2024 SUMMER NEW-series
こんにちは、日本職人プロジェクトのリーダー山猫です。
2024年の新シリーズ「夏便」では、みんなの願いを叶える『Meteor shower / 流星群』をテーマに、爽やかな季節にぴったりで、毎年使うのが楽しみになるアイテムをお届けします。ラインナップしたものには、1年半前から企画・試行錯誤してようやく完成したモノ、新たに出会った魅力的な方々と一緒に作った自信作、お客さまから熱烈なご要望をいただいた名作の復刻版など。〈&Stories〉がスタートして4年目、想いと研鑽を重ねることでアイテム数も物語も充実したものになりました。誰かの願いを秘めたかけがえのない逸品たちが、あなたの気持ちと暮らしにキラリと輝きを添えてくれますように。
今回は、個性豊かなニューフェイスのがま口財布をご紹介します。大阪の財布作りのプロフェッショナルが作る逸品です。「夏シーズンから持ちたくなる財布は、どんな財布だろう」と、ディレクター山猫と日本職人プロジェクトメンバーのNISHIYANとアイテムラインナップを考えている時に、一目みて気に入ったこの財布。あまりのフォルムの可愛らしさに、社内の女性スタッフにも使い心地をチェックしてもらったところ、「山猫さん、これ持つだけで気持ちがあがります!なんといってもこの触り心地が最高です!」という感じの感想を沢山もらったのですぐにプランナー安藤歩覧さんに相談し、&ストーリーズモデルのサンプル依頼をさせていただきました。
シュワッと夏にはじける
京友禅の革財布。
まるでグラスの中をソーダの炭酸がシュワッと昇っていくような、爽やかでレトロポップなデザインのがま口財布。実はこのお財布、京友禅の高い技術を駆使した本革製。多くの職人さんと連携する大阪の財布専門工場さんと敏腕プランナー・安藤歩覧さんという“財布のプロフェッショナル”がコラボして、伝統と現代風のデザインを融合させました。
チャームポイントは、表面の凹凸。染料染めの基本となる「手捺染(てなせん)」「蒸し」「洗い」3つの工程に、柄の型版染めの際に収縮剤を混ぜ込んで縮ませる「収縮染め」という技法を加え、愛らしい表情とぷにぷにと触っても楽しい感触を生み出しました。
本革は生地のように厚みや染め具合が一定でないため、どの工程も熟練の職人さんが1枚ずつ特質を見極めて温度や湿度、時間を調整して丁寧に仕上げています。また、ころんとしたカタチは財布工場さんのがま口財布をオリジナルアレンジ。かさばらない手のひらサイズで、開け閉めするときのパチン!という小気味いい感触は、職人さんが手掛けたからこそ。(このブログの最後の方で工場の職人さんのこだわりをご紹介しますね!)
夏にぴったりのソーダ色(ホワイト)、海の色(ブルー)、カシス色(パープル)の3色をご用意しました。
1:ソーダ色(ホワイト)
2:海の色(ブルー)
3:カシス色(パープル)
長年革財布にこだわる
プロフェッショナル達
最後にこの「財布作りのプロ集団が作った 京都革友禅のがま口付き財布」を作ってくれた、財布工場の代表の桝本さんご夫妻とその工場をご紹介。※山猫とNISHIYANが工場に伺ったときの取材記事です。
桝本さんご夫婦が営むこの工房は、さまざまなメーカーやブランドのOEM(他社ブランドの製品を製造すること)のほか、メイドインジャパンにこだわった自社ブランドも展開しておられます(創業されて55年!!)。お伺いして山猫が驚いたのは、この革財布専門工場さんが連携する大阪の数多くの財布職人さんのクセや得手不得手を、スタッフさんがしっかりカルテ化していること。「縁巻きの仕上がりがキレイ」「この加工は当たりが強く出る」などなど、職人さん一人ひとりの特徴を細かく把握しておられました。
そのカルテをもとに、職人さんに仕事を振り分ける敏腕プロダクトディレクターさんが要。芯を入れたり、縁を巻いたり、細かい工程が多い財布づくりは、職人さん一人ひとりの技術を適材適所に生かすこの担当さんの存在が重要。全体を俯瞰でしっかり見ることのできる方がいることで、財布の完成度を高めます。
このプロダクトディレクターさんは、職人さんが「なんとなく」の感覚で持っている技術を、明確に言語とイラスト化。職人さんによっては高齢になりその技を行うのが難しくなることもありますが、もしそうなっても自分たちでモノづくりのクオリティーを保てるように、、、という思いから始めたそうです。職人さん一人ひとりの持ち味を管理する、そんなすごいことを実際にされているのに山猫は驚きました。
職人さんが仕上げてきたものを検品しながら微調整をして、ひとつずつ高い品質に持っていくのもこちらの工場の特徴。「手仕事」をみんなでリレーしながらつないで行く印象です。「たくさんの眼と手に触れているからこそ、買ってくれたお客様に安心してご使用いただけるんです!」と桝本さんが説明してくださったことがよくわかりました。
通常だと、同じ革の抜き型を使っても、作り手によっては全く違う仕上がりになります。それは、それぞれの職人さんが独自の技とアイデアを込めながら作っているから。その技やアイデアは、職人さんが言葉にして他の誰かに伝えるのがとても難しいものですが、こまめにやり取りをして地道にカルテ化されているその努力には頭が下がります。そして、職人さんが苦手とすることは、自社工場で補いながらサポートされていることにも感動しました。
こちらの革財布工場では、職人さん、桝本さんご夫妻を中心とした工場スタッフの皆さん、そして安藤さんが連携しながら、それぞれの得意なことをモノづくりに余すことなく生かしていて、まさに皆さん「財布のプロ集団」だと実感。その仕事ぶりにすっかり惚れ込んで、ぜひ、一緒にやりましょう!とお声を掛けていました。
どうぞ、今回のすてきながま口財布とともに、今後の桝本さんの作られる財布をお楽しみに!!
ご紹介商品
財布作りのプロ集団が作った 京都革友禅のがま口付き財布
1個 ¥14,000 ( +10% ¥15,400 )
日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。
プロジェクトリーダー 山猫