皆様こんにちは、日本職人プロジェクトリーダーの山猫です。今回はプロジェクト20周年記念の特別企画として、長年私と一緒に革鞄&財布などのオリジナルアイテムを沢山作ってきた鞄デザイナーの小林弓子さんに自宅でできる革鞄ケアをレクチャーいただきます。

小林さんは鞄メーカーに入社以降、フリーのデザイナーに至るまで25年以上ファッションバッグの企画デザインをしながら、鞄作りに携わってこられました。今回は、専用の道具やご自宅にあるものを使う基本の革鞄ケアをご紹介していただけます!

それでは、小林さん、よろしくお願いします!!!

→動画で見る方はこちらへ!(おすすめです!)


※ご紹介するケア方法は、市販のケア用品も使用します。ケア用品の注意事項を確認いただいてから、お手持ちの革製品と相性が良いか確認した上で作業してくださいね!

※動画と下記のブログでは少し説明が異なる部分があります。

1.革鞄の基本のお手入れ

では、まず初めに革鞄の基本のお手入れについて、ご説明していきます。

まず、毛先のやわらかい洋服ブラシなどで鞄の表面に付いた細かい汚れを払い落してください。その後にやわらかい布で、鞄全体を乾拭きします。

こびりついて取りにくい汚れや革の乾燥が気になる時は、市販の革専用クリームを使います。革に合った物を選び、目立たない所で試してから使ってくださいね。

やわらかい布に専用クリームを少量取り薄く塗っていきます。布は白色の綿100%素材がオススメです。革専用クリームを使う場合は、厚塗りにならないように少量を一気に塗り広げていきます。 ゆっくりと行うと一ヵ所に多くクリームが入りすぎシミになる場合があります。

【ポイント】
やさしく丁寧に薄く塗り込むことがきれいに仕上げるコツです。その後、少し時間をおいて浸透させた後、からぶきをして仕上げます。かばんの角など、こすれてはげている箇所は何度かくり返し行うと目立たなくなる場合もあります。クリームを塗った後は、しっかり乾いた布でふき上げて仕上げてください。革の種類によっては美しい艶が出てきますよ。

【お手入れの目安】
だいたい基本的なお手入れは週に1回程度。クリームを使うお手入れは月に1回程度がオススメです。

【ポイント】
基本のお手入れを行った後は、防水スプレーなどを使ってシミや汚れの付着を防止するのもオススメです。市販の防水スプレーは革に使えるものと使えないものがありますので、かならずお手持ちの革製品に使えるかは、よく確認してからご使用くださいね。

【防水加工をしましょう】
防水スプレーは、換気のできている場所で少し鞄から離して、フワッと全体にかかるようにすると均等にかけやすいです。 ※この時の防水スプレーも、まずは目立たない所で試してから行ってくださいね。

【保管に関して】
保管する際は、鞄の中に乾燥剤を入れたり、紙の保形材を入れて型くずれと湿気対策もしておくと鞄が長持ちします。通気性のよくない袋に入れたまま保管せず、薄手の布袋や不織布袋などに入れて保管してください。

2.雨に濡れた時のケア方法

革鞄やお財布が雨に濡れてしまった時は、そのまま放置するのでは無く、すぐに乾いた布で水分を拭き取ります。その時、ゴシゴシとこすって拭くのでは無くやさしく布でおさえて水分を布に移すイメージで行ってください。

【ポイント】
表面の水分が取れても、革に湿気が残っている場合がありますので風通しが良い所で陰干しをしてください。この時も、鞄の中に紙で作った保形材を入れるのは大変有効的です。

【保管に関して】
保管する際は湿気を吸わせた保形材は新しい物と取り替えてから収納してください。ちなみに、早く乾かそうとしてドライヤーを使うのは厳禁。急激に熱風が当たった個所の水分が蒸発して乾き過ぎる恐れがありますので、できるかぎり風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。

3.お財布のお手入れ

普段のお財布のお手入れは、革鞄の基本のお手入れ方法と同様にホコリなどの付着汚れをブラシではらい乾拭きをして、革クリームで栄養補給を行うと良いのですが、特にお財布は内側が黒く汚れてきますので黒くなる前にこまめに汚れを拭いてください。

黒く汚れてしまった場合は、中性洗剤を水で薄めて硬く絞った布で拭きます。次に洗剤を拭き取るイメージで水拭きをします。最後に、乾拭きをして風通しがよい日陰で自然乾燥させてください。ゴシゴシと擦りすぎると生地を傷める場合がありますので、やさしく行ってくださいね。

またファスナーの滑りが悪くなった場合は、市販の専用スプレーなどがオススメです。なるべくファスナー部分だけにかかるように、ピンポイントで均等にスプレーします。

4.持ち手などがベタ付くとき

持ち手の革の切り目部分やコバ塗りの剥がれが気になるときは、簡単に部分補修が出来る透明のマニキュア トップコートがオススメです。革の素材によっては素材を傷める場合があるので目立たない箇所でテストをしてから行ってくださいね。

毛羽立ちなどが気になる箇所をマニキュア用のトップコートでケアしましょう。

5.金具などの青サビ・カビのメンテナンス

では最後に、金具汚れのケアと強敵カビ対策ケアをご紹介します。長年愛用してきた愛着のあるレザーアイテムによく見られますね。ぜひ、このケアを実践してきれいな状態に戻しましょう。

ご準備いただく物
使い捨て手袋・マスク・濡らして硬く絞った布・乾いた布・つまようじと綿棒数本・あればカビ用ミストなど

こういった専用のケアグッズもあります。

青さび汚れのケア

まず、金属部分に発生した青サビは綿棒やつまようじを使って取り除きます。1回拭くごとに使った綿棒やつまようじは交換してください。そうする事でほかの部分に広がる事を防ぎます。

こういった金具やカシメについた青サビ汚れは緑青(りょくしょう)という塩分や水分に反応して発生する保護膜が張っている状態です。こちらのひねり金具は時間とともに酸化してしまい、黒く変色して光沢も鈍くなっています。

その後、きれいに綿棒などで拭きとります。お手持ちなら最後に専用ミストなどで拭き上げるのも良いですね。できはじめのサビは歯磨き粉や酢&塩といったご自宅にあるものを使っても落とせます。

どの方法でも、水分などが残らないように充分乾燥させてから収納してください。

カビ汚れのケア

革や生地部分にカビが発生した場合は、硬くしぼった濡れタオルや布でおさえるように拭き取ります。乾いた布で拭くと胞子が空気中に広がる恐れがあるのでまずは、濡れタオル。次に乾拭き・乾燥と進めてください。

このようにきれいになります。こちらも専用ミストなどで仕上げるとより安心ですね。

最後に

これで基本の革鞄・財布のケアの説明は終わります。愛情を掛けてお手持ちの革製品を育ててくださいね。みなさん、ご視聴ありがとうございました!

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