残った革は、捨てるもの?
こんにちは、日本職人プロジェクトリーダーの山猫です。
今回ご紹介するのは、刻印をほどこした本革コースター。これ実は、商品ではなく、お買い上げいただいた皆さまにお届する特別なプレゼントなのです。
日本職人プロジェクトではずっと以前から、製品を作ったあとの革を無駄なく大切に使うために、残り革から生まれたチャームをプレゼントしていました。これまで、お花、葉っぱ、ビスケット、チョコなど、さまざまなモチーフが誕生しています。
そして今回は、初となる本革コースターをプレゼントに選びました。「特別号STORIES」は、誰かの想いから生まれた特別なアイテムたちだから、プレゼントも想いのこもったものをお届けしたい。そのためには、何をお届けしたら喜んでもらえるのか……。色々考えて、イラストレーターであり版画作品も制作されるイオクサツキさんに、刻印のイラストをお願いしました。
一枚の絵の中に、物語が広がっている
イオクサツキさんは、書籍の装画や挿絵、雑誌、WEBなど、さまざまな媒体で活躍されています。このコースターは、図柄を金型に起こし、革表面に刻印して完成させるもの。簡単にいうと、判子を作ってそれを革に押し付けます。版画と同じく図案が反転した仕上がりになるので、そういったことに慣れた感覚の方にイラストをお願いしたい、そういう気持ちから、版画作品も多く手掛けるイオクさんにお声を掛けました。
テーマは「理想の鞄に出会う旅」。3つの案を出していただいた中から、女の子が鞄を持って旅をしているデザインに決まりました。(ほかにも、鞄の中に入っている紳士の絵柄や、森を散策するおじさんなどの絵柄も候補にありました)。
版画の特性もよくご存知なので、刻印になったときの仕上がりが本当に素敵。この日本職人プロジェクトのために描き下ろしてくださった特別な作品です。シンプルだけどあたたかみがあって、1枚の絵のなかに物語も感じられる。コースターですが、飾っておきたくなるような仕上がりになりました。
暮らしの中で、長く使ってもらえたら
コースターの素材は、職人さんが持っていたストックレザー。このプロジェクトのために、特別に分けていただくことができました。通常このような革は時間がたち、劣化しすぎて販売用の商品には使用できません。使えるところもあるけれど、新モデルを作る際の材料などにする程度で、そのまま保管していても使い道がないものが大半です。
かつて商品として販売したコースターは、たしか1枚600円ぐらい。今回はストックレザーなので、どんな色、どんな手ざわりの革が届くのかはお楽しみです。ひとつひとつ、色やムラがあるのもご愛敬。個体差なので、そこも含めてかわいがってください。
使っていくうちに、だんだん刻印は薄くなっていきますが、それも楽しみのひとつ。購入していただいた鞄や財布と一緒に、本革の風合いの変化を味わいながら、暮らしの中で長く使ってもらえたら。そんな気持ちで作りましたので、ね。
お買い上げの方全員に、お申込みの数量分、お届します。何色が届くか、お楽しみに!
ちなみに。余談ですが、イオクさんのプロフィールイラストは、イオクさんの飼い猫のスイちゃん。とってもかわいいですよね~。
次回は、キャッシュレス時代の新しいお財布「フラグメントケース」をご紹介予定。プランナーMOE渾身のアイテムです。どうぞお楽しみに!
※日本職人プロジェクト「特別号STORIES」の商品は、ご注文いただいてからひとつずつ仕立ててお届けします。
※ 「特別号STORIES」 のお申し込み受け付けは終了しました。
イオク サツキ
兵庫県出身・岡山県在住。
ウォータレスリトグラフという版画技法や絵の具やペンなどの手描き技法を用いて、クスッと笑えるような温かみのあるイラストが人気。
日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。
プロジェクトリーダー 山猫