沖縄らしさがつまった伝統の焼き物「やちむん」。
沖縄の方言で「焼き物」を意味する「やちむん」は、太筆で描かれたエネルギッシュな絵付けや、手仕事によって生み出されるぽってりとした形など、沖縄らしいおおらかな表情が魅力の伝統的な器です。
そんな沖縄の人々に長く愛されてきたやちむんのよさをみなさまにお届けしたい! という思いから、フェリシモオリジナルの2つのやちむんが誕生しました。
職人の手仕事から生まれる特別な器を、いつもの食卓に。
ご紹介するのは、やちむんの「6寸そばマカイ」という器。マカイとは「碗」という意味で、沖縄そばやラーメンなどにちょうどいい大きさのどんぶりのことです。
うどんなどの汁物だけでなく、煮物や唐揚げなどの大皿料理を盛るのにもおすすめ。
味わい深い佇まいだから、いつもの食卓に取り入れるだけでなんだか特別な気分を味わえます。
300年にわたり受け継がれてきた「壺屋焼」の伝統を大切に
今回、器を作ってくださるのは、40年の歴史を持つ壺屋焼窯元「陶眞窯」さん。沖縄県の読谷村に工房を構え、琉球王朝の時代から300年にわたり受け継がれてきた「壺屋焼」の伝統を守りながら、「常に新しいものを」を合言葉に新たな作品作りに挑戦し続けています。
とっておきの器、やちむんが出来るまで。
原料となる赤土の原土には、やちむんに適した粘りと耐火度がある、沖縄県の中北部で採れる土を中心に使用しています。
工房の裏には赤土がこんもり盛られていました。ここから、砂利やごみを取り除いて器づくり使います。
工房の一角。ろくろが置いてあり、ここで職人さんが作業をします。
作業場の上に無数に掛かっていた木の道具は「トンボ」と言って、器の口の直径と深さを測る時に使うそう。持っているトンボの数が多ければ多いほど、作れる器の種類が多いということで、ベテラン職人さんの作業場にはさまざまな大きさのトンボが掛けてありました。
技術を詰め込んで、そばマカイをつくる
土のかたまりをろくろにのせ、回転させながら形を作っていきます。水分をたっぷり含んだ土は、まるで生き物のようににゅるにゅると形を変えていきました。
型も秤も一切使いません。
土のかたまりからどれくらいの量を使うのか、大きさ、深さ、厚み、側面の曲線など、すべては職人さんの手先の感覚次第で生み出されます。
あっという間に器の形が出来上がりました。口もとを滑らかにするために、てぬぐいをあてながら仕上げていきます。
昔ながらの方法でトンボを使って、直径と深さが合っているかを確認します。この直径と深さ以外の形は測れないため、ろくろでの成形には熟練の技が必要。しかもそばマカイは工房の製品の中でも大きなサイズのため、作れる職人さんが限られています。
乾燥させた器たち。手作業だけで作ったとは思えない程、大きさや形がそろっています。
高台を削り、素焼きした後は、白化粧と呼ばれる表面の白地のコーティングを行います。この白化粧の材料も、沖縄県の中北部の希少な白土を主に使っています。内側と外側、それぞれ工程を分けて、ひとつずつていねいに白化粧をほどこします。
白化粧を乾かしたあとは絵付け作業。職人さんが一心に筆を運びます。太筆の力強さと手描きならではのぬくもりある表情に、陶眞窯のこだわりが詰まっています。
時間をかけてじっくり焼成したら、やっと絵付けの色が現れます。釉薬の濃淡も味わい深い仕上がりです。
土のかたまりから形を作り、絵付けに至るまで、すべて職人さんがひとつひとつていねいに作り上げたこだわりの逸品。
どっしりと、ぬくもりのある形に、大胆な筆遣いの唐草の絵付けがとっても素敵です。麺類はもちろん、煮物などにもちょうどいいサイズ感で、日々の食卓になじみながら、おおらかな沖縄の風や土を感じさせてくれます。
伝統的な製法ながらも、電子レンジや食器洗い機でも使えるのがうれしいポイント。
縁起のよい唐草模様が描かれた2種類のデザイン
表面に描かれた「唐草」は、無限に育ち伸びていく様から「途切れない」ことを意味し、子孫繁栄につながる縁起のいいモチーフです。今回は、器の底にも唐草模様を描いてもらった特別仕様で、2種類のデザインから選べます。
線引唐草
深い緑色の黒呉須と飴色の組み合わせはフェリシモ限定デザイン。深みのある色合いはどんな料理も引き立ててくれます。
内側と外側に描かれた2本の線がモダンな印象のデザイン。
菊唐草
唐草模様に加え、縁起のよい菊を描いた華やかな絵付け。躍動感のある筆使いが伝わってくるデザインです。
呉須の深い青色と飴色のコントラストが美しい。
ぬくもりのある魅力的なデザインと使い勝手のよいサイズ感は、日々の食器として家族みんなでそろえるのもおすすめです。
沖縄の伝統と職人の技によって生まれた、とっておきの器「やちむん」を食卓に取り入れて、ぜひ毎日の食事を特別な時間にしてくださいね。