共通点は「ヴィンテージ」と、「お笑い」

こんにちは、日本職人プロジェクトの山猫です。

誰かの物語(story)をカタチにした、どこにもないプロダクトを生み出す日本職人プロジェクト。たった1人の「好き」「欲しい」に寄り添う物づくりを続けています。

今回は、ヴィンテージショップ「REINETTE(レネット)」のオーナーさんと一緒に企画した本革製のバッグをふたつ、ご紹介します。このショップは、日本職人プロジェクトのメンバーMOEがもう何年も通っているお店。“お笑い好き”という共通点があるオーナーさんとMOEが、いろいろなリクエストやアイデアを出し合ってカタチにしました。
この2つのバッグに、どんな物語があるのか。ここからはMOEと共に紐解いていきましょう。

お店の中は、心ときめくアイテムばかり

皆さんこんにちは、日本職人プロジェクトメンバーのMOEです。私が長年通っているREINETTEは、大阪・堀江にあるヴィンテージショップ。今回ご紹介するふたつのバッグは、オーナーの中村朋子さんと一緒に企画しました。

REINETTEさんに通う楽しみは、デザイナーや作り手の想いが込められた洋服やファッション雑貨に出会えること。装飾性の高い手編みニットや、計算し尽くされた美しいシルエットのワンピース、刺しゅうやレースがふんだんに施されたブラウスなど、作った人の思いが手に取るようにわかる、完成度の高い品々にあふれています。

また、お店で出会う一流ブランドの洋服やバッグは、ヴィンテージといえど素材やシルエットの美しさは格別。デザインや品質の高さはもちろん、ポケットの位置が工夫されていたり、体に負担をかけない作りだったり、実用性も追求されていることに驚きます。

お店に行くたび、ヴィンテージの美しさや質の良さにうっとり。作った人への敬意を抱くと共に、自分自身の感性が高まるのも感じます。そしていつしか、自分もそんなふうに、時を越えて人を魅了するようなものを作りたい、と思うようになりました。

これまでたくさんの名品・逸品を見てきた中村さん。その審美眼と感性を余すところなく生かしたバッグづくりの企画は、こうしてスタートしたのでした。

誰でもたちまち、「女優」な気分に

参考にしたのは、大きさも色も形もさまざまなヴィンテージバッグ。いくつもの名品をあれこれ比べて、愛される理由や素敵なポイントを探りつつ、試行錯誤しました。目指したのは、時代を越える魅力がありながら、今の気分やコーディネートにも似合うこと。普遍性と時代性をそなえた、懐かしいけど今っぽいバランスを追求しました。

こうして完成したのが、この「アクトレスバッグ」。60年代の映画女優をイメージした、ダレス口のエレガントなバッグです。ちょこんと小ぶりのサイズ感が、まさに女優。色も端正なブラックで、キリリと上品な雰囲気です。

内側も、ワインレッドの生地を貼ったドラマティックな仕様。見えないところまで抜かりなく美しい、隙のない仕上がりです。ダレス口はがばっと大きく開くので、中が見やすく、出し入れしやすいのが特徴。まち幅もしっかりあるから、財布やポーチ、お弁当まで入ります。

中村さんのアイデアで付けた華奢な細身のショルダーベルトも本革仕立て。斜めがけも上品に決まり、ヴィンテージバッグにはない便利さも加わりました。ワンピースやジャケットなどかっちりきれいめなスタイルはもちろん、ラフな着こなしにさらっと合わせてもおしゃれ。カジュアルコーデをぐっと引き締めて、クラスアップしてくれます。

カジュアルコーデとも好相性。あえてラフに持つのも、女優っぽい!
(ショルダーストラップ取り付け金具 の位置は仕様変更になりました。)

心ときめく小ぶりなサイズなのに、収納力があって実用性もばっちり。手にするだけで気分が上がって、どんなコーディネートにもしっくりなじむ。もう、ため息がでるほど、素敵な仕上がりになりました。

革の上質な素材感と流行に左右されないデザインでは、長く愛される名品をたくさん見てきた中村さんだからこそ。どんな年代にも、どんなシーンにも美しく寄り添ってくれます。

さっそうと!オーナー目線の美人クラッチ

もう一つは、中村さんの働く女性の一面をフィーチャーした「オーナーズクラッチバッグ」。「荷物の整理は苦手だけど仕事のアイテムをひとまとめにしたい」というリクエストに応えて、ショップオーナーの理想の鞄を具体化しました。

中村さんの仕事は買い付けだけでなく、お店の開け閉めや接客、事務処理など多岐にわたります。それらの仕事が鞄ひとつでスムーズにこなせるように、お財布以上バッグ未満の機能派クラッチを作りました。

ポイントは、3層に分かれた内部構造。領収書や伝票などのペーパー類、お金、お店とビルの鍵などを分類して収納できます。お財布より大きくてたくさん入るから、忙しい時はとりあえずガサッと入れておいてもOK。仕事のものはここ!と決めてしまえば、あの領収書どこに行った? と慌てる心配もありません。

ファスナーポケットと仕切りで、たっぷり&すっきり収納。スタイリストさんからも「これいいですね」との声が!

背面は、2段のファスナーポケット。黒にゴールドが映えるデザインで、こちらを前にしてもおしゃれです。

「外ポケットはスマホや大切な鍵など、直ぐに取り出したいものを入れるのに便利」と中村さんのこだわり。

片手ですっと持てる、上品なサイズ感もさすが。シボ感のある本革に、ボリュームのある金具を合わせたクラシカルなデザインも素敵です。アクトレスバッグとも相性抜群、バッグの中に入るサイズでセット使いもできます。

この、品のあるたたずまい!小わきにさっと抱えれば、たちまち仕事ができる人の印象に。
通帳や印鑑の銀行セット、マスクや除菌スプレーなどの衛生グッズも入ります。

これひとつで颯爽(さっそう)とお出かけはもちろん、バッグインバッグにしたり、貴重品の収納にしたり、お財布として使っても。用途は自由自在、いろいろな使い方が楽しめるバッグになりました。

バイヤーとオーナー視点から生まれたふたつのバッグ

古今東西の名品を見てきた中村さんは、目が肥えていて、センスがあって、働く大人として素敵な人。そこに惚れ込んで今回の企画が実現したのですが、中村さんとは好きなもの・おもしろいと思うことの感覚が似ていて、本当にいつも話が尽きません。お笑い好きという共通点のある私たち。同じ芸人のファンで一緒にライブにも行きました。中村さんの引き出しの多さ、物事の捉え方も素敵で、人として魅力的だなあと思っています。

ジバンシィのピアスとピエール・バルマンのスカーフを身に着けた中村さん。

ヴィンテージのバイヤーとして、ショップオーナーとして、それぞれの視点から生まれたふたつのバッグは、中村さんにしか作れないアイテムだと思います。とびきり素敵な仕上がりなので、たくさんの方に手にしていただけたらうれしいです。

次回は、ファッションスタイリスト・村上きわこさんと作った新作アイテムをご紹介します。なんと初登場のシューズと、バッグ2点、こちらもお楽しみに!

ヴィンテージショップオーナーと作った 職人本革のアクトレスダレス〈アンティークブラック〉

1個 ¥41,800(税込み)

ヴィンテージショップオーナーと作った 職人本革のオーナーズクラッチバッグ〈ノーブルブラック〉

1個 ¥14,080(税込み)

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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