憧れを形にしたくて生まれた、初代ダレスバッグ。
こんにちは、日本職人プロジェクトリーダーの山猫です。
日本職人プロジェクトのきっかけとなったのはダレスバッグ「お父さんのお下がりみたいなダレス鞄(かばん)」でした。題材になったのは、私の父親がその昔20年以上愛用していた本革の鞄。ある日、あまりに使い過ぎてその鞄がボロボロになったため、父は当時巷に出まわり始めた合成皮革製のダレス鞄を買ってきました。しかし、今度は使い始めて2年くらいでボロボロになり、がっくりと肩を落としていた父を覚えています。
そのとき父が言った、「昔使っていたような本革仕上げだったら、もっと愛用できたのに」というつぶやきを思い出して、記憶を辿りながら「父が欲しがっていた理想の鞄」を作ってみたいと試行錯誤が始まりました。鞄職人さんも、「山猫さんの中の思い出を映画に例えて、小道具をつくる気持ちで作り上げたい」と一生懸命取り組んでくれました。
ああでもないこうでもないと、1年かけてようやく完成した鞄は、父が手に入れたかった理想の鞄を時を経て受け継いだような感動の仕上がり。ちょっとレトロで、探してもどこにも売ってない「お父さんのお下がり鞄」が誕生しました。
初代のダレス鞄の特徴は、個性的なホック金具とレトロなフォルム、そして大きく口が開くダレス口デザイン。気軽に使えるように帆布をメイン素材にして、持ち手などを本革遣いに。裏地には、父が着ていたコートの裏地に似たものを選びました。どこを探してもなかなかない「物語」のあるこのダレス鞄は2005年に発売以降大好評を得て、以降15年もの間、沢山のニューモデルが登場することになったのです。
2020の新作は“椅子張り生地”と“りんご色”!
今回ご紹介するふたつの新作ダレスバッグは、初代から見ると姪の娘たちといったところでしょうか? ひとつは、定番のダレスバックのサイズに比べるとひとまわり小さい「椅子張り生地小ぶりダレスバッグ」の3代目モデル。もうひとつは、A4サイズの書類が縦に入るようにした「本革縦長ダレスバッグ」の4代目モデル。
新作その1 “椅子張り生地”の特別仕立て
初代ダレス鞄は、私の父が仕事で使っていた鞄をイメージしていたこともあり、仕事道具や一泊旅行程度の荷物が入るサイズでした。そのうちに、「ふだん使いしやすいサイズのダレス鞄が欲しい」というご要望を多くいただくようになり、商品開発をしたのがこのひとまわり小ぶりなダレス鞄です。
今回は、高級家具にも使用されるファブリックメーカーの椅子張り生地を使った特別仕立てで誂えました。クラシカルなロイヤルブルーの生地が、部分遣いしている本革とダレス鞄の雰囲気にマッチ。オールレザーに比べて軽く、使い心地も上々です。
小ぶりながら日常遣いに便利なサイズで、お弁当や水筒も収納可能。肩掛けして自転車に乗っても邪魔にならない大きさなので、いつでもどこでも連れて行ってもらえます。また、一眼レフカメラやビデオカメラもちょうど収まるサイズのため、お気に入りの専用ケースを探していた方にもおすすめです。こんなおしゃれなケースは他にはないですよね、贅沢ですけど(笑)
新作その2 “りんご色”の縦長タイプは書類OK
「A4サイズの書類が縦に入るダレスが欲しい」というご要望から生まれたのが、この本革縦長ダレス鞄。(余談ですが、縦長ダレス鞄の初代はリュック仕様でした)
こちらは今年で4代目モデル。オール本革遣いはそのままに、今回はシックになりがちな秋冬の装いに映えるりんご色で仕上げました。一緒に企画してくれたこだわりプランナーYUDAI君のこだわりカラーで、しっかりとハリのある革の表面を厚めの顔料でコーティングしたため、存在感のある風合いを楽しんでいただけます。仕事はもちろん、習いごとなどのお出かけにもぴったりのダレス鞄です。
完成した時もプロジェクトメンバーで「きれいなREDがかっこいい!」「高級感が上品にでてる!」と好評でした。
今回は、プロジェクトリーダーの私自身の想いと日本の職人と一緒に形にした「ダレスバッグ」をご紹介しました。次回からは、この取り組みで出会った様々なプロフェッショナルたちの想いを形にした鞄を、制作秘話を交えてご紹介していきます。
それでは、次回のブログもお楽しみに。
※ 日本職人プロジェクト「職人の秋鞄」の商品は、ご注文いただいてからひとつずつ仕立ててお届けします。
※ 「職人の秋鞄」のお申し込み受け付けは終了しました。
日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。
プロジェクトリーダー 山猫