心にふっと火が灯る、情熱から生まれたモノとの出会い。

こんにちは、フェリシモ日本職人プロジェクトのリーダー・山猫です。

この〈&Stories/アンドストーリーズ〉シリーズでは、「誰かの物語から立ち上がるモノ作り」をコンセプトに日本製のアイテムをラインナップ。1人ひとりの中にある、小さいけれど熱烈な「好き」「欲しい」を叶えることで、世の中にはないモノが生まれます。

この秋は、「PASSIONE(パッショーネ)」がキーワード。

〈&Stories 〉のアイテムはすべて、人の“情”と“熱”から生まれています。今回はそのモノづくりの原点に焦点を当てた逸品たちをそろえました。日本職人プロジェクトがスタートして18年。情熱から生まれたいくつものアイテムは、今では色とりどりの果実のように豊かな実りになっています。

夏から秋へと季節が移ろう頃、心にふっと火が灯るような、誰かの情熱を受け取るような、そんなモノとの出会いをお届けします。目を奪われるもの、惹かれるものとの一期一会を、ぜひ楽しんでください。

ブログでまずご紹介するのは、福岡の鞄作家・岡さんの名品バッグ。革への愛情と熱意が生んだ、ほかにはないスペシャルな3点です。

会話から生まれ、会話で進化する「フォートバッグ」。

〈&Stories 〉ではおなじみの『UNISON / ユニゾン』さんは、岡政孝さんと内門祐樹さんを中心としたレザーファクトリー。福岡に工房を構えておられます。山猫も何度かお邪魔していて、長くいいお付き合いをさせてもらっています。

関西に来るときには必ず神戸のフェリシモ本社に立ち寄って、できあがったサンプルの説明や、現在進行している試作品の打合せをしてくれる岡さん(写真右)。今回ご紹介する新作も具体的なこだわりを語ってくださいました。

今回紹介するひとつ目のアイテムは、岡さんらしい革の風合いを生かした「フォートバッグ」の新バージョン。何気ない会話から誕生し、今では超人気商品にまで成長した「フォートバッグ」が、また会話によってパワーアップしました。

もともと「フォートバッグ」は、岡さんが銀行に行くためにパパっと作った私物鞄が原点。その鞄に山猫が一目惚れ、プライベートでお願いして作ってもらいました。とても気に入っていろんな場所に持って行ったところ、まわりの人から「その鞄、どこのですか?」「私も欲しいです!」などの声が相次ぎ、こんなにリクエストが多いなら……と商品化に至りました。デビューしてからの反響も大きく、今では岡さんの代表作ともいえるアイテムになっています。

そんな人気アイテムのフォートバッグを、カタログのプロモーション用にデザイン事務所のスタジオで撮影していた時のこと。スタジオに来ていたクリエイティブディレクターの坪内さんが、「いい鞄ですね!」と声を掛けてくれました(本当にこの鞄はよく褒められるんです)。

そして、フォートバッグを手に持ったり体に合わせたりしていた坪内さんがふと、「このショルダーベルト、もうちょっと細くて長かったらいいなあ」とつぶやいたのを、山猫は聞き逃しませんでした。聞くと、ジャケットに合わせたりするのに、もう少しベルトが細くて長い方が、バランスがとりやすいとのこと。なるほど!と納得して、岡さんに相談してみることにしました。すると岡さんも、「そういうスタイルも有りですね!」と応えてくださって、特別にベルト細め&長めバージョンの試作品を作ってくださいました。

ちなみに坪内さんは、この日本職人プロジェクトのカタログをずっと一緒に作ってきてくださった、大切なパートナー会社の代表。彼自身クリエイティブディレクターとしてたくさんのパイオニア事業をトライアルしてきた方で、山猫が常に注目する人物です(映画の配給や企業デザイン、稲作事業サポートなど本当に多岐にわたる活動をされています)。なので、彼の何気ない一言が、山猫には金言に聴こえました。

坪内さんと会うと、山猫の好きな絵画やアートの話に花が咲きます。アンティークにも造詣が深く、坪内さんのデザイン事務所にある撮影スタジオにはフランスで買い付けた素敵な家具がたくさんあって、雰囲気が一段と上がるんです。右の写真は、坪内さんや事務所のアートディレクター&デザイナーさんたちと山猫が一緒に写っている写真。

試作品のチェックの際に、坪内さんとやりとりしたのは2ターンのメールのみ。下記、実際のメール内容です。(坪内さんの的確な指示に従って動く山猫と岡さんに注目!)

1 山猫→坪内さんへ

『先日坪内さんからオリジナル別注いただいた、福岡鞄の坪内さん別注仕様バージョンが、あがってきました~。(福岡の工房に行ってきたので、直接ご依頼してきました^^』

・ショルダーレザーを細目に。
・ストラップ部分を少し長くしました。

写真の感じのサイズ感です。(ストラップの長さを最大にしたもので写真撮影しています。社内のスタッフで撮影したものを参考につけますね)

見た感じ、、いかがですか?

