女性誌を中心に広告、CM、カタログ、タレントのスタイリストとして活動。フランス留学の経験も。洗練されたカジュアルスタイルに定評がある。一児の母。
【目次】
どうやったら1枚で「なんか今日素敵ですね!」って声かけられるかを考えています。(笑)
―この秋の新作ワンピース、とても素敵でしたね!企画に至った経緯やエピソードをお聞かせください。
ニットの中でもこの素材にほれ込んだところがあって!
このニット素材を採用したのは何枚目かで、最初に作ったアイテムはセットアップだったんです。
ぽわんとしたトップスと腹巻のスカートだったよね。ニットというアイテムよりも布帛やオケージョンアイテムが多かったのですが、その中でもちょっときれいで楽ちんだけど洗えて、機能的で…。この素材はそんな良いポイントが全て兼ね備えられているかなと思います。
このワンピースって、一見普通じゃないですか。素材を初めて使わせてもらった時に、「なにこれ、めっちゃ良いじゃん!」と思って。伸縮性もあって楽ちんだし、普通のニットよりも表面のさらっと光沢感があって毛玉がつきにくく、洗濯もできる。なのに高級感もあって取り扱いが楽。なんてありがたいんだろうと思って!この素材は色んなアイテムで使いたいと思って今回も採用しました。軽さもあるからふわっとしたラインのアイテムも作れるよね。
それで大人気のセットアップから新作は、ワンピースも…と思い。1枚で着て映えるみたいなデザインが本当にどこまで楽しようとしてるのかな(笑)その自分の貪欲さも怖いなってたまに思うけど、どうやったら1枚で「なんか今日素敵ですね!」って声かけられるかを考えています。(笑)
高めウエストの切り替えでふんわりしたニットの特徴を使ったカーブもスタイルが良く見えますよね。トレンド感もあって、お気にいりの1着になりました。
いつもだと、袖を落としてゆったり切り替えのものを作っていたけど、このワンピースは上半身はコンパクトめで、ぴたっとし過ぎないラインを意識したので体もすっきりフィット&フレアで見えるように作りました。
黒ワンピースのコーディネートの楽しみ方
一粒パールでリトルブラックドレスにしても長めのペンダントで縦長のラインを演出してもいいし、大ぶりのアクセサリーで華やかにしても。黒ワンピースって無限なんですよ。
子どもといっしょの時はキャップかぶってスニーカーをはいてリュックを併せるのもいいですね。普段のボーダーとデニムに併せるよりも楽しく、我慢せずに自分もおしゃれをしながら好きなテイストも楽しめて気分が上がるんですよね。
一人で美術館に行くときはバレエシューズを履いてかごバッグ、カチューシャなんかしてクラシカルに一人時間をおしゃれを楽しむのもいいですよ。
一ー緒に企画されていた付け襟も、そんなコーディネートをさらに盛り上げるようなアイテムですよね。
まさにこの機会にコーディネートを広げる楽しみの一つとして付け襟を、と思い企画してみました。白い襟はドラマティック!甘いかなぁと思ったけど、アクセサリー代わりにつけていただくのが良いかなと思いました。
襟ぐりはぴったりとフィット、というよりかはゆるくカーブに沿ってくれているのでアイテムも色々と合わせやすく作りました。詰まり気味の首元にいれるだけでぐっと華やかになりますよ。
付け襟はもはやアクセサリーの一つになりましたよね。トライする抵抗もなくおしゃれを楽しめる選択肢の一つになりました。ネックレス代わりにシチュエーションに沿ってドラマティックに楽しんでいただきたいです。
自分でも色々併せてみましたが手持ちのニットも華やぎました!着こなしの幅が広がりますよね。霜降りグレーのスウェットや、ローゲージのニットなんかにも合いそう。自分の着こなしがブラッシュアップされて、コーディネートにマンネリしないよ。
みんなにとって「ちょうどいい」アイテムを毎シーズンこだわって作っています。
ーー福田さんのアイテムって、ストールやシルバーネックレスだとか、欲しいけど何を買えばいいかわからない…というお悩みに対していつも正解を叩き出してくださっていると思っているんです!
えー!うれしい!(笑)でもいつも真剣に正解を考えています!自分でも「しつこい!まだこだわってる!?」って担当さんに思われないように、時々優しい言葉をかけて色々チャラにしてもらおうと思ってます!笑
いつも、気になるアイテムを話してみたり、IEDITの担当さんとこういうのがあったら便利だよね、とかムードを話し合って一緒に作り上げていますね。
撮影現場でもモデルさんやスタッフさんとお話して盛り上がっています!撮影中にも他のスタッフさんから「これ欲しいんだけど!」って言われて、思わず「いいでしょ、これ」って言っちゃってね。あとはスタイリングはもちろん大好きだけど自分と同じ働くお母さんだったり同世代の人たちのお洋服のとらえ方をリサーチするのが好きなんです。IEDITのコラボアイテムはそんなプロフェッショナルな職業の方にも喜ばれているんですよ。
みんなにとって「ちょうどいい」アイテムを毎シーズンこだわって作っています。
年齢を重ねて「丁寧に生きること」は大事だと感じています。
ーーいつもお洋服を大切に楽しまれている福田さん。以前、黒染めについてもフェリシモのクロニクルをご利用いただいていると聞きました。
もう2、3回目になるかな。ある時アイテムにシミがついていてフェリシモのスタッフにクロニクルの存在を教えてもらいました。
フェリシモ自体が服を長く着るとかSDGsの活動を一緒に作らせていただく中でそんな存在だと思っていたので「フェリシモらしいな〜」と思いました。私自身も物を大事に使いたいし、服をたくさん買うよりも好きな服を長く着たいと考えています。
けどリメイクだと自分でやるにはどうやっていいかわからないし時間もないし。襟ぐりの黄ばみや白いシャツの黄ばみとかはもうクリーニングでは治らないなとか。この年になると着られないというか。服に出る、ケアの度合いがその人自身の暮らしに現れる気がしてしまって。
若い子だから許される話では決してないけど、より年齢を重ねて「丁寧に生きること」は大事だと感じています。正直服は同じものを着ていても、トレンドの毛玉だらけのニットより10年ずっとメンテナンスしつづけたものの方が素敵に見えるんですよね。そしてスタイルってそうやって作られていくものだとも思っています。
なのでそういった一環で染める方法ってあるんだ!ってはじめて知って。
はじめて黒く染まったものをみて、糸を染める最初にやった時は糸を全て染めるやり方でお願いして、2回目はステッチ糸はそのままでそれもまた面白くって。
3回目は白けたコットンのブラックワンピースをデイリーに着たいと思って今回はトライしてみました。
深いシミってクリーニングに出しても取れないんだよね。形も気に入ってたんだけど、どこもほつれていないし破けてもいないし。その時にクロニクルを思い出して、「そうだ、黒としてもう一度出会おう!」と思って!
お洋服をまだまだ楽しめるようなアイディアってもっとたくさん出てきそうだよね。フェリシモさん、良ければいっぱい考えてください!(笑)染める以外にも色々出てきそうな気がするんですよ。
あとがき
福田麻琴さんのコラボアイテムはいつも大変ご好評をいただいています。その人気の秘密は、スタイリストとしてお洋服や着こなしが大好きなことはもちろん、まわりの人にもハッピーな気持ちを振りまく福田さんの想いがたくさん詰まっているからなのかもしれません。
皆さんもいいことづくめの黒ワンピースとコーデに新しいスパイスを加える付け襟で、ぜひこの秋の装いを楽しんでみてください。