こんにちは、ミュージアム部です。
みなさまは「能」と聞いて何を思い浮かべますか? インパクト抜群の能面、神聖な舞台、きらびやかな装束。なんとなくイメージはあるけれど、正直なところよく知らない……そんな世界ではないでしょうか。
今回のミュージアム部は、京都観世会館さんとコラボレーション!
「はじめての能」をテーマに、能のおもしろさや神秘的な美へいざなうグッズ「能面コスメポーチ」「能舞台の松竹梅イヤアクセ」「能装束リバーシブルハンカチ」を作りました。さっそくご紹介します。
はじめての能 01
能の神秘の美を感じられる
「能面」コスメポーチ
「面」は「おもて」と読みます。能で扱う仮面のことですが、ただの小道具ではなく、魂を宿らせる依り代(よりしろ)。能にとって、なくてはならない要素のひとつなんです。
能面は無表情じゃない? さまざまな感情表現の神秘の美
能面は一見無表情なデザインですが、演者次第で喜怒哀楽を表現できます。上に傾ければ、うれしさ・喜びを表す「照ラス」。下に傾けて悲しさ・寂しさを表す「曇ラス」など自由自在。使うときには「つける」とは言わず「かける」といい、面と演者が一体となってはじめて感情が宿ると言います。
化生の化粧ポーチ
能で登場する女性たちは時に晴れやかに、時に悲しげですが、どの瞬間も美しく心に響く魅力があります。そんな多様な美を表現する「面」をリアルに再現して、コスメポーチにしました。
数多く存在する女面から、「その美しさは百の媚にも勝る」と伝わる「万媚(まんぴ)」という面をモチーフに。万媚には「化生」という銘がついています。「変わる・化ける」という意味ですが、お化粧にまつわるアイテムにぴったりですね。
面の裏面までこだわってリアルに再現。内側は、ブラシも収納できるホルダー、小物をまとめて収納できるメッシュポケット付きで、ポーチとしても機能的。
監修いただいた能楽師 片山 九郎右衛門さんにも、ポーチの仕上がりを見ていただきました。
バッグからこのコスメポーチをふと取り出せば、注目度も抜群!?
さまざまな感情を表現できる「面」をモチーフにしたポーチで、能を身近に感じていただけたらうれしいです。
ミュージアム部 神秘的な能の世界にふれる 化生の面コスメポーチ
1個 ¥2,100(+10% ¥2,310)
はじめての能 02
ステージに隠された秘密
「能舞台」の松竹梅イヤアクセサリー
能を舞うためのステージである「能舞台」 には、ふしぎな吉祥モチーフが隠されています。その「松竹梅」のストーリーからご紹介します。
能舞台に隠された「松・竹・梅」のストーリー
松:能舞台の正面にひときわ目立つ「松」が。これは「影向(ようごう)の松」といい、奈良の春日大社にある松がモチーフ。この松には神さまが宿るといい、能を舞う演者は、松の姿として映った神さまに向かい舞っているのだそう。
竹:江戸時代に、徳川幕府は能を儀式用の公式な芸能と定めました。「松」とともに「竹」は常緑の植物であることから、生命力や成長の象徴として好まれたのだそう。
梅:「梅」は、能舞台には描かれていません。直接見るのではなく暗闇の中からかすかに香るものとして、あえて描かれていないのだとか…。能は視覚だけではなく、五感で感じるものとすれば、この梅のとらえ方も能の幽玄の考え方に通じるようです。
神秘的なストーリーをイヤアクセに
そんな能舞台の神秘的なストーリーを「松竹梅」のイヤアクセサリーにしました。ピアスかイヤリングを選べます。華美になりすぎず、かつ個性的なモチーフは大人の女性のおしゃれにぴったり。
【松】影向の松の見事な枝ぶりを2色のメッキで重ねてデザイン。和の雰囲気と抽象的な形状で、気品が漂います。
【竹】真っすぐに成長する若竹の力強さを表現。アシンメトリーな配色も相まって、耳に装うとモダンな印象に。
【梅】暗闇の中で感じた香りが、梅のものだと徐々に気づくさまを表現。槌目を付けた表面の質感の差が、 かわいらしさに奥行きを添えます。
能の世界では、舞台そのものにも物語が隠されています。
能楽堂では、ぜひ能舞台にもご注目ください。
ミュージアム部 能舞台に描かれた秘密 松竹梅イヤアクセサリーの会
月1組 ¥2,800(+10% ¥3,080)
はじめての能 03
ドラマティックな変身をその手で再現
「能装束」リバーシブルハンカチ
能にかかせない3つ目のモチーフは、演者がまとう「能装束」。豪華な美しさも目を惹きますが、ここでは物語のカギになるおもしろいポイントをお話します。
能ならではの「変身」を知るだけで物語が分かる!
