サイズ:M

「ほら、すっごく素敵でしょう? こういう凝ったデザインがほどこされたシャツを重ね着するだけで、おしゃれに手を抜いていない感じが出ますよね」

着用アイテム

Mimiさんのおしゃれ教室振り返りインタビュー

――冒険アイテムがあると、コーディネートを考えるのが楽しくなりそうですね

「そうなんです! 私たち世代は、楽しいってことがとても大事だと思っています。以前は私も、ファッション誌のスナップ特集を見て『こんな服を着てみたいなぁ』と思っても、つい『60代にはムリムリ』と諦めてしまうことが多かったんです。でも『素敵だなあ、着てみたいなぁ』という気持ちを優先させて服選びをし始めてみたら、おしゃれの楽しさが倍増! 毎日ワクワクできるようになりました。ベーシックな服は安心感はありますが、『気づけば何十年も同じコーディネートで過ごしていた!』なんてことになりがち。60代はせっかく自由に服を選べる世代なのに、それではもったいないと思うんです。まずはコーディネートの中にひとつ、これまでなら選ばなかった冒険服を取り入れてみるところから始めてみてほしいですね」

――しかもこれからの季節なら、冒険アイテムを取り入れやすそうです

「ワンツーコーデの多い夏は1アイテムあたりの割合が大きいから冒険しにくいかもしれませんが、冬の重ね着の中の一枚ならそこまで目立たないので、そんなにハードルが高くないと思います」

――とはいえ、やはり冒険するのは不安な気が……

「そんなに怖がらなくて大丈夫ですよ。失敗したって誰かに怒られたりするわけではないんですから! 服の冒険は失敗することもあるけれど、私はその失敗こそが楽しいって思っています。失敗から学び、考えて、もう一度冒険してみることで、おしゃれの幅はぐんと広がるもの。もし色合わせがチグハグになってしまったら、その日はひとまずベーシックカラーのコートで隠してしまえばいいし、『じゃあ、この服なら合うかな?』と冒険を繰り返していけば、きっと大のお気に入りコーデが見つかるはずです」

プロフィール

Mimi

64才、身長167cm。高知県の郊外のマンションに猫と暮らす。61才にして YouTubeチャンネル「Mimi’s life」を開設し、日々の衣食住のアイデアを発信中。着こなしに関する著書も多数あり、近著は『60代のおしゃれの見直し 今を楽しむ服を着て。』(主婦と生活社)など。

※クレジットの掲載がないアイテムはMimiさんの私物です
※Mimiさんが着用しているのは、記載のないものはMTサイズです

plan:暮らしとおしゃれの編集室
photo:清永 洋

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