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60代になってからユーチューバーになったMimiさん。動画を撮るようになって、自分のコーディネートを背景込みで客観的に見られるようになりました。そして、夏の青い海と空には赤い色が、山の緑には黄色い服が映えることを発見したのだそう。
「お互いを引き立て合う色ってあるんだなあと、改めて実感しましたね。特に夏は太陽の光が強いので、それに負けないビビッドカラーの服がきれいに見えるんです。今回は海辺で映えそうなチェリー色のスカートを選んでみました。夏気分がさらに盛り上がります!」
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実はこのトップスとスカート、それぞれに色違いがあり、どの組み合わせも素敵だったのでMimiさんに着まわしていただきました。ジェラートを思わせるチェリー色&パイン色のスカートは、白いトップスと合わせればさわやかに仕上がり、ブルーと合わせてみると意外な大人っぽさが。新鮮な着こなし方を見つけることができて、Mimiさんもうれしそう。
「気分が高揚する夏こそ、ふだんはしないような思い切った色合わせに挑戦するのも楽しいですよね。これまで着たことがなかったけれど、実は自分に似合う色合わせって、まだまだあると思うんです。60代で新しい自分を見つけられるなんて、最高だと思いませんか?」
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このスカートはボリュームが出すぎないよう配慮されたデザインだから、トップスをインしてもすっきり。色の面積の割合が変わると全体の雰囲気も違ってくるので、コーディネートの幅がさらに広がります。
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トップスにあしらわれたボヘミアン調の刺しゅうは、太めのコットン糸でふっくらと仕上げられていて、やさしい雰囲気。ビビッドカラーの強さをほどよくやわらげてくれる役割も。
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「胸もとの刺しゅうは、ネックレスをしているのと同じ効果があると思うんです。年齢を重ねるとシンプルな服はさみしい感じに見えるので、アクセサリーで少し華やかさを足すことが多いのですが、その必要がないのはラクですね」
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- ※フェリシモ公式サイトへ移動します。
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次にMimiさんが手に取ったのは、こちらも海に似合いそうなさわやかなブルー×白のアイテム。トップスに合わせてバッグもブルーをチョイスしたのがポイントです。
「トップスとバッグを同じ色にするのは、私たち世代にはちょっと勇気がいるコーディネート。でも、それを“あえてやってみる”ことで、新たなおしゃれの楽しみに一歩踏み入れられるんじゃないかなと思うんです。さわやかな色合いのブルーなら、トライしやすいですしね」
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手提げ、肩掛け、斜め掛けと、さまざまな持ち方ができるのがうれしいバッグ。2つの大きなポケットも便利です。
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ここで、「すべてブルーで統一して、ワントーンコーデにしてもかっこいいかも」とひらめいたMimiさん。さっそく白パンツをデニムに替えてみたところ、「こなれた感じがして、おしゃれ上級者の気分を味わえそう~」とご満悦です。濃いブルーが加わったものの、ブラウスの衿もとと袖口の白のおかげで、のっぺりした印象にはなりません。「白いスニーカーを合わせると、さらに軽さ&重さのバランスがとれそうですね」
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ブルーのワントーンが素敵だったので、もう一色、別のワントーンコーデをご紹介。上品なアイボリーのワンピース+ペチパンツの着こなしです。
「こういう無地のワンピースは、若い方なら一枚でさらりと着るほうが似合いそうですが、私たち世代はもうひと工夫が必要(笑)。同じ色合いのペチパンツをプラスするだけで、きちんと感が生まれます。60代の着こなしは、きちんと感と清潔感がとても大事ですから」
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アイボリーだけでは全体がぼんやりしてしまうので、バッグや靴などの小物を黒で統一してピリッと引き締めます。
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ハリのあるツイル生地に、きれいに広がる2つのタックで、気になるおなかまわりをカバーしてくれるのもありがたいポイント。
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ペチパンツはコットンリネンなので、肌離れもよく夏でも涼やか。カットワーク刺しゅうとスカラップのすそをもう少し際立たせたいなら、ワンピースのほうを丈が短いサイズにするのも手。カタログのサイズ表で丈を確認して、自分の身長とのバランスを考えて選ぶのがおすすめです。
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「服選びはもちろん、最近は姿勢や歩き方についても以前とは意識が変わってきました。後ろ姿も美しい人になるのが目標です!」
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最後に、60代におすすめの色としてMimiさんが選んだのはピンク。合わせるスカートは黒だとキツい感じになるので、チュールレースなど透け感があるものやチャコールグレーを選んで印象をやわらげます。
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「やさしい色合いのピンクは、だんだんくすんでくる肌の色を明るく見せてくれるから、私たち世代にとってはお助けカラーなんです。とはいえ、ピンクを選ぶのってちょっと気が引けますよね。でもね、このブラウスは“ブラッドオレンジ”という色! シャーベットをイメージしているんですって。なんだかそれだけで気がラクになるなんて不思議ですよね。ネーミングの力ってすごい(笑)」
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「友人とのお茶や食事会では、ほぼ座っていてボトムスは見えないから、色を取り入れるならトップスに。逆に美術館や旅行に出かけるときは、ボトムスにきれいな色のアイテムを選ぶと、自分の視界にも入るから気分が上がります。シチュエーションに合わせて色の取り入れ方を考えると、より楽しくなりますよ」
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――MimiさんのYouTubeチャンネルには、「60代になってどんな服を着たらいいかわからない」「おしゃれをあきらめた」というコメントが多く寄せられているそうですね。
「そうなんです。体形や雰囲気、肌や髪の質感も変わってくるし、生活スタイルが切り替わる人も多いので、これまで着ていた服が似合わなくなる年代なんですよね。だから無難な服を選んでいる方も多いと思います。でも、それではちょっともったいない気がするんです」
――それはどういうことでしょう?
「20代のときって、新しい服を買うたびにワクワクしていましたよね。それと同じように、仕事や家族のことを気にせず自分の好きな服を自由に選べるようになった60代だからこそ、もう一度、服にドキドキワクワクさせてもらえそうな気がしています」
――それが、今回取り上げた「夏カラー」の服ということですね?
「そうですね。無難な服を着ていればなんとなく安心だし、周りの人の視線も気になりません。でもはじめてトライする色の服とか、トレンド感のある服をコーディネートに1枚取り入れるだけで、『ちゃんと似合っているかな』『今日会う友達にはどう見えるだろう』と、急にドキドキワクワクが始まるんです。最初はちょっと落ち着かない気分かもしれないけれど、その感覚が懐かしくも新鮮に感じるはず!」
――はじめての服から刺激をもらうことで、感覚も気分も、はたまた体調まで若返りそうですね。
「60代になったら、自分で自分の気持ちを持ち上げてあげることはとっても大切。元気な夏カラーの服は、それを上手に手助けしてくれるんじゃないかなと思っています」
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プロフィール
Mimi
64才、身長167cm。高知県の郊外のマンションに猫と暮らす。61才にして YouTubeチャンネル「Mimi’s life」を開設し、日々の衣食住のアイデアを発信中。着こなしに関する著書も多数あり、近著は『60代のおしゃれの見直し 今を楽しむ服を着て。』(主婦と生活社)など。
※クレジットの掲載がないアイテムはMimiさんの私物です
※Mimiさんが着用しているのは、記載のないものはMTサイズです
plan:暮らしとおしゃれの編集室
photo:清永 洋