能の主人公は「シテ」とよばれますが、じつはシテの身に着けている「面」と「能装束」が物語の前後で大変身するんです!それぞれ前シテ・後シテといいますが、これは世阿弥がつくりだしたユニークな表現方法。物語に大きな変化が訪れるときにシテの姿が変わる、ということを知っているだけで、能のストーリーがぐっと理解しやすくなります。
ドラマティックな変身をハンカチに
能のユニークな魅力であり、お話を理解するポイントでもある能装束の変化「前シテ・後シテ」という概念に注目して、リバーシブルハンカチを作りました。3つの演目とともにご紹介します。
『道成寺』のリバーシブルハンカチ
リバーシブルハンカチでは、蛇のうろこをイメージさせる特徴的な模様を全面に。前シテに「小面」、後シテに「般若」の面をワンポイントであしらいました。
『小鍛冶』のリバーシブルハンカチ
リバーシブルハンカチは「童子」の緑の衣から、霊狐のまとう荒々しい雷紋の衣への変化を再現できます。「童子」と「小飛出」の面がワンポイントに。
『媽祖』 のリバーシブルハンカチ
媽祖の華やかな赤い衣を、ハンカチでも再現。ワンポイントの面は、前シテ・後シテともに同じ「女面」ですが、後シテでは天女として宝冠を着けて表現します。
物語のあらすじ&手遊びのギミック
ハンカチのネームタグには二次元バーコードがプリントされています。なんと、ここから物語のあらすじが読めます。
能楽堂に行く前や講演前に予習すれば、物語を理解しやすくなること間違いなし!
「面」の「アップリケ部分を中心にしてハンカチを折りたたむと、まるで能を舞う演者のように手遊びすることができます。
ハンカチを裏返すと、前シテ⇔後シテの変化を手のひらで再現できます。
ふだんから持ち運ぶハンカチで楽しく予習しつつ、能楽堂での観劇をますます楽しいひとときにできたらうれしいです。
ミュージアム部 幽玄の物語を追体験 能装束リバーシブルハンカチの会
月1枚 ¥1,500(+10% ¥1,650)
敷居が高いと感じていた「能」を身近に楽しもう
能は、600年以上も続く日本最古の歌舞劇。観阿弥・世阿弥の時代に、「幽玄」(香るように淡くかすかに感じる奥ゆかしい美しさ)という価値観を理想とする芸能に磨き上げられ、現代の能へと受け継がれていきます。
はじめての能を楽しむポイントは?
和製ミュージカルと言われることもありますが、シーンを盛り上げるBGMとしてではなく、励ましや疑問としてお芝居に直接関わっていく「囃子(はやし)」、専用の能面を使う「仮面劇」であること、語りと歌の間のように物語を紡ぐ「謡(うたい)」など、能ならではの特徴的な楽しみも。
能では、神や精霊などの主人公(シテ)が、旅人や僧侶(ワキ)に身の上を話すようなシーンが多くあります。ワキの立場に感情移入して観劇することで、いつの間にかその物語の場所に自分が存在しているような体験ができるようになるのだそう。「物語を見る」という受け身的な楽しみ方だけでなく、「物語に参加する」というある種のスイング感を楽しんでもらえたら…と、能楽師 片山 九郎右衛門さんに教えていただきました。
この記事やミュージアム部のグッズをきっかけに、これまで以上に「能」を身近に感じていただけたら、とってもうれしいです! ぜひ能の観劇を楽しんでくださいね。
フェリシモミュージアム部 神秘的な能の世界にふれる 化生の面コスメポーチ
1個 ¥2,100(+10% ¥2,310)
フェリシモミュージアム部 能舞台に描かれた秘密 松竹梅イヤアクセサリーの会
月1組 ¥2,800(+10% ¥3,080)
フェリシモミュージアム部 幽玄の物語を追体験 能装束リバーシブルハンカチの会
月1枚 ¥1,500(+10% ¥1,650)
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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ミュージアム部
「ミュージアム好き」が集まって活動しているフェリシモの公式部活。カタログやウェブサイト・SNSなどのメディアを通じて情報を発信し、暮らしの中で楽しめるオリジナルグッズを企画しています。