すべての始まりは、ダレスバッグから

こんにちは、日本職人プロジェクトリーダーの山猫です。

今回のアイテムは、本革製のちょっぴりレトロスタイルなダレスバッグ。初めて、小ぶりなハンドバッグサイズで作りました。

日本職人シリーズ初のハンドバッグサイズ。しっかり入るのに大き過ぎない、ちょうどいいサイズ感です。

ダレスバッグは、日本職人プロジェクトの原点ともいえる鞄です。山猫の父親が昔愛用していた本革鞄を題材に、鞄の町・豊岡の職人さんと一緒に作り上げたのが2004年(発売したのが2005年です)。このときに、日本の革産業や鞄の生産背景、職人さんの置かれた状況などを知ったことが、プロジェクト立ち上げのきっかけになりました。

日本のものづくりの技術や情熱を、5年先、10年先までつなぎ、「仕事」としてきちんと未来に残していきたい。その想いでスタートした日本職人プロジェクトは、2020年で16年目を迎えます。 

→ダレスバッグについては、こちらのブログでもご紹介しています。

歴代のダレスは、素材、サイズ、デザインいろいろ。ひとつひとつに、表情や雰囲気があります。

長年あたためていた、母のためのダレスに挑戦

山猫の父の思い出から生まれた初代ダレスバックの発売が、2005年。そこから時は流れて2020年、今回なんと、山猫の母の理想をカタチにしたダレスバッグが登場します。何年も企画をあたためていて、ようやく実現できました。

母が求めていたのは、長く使い続けられる、普遍的な鞄。「若い頃に好きになったものを、年を重ねても持ち続けられたら」。母がずっと抱いていたそんな想いを、初代と同じくダレスバッグで実現することにしました。

母はもともと手作りが好きで、昔は子供3人&父の服を作っていました。本人は裁縫が苦手といっていましたが、家族のために作られた洋服は、今でも着られるものがいっぱい。父が小笠原諸島に住んでいたときに母が誂えた柄物の開襟シャツは、父から譲り受けて私が着ています。

物が少なく、なんでも大切に使う時代を経験している母には、たくさん持つのではなく、ひとつ気に入ったものをずっと持ち続けるというポリシーがありました。

なので、これまで何度か私が携わった鞄をプレゼントしましたが、「もう少しここが使いやすくなったらいいのに」「食事の席にも持っていけるものがうれしい」「鞄の中のモノを探さず済むようにしたい」など、いろいろなリクエストが返ってきました。

そのことを鞄メーカーのデザイナーさんに伝えたところ、「ぜひ、それを実現しましょう!」と言っていただいたのが、この企画のスタートとなりました。

父の理想のダレスから15年の時を経て、母の理想を叶えるダレスにチャレンジ。

ほかの鞄は、いらないぐらいに

めざしたのは、ほかの鞄が必要なくなるぐらいハイクオリティーな鞄にすること。手ざわりの良い革に、流行に左右されないシンプルな金具など、母の理想を想像しながら素材を選びました。

鞄のサイズは、ふだんのお出かけに使いやすいハンドバッグフォルムをイメージ。これまでのダレスより、かなり小ぶりにしました。お財布やスマートフォン、手帳など、いつものアイテムがちょうど入る大きさです。底まちがしっかりあるので、安定感もばっちり。

内側には、チェック柄のコートの裏地をあしらいました。この柄も、母が好きだったコートとスカートの模様をイメージ。メーカーさんと一緒に、雰囲気の似ている柄を探しました。開けるたびに、楽しい気持ちになってもらえたらうれしいです。

そしてダレス口は、がばっと大きく開くので、中身も一目瞭然。小物が迷子にならないように、ポケットもたくさん付けました。

手持ちでもバランスよく持てますし、ショルダーにすれば手ぶらもOK。コンサートなら手持ちで上品に、旅行ならショルダーで身軽に、お出かけの行先や着る服に合わせて、使い分けられます。ショルダーベルトも本革製で、高級感のある仕上がりです。これも、長く愛用してもらうためのこだわり。

母がよく「結局この鞄になってしまう」とひとつの鞄を見せてくれるのですが、それがどんなシーンにも溶け込むスタイルだったのも、企画のヒントとなっています。

やわらかな本革は、使うほどに愛着が増していきます。色は深みのあるノアール(黒)を選びました。究極にベーシックな色だから、どんな装いにも合わせやすく、年齢にも左右されません。ずっと愛用できる仕上がりになったと思っています。

人生のどのシーンにも寄り添うもの

今の自分にも、この先の自分にも、似合うもの。その理想を追求した結果、お古のような懐かしさと、持つだけでおしゃれに見える今っぽさをあわせ持つ、タイムレスな鞄になりました。

愛着を持って長く使えるお気に入りに出合えることは、とても幸せだと思います。人生のどのシーンにも、美しく寄り添ってくれる。この鞄が、皆さんにとってそんな存在になってくれたら嬉しいです。

次回は、日本製の馬革で特別に誂えた「ギャルソン財布」をご紹介しようと思います。どうぞお楽しみに!

※日本職人プロジェクト「特別号STORIES」の商品は、ご注文いただいてからひとつずつ仕立ててお届けします。

大好評につき、追加での予約を開始いたしました。 (初代モデルですが裏生地の柄・デザインを少しだけ変更しています)
※ 2021年8月下旬~9月下旬 お届け便のお申し込みはこちらから

お婆ちゃんになっても愛用したい 職人本革仕上げのレトロダレス鞄〈ノアール〉

1個 ¥29,700(税込み)

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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