ミュージアム部 雅を身にまとって 男性歌人が詠んだ和歌イメージブローチの会
お申し込み番号:412799
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STORY
平安の美しき「和歌」が胸もとできらめく
平安時代と言えば、華やかな十二単、平仮名・片仮名の誕生、女流作家たちによって描かれた文学の世界など、現代の私たちにとっても興味深い歴史上の出来事・文化が盛りだくさんの時代。
そんな中でも、「和歌」は現代人にとって一番親しみ深い”平安時代を象徴するもの”ですよね。あまり興味がないという方でも、子供時代に小倉百人一首などでその美しい言の葉たちに自然にふれていたのではないでしょうか。
そんな思い出をふりかえりつつ、大人になった皆さまに、改めて和歌の真価にふれる入り口をご提案したい……!
そんな想いから、歌人たちに畏敬の念を表し、彼らが詠んだ和歌をモチーフに、上品かつ華やかにきらめくブローチを作ってみました。
雅を身にまとって 男性歌人が詠んだ和歌イメージブローチ3種
アイテムをブローチにすることを思いついたのは「人前で頭髪をさらすことを恥ずかしいこととし、貴族の男性であれば公的な場では冠を、私的な場では烏帽子を被っていた」という平安時代の男性の慣習から。現代の帽子を彼らが詠んだ和歌で彩ることができたら絶対素敵!そう思ったのです。
早速、どのような和歌にインスピレーションを得てブローチが完成したのか……その全貌をお伝えします。
帽子やストールはもちろん上着の衿もとに着けても素敵な、先人たちの「をかし」を表現した言の葉のカタチ。千年の時をこえて令和の今にきらめく「和歌」を身にまとう、そんな贅沢なひとときを過ごしてみませんか。
やさしい春風と香り高い梅の花「梅と東風」
ひとつめのブローチは、学問の神様・菅原道真が詠んだ和歌よりインスピレーションを受けた「梅と東風」。咲き誇る梅と、やさしく東から吹く春風をデザインに落とし込みました。
この歌は時の左大臣・藤原時平による流言や、菅原道真を敵視する有力貴族たちに呼応した醍醐天皇により、大宰府に左遷されることになってしまった道真が詠んだものとして知られています。
歌に詠まれているのは、道真の自宅である紅梅殿に咲いていた梅。道真は幼いころから梅を大事にしていたようで、伝承によるとわずか5歳の時に梅にちなんだ和歌を詠んでいるのだそう。
道真の絶筆とされる漢詩「謫居春雪(たくきょしゅんせつ)」でも、雪を白梅と見間違えるという描写があり、彼が最期まで梅のことを大事に想っていたことがしみじみと伝わってきます。
ちなみにこのお花にまつわる有名なお話に、道真を慕った梅が空を飛んで後を追いかけ、太宰府にそのまま根付いたという「飛び梅伝説」があります!
そんな美しい春風と梅をモチーフにしたブローチ。
春が近づき和らいだ空気と花の香りをイメージ・デザインした専用の台紙にセットしてお届けします。
美しき満月に完全無欠の人生をかさねて「空に浮かんだ望月」
ふたつめのブローチは、平安時代を代表する作家・紫式部を重用したことで有名な藤原道長が詠んだ和歌よりインスピレーションを受けた「空に浮かんだ望月」。
かかろうとする雲すら弾くように強い光を放つ満月は、かつて道長が誇った栄光を思わせます。
自らの娘たちを次々に天皇に嫁がせて権力を握った藤原道長。彼の三女・藤原威子が天皇に嫁いだ1018年10月16日に開かれた宴で、空に浮かぶ満月を見ながら詠んだ和歌として知られています。(※月の満ち欠けに則った太陰暦だったため、15日前後が満月の日でした)
今日では「権力者の傲慢さがにじんだ歌」として有名になりました。
ただ当時の文献によれば、病気がちだった道長は、望月の歌を詠んだ頃には病によって視力が低下していたらしく……その日、空に満月が浮かんでいるのをはっきりと認識できていたかは謎だという、切ない伝承もあります。
もしかしたら道長はそこに確かにあるであろう満月に、自らと一族の繁栄の願いを託そうと「望月の歌」を詠んだのかもしれません。
身に着けてもよし、そのまま飾っても素敵なブローチ。夜空に広がる月光冠をイメージ・デザインした専用の台紙にセットしてお届けします。
歌の名手、業平の才に想いをはせて「杜若と八橋」
3つめのブローチは、源氏物語の主人公である光源氏のモデルにもなったとされる稀代のプレイボーイ・在原業平が詠んだとされる和歌よりインスピレーションを受けた「杜若と八橋」。
平安時代に成立した歌物語「伊勢物語」あずまくだりのシーンにも登場する、今も愛知県・知立市で親しまれている伝承・八橋伝説地の風景をモチーフにしました。
住み慣れた京都を離れ、友人と一緒に東に向かって旅をする業平は、三河の国の八橋という場所にたどり着きます。橋が八本渡る沢のほとりで休憩中、そこに咲き誇る杜若を見た友人が「かきつばたという五文字を各句の頭に置いて、旅の思いを詠んでくれ」と業平に投げかけたことをきっかけに詠まれた歌と伝わっています。
友人が業平に投げかけたのは「折句(おりく)」と呼ばれる技法で、一つの詩歌の中に、まったく別の意味の言葉を織り込む遊びです。
平安時代を代表する歌人「六歌仙」にも名を連ねる歌の名手・業平は、すかさず
と、見事な歌を返したといわれています。
そのまま飾っても素敵な、杜若が花開く水辺をイメージ・デザインした専用の台紙にセットしてお届けします。
日本の職人の手でひとつひとつ丁寧に製作
平安時代、和歌は詠み手の人となりを知るためのとても重要なコミュニケーションツールでした。詠み手が和歌に託した想いは、彼らのすべてといっても過言ではなく、一千年の時が流れても輝かんばかりです。
彼らが紡いだそんな和歌の輝きを、余すことなく美しいカタチに落とし込みたい。 そんな想いから、ブローチは日本の職人の手でひとつひとつ、ていねいに製作していただきました。
時間をかけて一から原型を作り上げたブローチたち。3種それぞれに職人こだわりの造形が光ります。