最近はお部屋に観葉植物を置く人が増えてきていますが、植物画を身近に置くのも緑と親しむ方法のひとつ。
今回は、17世紀にオランダで人気を博した美しい図版を、捺染(なっせん)印刷でコットン100%のダブルガーゼにプリントした、マルチクロスをご紹介します。
17世紀のオランダ画家、園芸家が描いた、凛とした植物画
今回、el:mentのプランナーがモチーフに選んだのは、17世紀のオランダの画家・園芸家 エマヌエル・スウェールツによる手彩色銅板画集の美しい植物の図版。
当時から人気を博していた凛と繊細に描写された植物の図版の中から6つを厳選し、「図鑑を飾るかのように、このクロスを飾ってほしい」というプランナーの想いから、1枚のマルチクロスに図版を2つずつプリントしました。
プランナーより
植物画はどれも素敵でしたが、中でもチューリップは成長の過程が描かれていることに惹かれました。他にも、水仙など球根のあるお花の成長の様子がつぶさに描かれていたり、黒コショウなど実のある植物の趣や、常緑植物のいろいろな葉っぱの形に惹かれました。1柄ずつ、それぞれに特徴が出るように植物画をセレクトしています。お部屋に飾りたくなる、図鑑のような植物画をお楽しみください。
日本の捺染(なっせん)技術でマルチクロスができるまで
このマルチクロスのプリントをお願いしているのは、創業95年の東大阪の染色加工会社 松尾捺染さん。
高い技術力と経験で、エマヌエル・スウェールツの繊細な図版を精緻に再現していただきました。
捺染技術とは、染料を直接布面に塗り、摺(す)り、押捺して染める約2,000年前からあると言われる技術で、今でいう “シルクプリント技術” のこと。
この技術は1色ずつ重ね刷りして色を出していくため、イメージ通りの色を出すために職人さんが経験値を駆使し、染料の配合を調合します。染料プリントはプリント直後に生地を高温で蒸すことにより希望する色へと発色させます。そのためそれを見越した調合はとても繊細な作業。厳しい色チェックのもと何度も調合を繰り返し色決めを行います。
今回のマルチクロスは、柄の精密さも表現しつつ空間に馴染むニュアンスカラーを目指し、シックなブルーブラックで線を表現することに決めました。
色が決まれば、次の工程は見本刷り。
松尾捺染さんには見本刷り専門の職人さんがいて、その作業はなんと手作業。染料が乾くまでの時間や刷る際の力の感覚は、1世紀近く引き継がれてきた技術力と経験が頼り。
この見本刷りは、機械量産の完成度を左右するとても大切な工程なのです。
そしていよいよ量産刷りへ。
刷り始める前に、完成の良し悪しにも大きく影響するプリント前の真っ白な反物を職人さんが入念にチェックし、生地の汚れやゆがみが無いかをチェック。
プリント加工の技術として版の継ぎ目を自然に見せるために、もう一版重ねてなじませる細やかな作業が行われます。
ふわりとやわらかいコットン100%ダブルガーゼの上に精緻な図柄をにじまずに再現できるのは、高い技術と経験があればこそ。このマルチクロスは、日本の伝統的な捺染技術が詰まった逸品でもあります。
おすすめの使い方
グレー、べージュ、セージとインテリアに取り入れやすい色味のため、ベッドにかける、カーテンにする、テーブルクロスにするなどインテリア遣いするのがおすすめ。
ダブルガーゼ生地の風合いとヴィンテージ感のある図柄の組み合わせを、様々な場所で楽しんでください。
el:ment ヴィンテージ植物画の世界を日常にダブルガーゼの大きなマルチクロスの会
¥3,400(+10% ¥3,740)
ダブルガーゼの大判ハンカチ
同じ捺染技術と生地を使って、大判ハンカチも作りました。
柄のモチーフも同じ、オランダの画家・園芸家 エマヌエル・スウェールツによる手彩色銅版画集の植物画から、こちらは1枚につき1柄ずつプリント。
この風合いを活かしてほしいため、ハンカチ遣い以外にもいろいろと使える大判サイズに。
el:ment ヴィンテージ植物画の世界を日常にダブルガーゼの大判ハンカチの会
¥950(+10% ¥1,045)
まとめ
17世紀にオランダで生まれた植物図版と、日本の染色加工会社で1世紀近く続く受け継がれた数々の技術と経験が出会った “作品” と呼びたくなるマルチクロスと大判ハンカチ。
ぜひ使って、飾って、みなさんの暮らしを彩ってくださいね。