画像をみていただき、OKでしたら坪内さんにお送りさせていただきます。

(もう少し10~15cmくらい長めの方ほうが坪内さんの好みでしたら修正しますので、気軽にリクエストしてくださいね!)

坪内さん→山猫への返事

『ストラップの長さは男性モデルさんの感じですかね?

でしたらもう15cmは長くしたいです。

女性のモデルさんの長さ感が好みです。

できあがりが待ち遠しいです! よろしくお願いします』

2 山猫→坪内さんへ

『ストラップ20cm伸ばして、いい感じになりましたので、鞄を先ほどお送りしました。到着をしばしお待ちくださいませ。 社内でも評判でした^^ 』

坪内さん→山猫への返事

『坪内仕様の新しいカバン、思っていた通り最高の仕上がりで大満足です!!

ガンガン使っていきたいです!わがまま通していただきありがとうございます!』

こんな感じで最小限のやり取りのみで絶妙な仕上がりで完成できたのは岡さんのおかげなんですが、坪内さんの指示が的確だったのが一番だったと思います。

完成した坪内さんバージョンのフォートバッグは、これまでのバッグより上品な印象に。しっかりと厚みのある革を使った質実剛健さがありながら、ショルダーベルトを細くしたことで、エレガントな雰囲気も加わりました。長さもしっかりあるので、好きな位置でバランスよく持つことができます。坪内さんはこのバッグをすごく気に入って、フランスの買い付け旅行にも持って行くと言ってくださいました^^

バッグのフォルムはそのまま、ショルダーベルトだけを細く長くアレンジ。完成したNEWスタイルモデルを改めて「うーん。このサイズの方が、たすき掛けにしやすいからまた新鮮な印象で楽しめますね!」と岡さんもコメントしてくれました。

まわりの評判もすごく良かったので、岡さんとも相談して、この坪内さん別注モデルを〈&Stories 〉でも新バージョンとして登場させることになりました。これまでのフォートバッグとはまた違う味わいに。少しきれいめの雰囲気なので、いろいろなスタイルに合わせやすいと思います。

ブラックは、しっかりとした革の風合いを引き立てる硬派なカラー。ジャケットなど、かちっとしたスタイルにもバチっとはまります。もちろん、カジュアルなスタイルにラフに合わせてもおしゃれ。着こなしをキリリと引き締めて、ワンランク上の印象を作ってくれます。

しっかりと堅牢な革を引き立てる、金具だけをあしらったシンプルな表情。裏地を貼っていないので、革本来の手ざわりや風合いが楽しめます。

新登場のレッドブラウンは、以前に岡さんからご提案いただいていたカラー。すごくいい色だったのですが、なかなか登場するタイミングがなく……。今回、満を持しての登場です! 赤みのある明るいカラーなので、着こなしのアクセントにぴったり。重くなりすぎず、軽やかに楽しめます。ベルトが細くなったこともあり、フェミニンさが加わってやさしい雰囲気になりました。

革の表情がより際立つレッドブラウン。がっしりとした作りはそのまま、明るい色味で軽やかな雰囲気も楽しめます。まち幅も広く、容量もしっかりで、文庫本・財布・ポーチ、折りたたみ傘なども入ります。

「それいいですね!」の会話がどんどんつながって進化した「フォートバッグ」。もはや完成形だと思っていたバッグが、ふとした一言でまた新しくステップアップできたことは、新鮮な発見でした。いろいろな人との出会いによって魅力的になっていく感じは、すごく〈&Stories 〉らしいなと思います。

岡さんも認めるNEWモデルは、独自の審美眼をもつ坪内さんの一言から生まれました。岡さんもお気に入りの新作です^^

おしゃれ出張鞄を、最新の「いい革」でアップデート!

続いては、日本職人プロジェクトの元メンバー・プランナーYUDAIくんが数年前にデビューさせたジェネラスバッグ。「気前のいい」「心が広い」などの意味を持つ英単語が名前の由来です。

人一倍おしゃれ好きのYUDAIくんが、「ジャケットに似合う出張鞄で、なおかつプライベートな旅行にも使える鞄を作りたい」と、岡さんと一緒に企画したのが初代モデル。すごくいいアイテムなので、秋からの旅行シーズンにぴったりかも!ということで久しぶりに新モデルを作ることになりました。

最初は明るいキャメル色の革でいく予定だったのですが、サンプルを見た日本職人プロジェクトメンバーのNISHIYANが「いい色ですけど、ちょっと懐かしい感じがしますね~」とひと言。色への愛着とこだわりが誰より深いNISHIYANがそう言うので、「岡さん、懐かしい感じって言われちゃったんですけど……」と伝えたところ、「それなら、最新の革にモデルチェンジしましょう!」という答えが返ってきました。

そして岡さんが手配してくれたのが、シボ感のある表情豊かな革。「間違いなく、いい革を選びました!」という岡さんの自信作です。自然の風合いを残した表面に大柄のシボ型をつけた魅力的なレザーは、岡さんならではのセレクト。使い込むほどになじんで、キズやシワもいい味わいになっていきます。「軽めのノートパソコンなどを入れても大丈夫なように、少し厚めの革にしています」という心遣いもさすが!

フォルムはシンプルな船形トートなので、使いやすさは抜群。斜め掛けするとカジュアルな印象ですが、手持ちにすると品よくおさまります。お出かけの行き帰りは斜め掛けで両手フリーに、打ち合わせの時は手持ちできちんと、と使い分けても。

前面の大きなポケットは、さっと出し入れしたいものの収納に。旅行なら、地図やパンフレットを入れておくのに便利です。

中を開けると、裏地はきれいなピンク! この色はプランナーMOEがセレクトしてくれました。シボ感のある個性的な革×鮮やかなピンクの組み合わせが最高におしゃれ。開けるたびに気分も上がります。深さもまちもたっぷりあるので、出張にも旅行にも持って来い。いかにも「出張」「旅行」な感じがしないから、どこでもスマートに出かけられます。

ノートパソコンや資料などがスマートにおさまるサイズ感。内ポケットも充実していて、使いやすさも完璧です!

ちなみにこの鞄、見た目に反してすごく軽いです。出張や旅行はもちろん、ふだんの仕事やお買い物にも。本当に懐の広いバッグなので、いろんなところにどんどん連れて行って、たくさん使い込んで、いい味に育ててください。

日常からちょっとした旅行まで、「くじら」をお供に。

続いて3つめは、ビッグなサイズ感とくったりした風合いが特徴の「ホエールトート」。荷物がたっぷり入る大きな入れ口と、底がたわんで丸みのある形は、おおらかでどこか愛嬌のある雰囲気から、「くじら」と名前をつけました。

すごくシンプルな見た目ですが、やわらかい革をたっぷり使った贅沢仕上げ。ぼふっと大きいサイズでも、革がやわらかいから威圧感なし。体にしっくりなじむ、愛嬌のあるバッグです。見た目どおりの大容量でなんでもざくざく入りますが、中身が少ないときのくたっとした感じもいいんです。

シンプルなフォルム、合わせやすいカラー、たっぷり入る大容量と、どこを取っても便利すぎるバッグ。持ち手のキーリングや内ポケットなど、大容量でも中身が迷子にならない工夫も魅力です。

上品なグレージュの革は、別注をかけたスペシャルバージョン。「黒よりやさしい印象で、何にでも合わせやすいから」とプランナーMOEがセレクトしてくれました。ちょうど福岡の岡さんの工房を訪ねているときにサンプルが上がってきたので、山猫も一緒にチェック。ちょっと重い印象の色になっていたので、軽めの色に修正してもらいました。

しっとりとやわらかな本革は、手ざわりも抜群。ビッグサイズでも間延びしないのは、表面のほのかなシボ感のおかげ。

ブラックよりやわらかい色味だから、幅広い着こなしに似合います。スタイリストさんは、きれいめのシャツにコーディネートしてくれました。布のトート感覚でTシャツにラフに合わせてもいいし、ジャケットなどかっちりめのスタイルにも。ほっこり系のニットにも合うし、冬の重いコートに合わせても軽やかに仕上がります。(シンプルだけに、本当に何にでも合うんです)

装飾は一切ないのに、ここまでスタイリッシュに見えるのは、サイズ感のバランスと革の表情ならでは。岡さんのモノづくりへのこだわりがまっすぐに伝わります。別注のスペシャルレザーは手ざわりも最高なので、くじらを撫でるような気分(?)で、愛情たっぷりにかわいがってください。

情熱があるから、会話が生まれる、想いが広がる。

岡さんの鞄は、完成してからもどんどん変化しています。いろんな人の意見やアイデアを柔軟に受け入れて、それ以上のカタチに仕上げてくれるのが魅力。福岡の工房にお邪魔したときは、打ち合わせしながらその場で修正してくださって、目の前で職人仕事を見せてもらいました。

情熱をこめて作ったものだから、誰かの心に響いて、「いいですね」「おもしろい革ですね」と会話が生まれていくのかなと思います。

岡さんの作る鞄には、たくさんのひとの情&熱が込められています。ぜひ皆様に触れて欲しい~。

福岡の鞄作家と作った 職人本革のフォートバッグ〈ブラック〉

1個 ¥36,800 ( +10% ¥40,480 )

福岡の鞄作家と作った 職人本革のフォートバッグ〈レッドブラウン〉

1個 ¥36,800 ( +10% ¥40,480 )

福岡の鞄作家と作った 職人本革のジェネラスバッグ〈キャメル〉

1個 ¥37,500 ( +10% ¥41,250 )

福岡の鞄作家と作った  職人本革のホエールトートバッグ〈グレージュ〉

1個 ¥35,800 ( +10% ¥39,380 )

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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