こんにちは、日本職人プロジェクトリーダーの山猫です。今回はプロジェクト20周年記念の特別企画として、神戸・長田の靴メーカー社長の岡 実社長に自宅でできる靴ケアをレクチャーいただきます。

岡さんは42歳まで長田の靴工場で職人として働き、それ以降は長年靴メーカーで海外・国内生産の靴の企画・生産管理をし、「THE 靴道」を歩まれてきた方。日課は毎日奥様の靴を30分磨くことです。今回はその岡さんが実際にしてきた秘伝の靴ケアをわかりやすい動画とブログの両方を用意しましたので、是非実践してみてください!

それでは、岡さん、よろしくお願いします!

→動画で見る方はこちらへ!(おすすめです!) 

※ご紹介するケア方法は、市販のケア用品も使用します。ケア用品の注意事項を確認いただいてから、お手持ちの革製品と相性が良いか確認した上で作業してくださいね!

※動画と下記のブログでは少し説明が異なる部分があります。

革靴のプロフェッショナルが伝授!  自宅でできる革靴のケア方法

初めまして、こんにちは。

神戸の長田で靴メーカーの社長をしています、岡 実(みのる)と申します。私は昔、長田の靴工場で靴も作っておりました。今はデザイナー兼シューフィッターの森下と長田の職人さんと一緒に日々、日本職人プロジェクトのオリジナルシューズを作っております。

今回は日本職人プロジェクト20周年ということで、普段の革靴のお手入れと、山猫さんがよくお客様からお問い合わせを受けている靴ひもがほどけやすいというお悩みについても、ほどけにくい結び方をご紹介しようと思います。

お手入れには靴ケア用のクリームとご自宅にあるものを中心にしたものを使いますので、ぜひお気軽に試していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

今回使う道具は水、中性洗剤、容器、タオル、ブラシ類(毛の硬さが違うもの)、革靴用クリーム、艶出し用ワックス、ドライヤー、防水スプレーなどです。
※臭いが気になる方はミョウバン、水、スプレーボトルもご用意ください。

1.普段の革靴のお手入れと新品をおろす時のケア

では、革靴のお手入れについて解説していきます。

最初に靴ひもを外しておきます。 容器に入れた水に靴紐を入れて、中性洗剤を数滴程度入れて、軽く混ぜて漬け置きしておきます。漬け置き時間は1時間くらいですね。

タオルに水を含ませてから、まずは靴全体の汚れを拭きます。一般的には革製品は水に濡らしてはいけないと言われていますが、靴の革も人間の肌と同じ。まずは水洗いで汚れを落としてから保湿してあげてください。普段の肌ケアと同じで、はじめにきれいに洗ってから化粧をするイメージです。

内側も拭いていきます。また靴の臭いが気になる時はミョウバン水をスプレーボトルに入れ、靴の中に2〜3回吹きかけて、乾いたタオルで内側に広げるように拭き取ってください。
※一般的にミョウバンは水に溶けると酸性に変化し、雑菌の繁殖を抑制するので臭いが軽減します。

乾いたタオルで全体の水気を拭き終わりましたら、次にブラシに少しずつ靴クリームを取り、点々とつけて靴全体に塗り広げていきます。歯ブラシを使ってもOKです。革が剥がれている部分はクリームをやさしく塗り込むようにしてあげるといいですね。

靴クリームが全体に馴染んだら、乾いたタオルで色が落ちなくなるまでしっかり拭いていきます。ここでドライヤーを使って靴の表面を温めながら作業すると、よりツヤが出て仕上がりが良くなります。もっとツヤを出したい時は艶出しクリームやワックスと使うときれいに仕上がります。

全体の汚れが取れ、革の表面に栄養を与えたら、最後の仕上げに防水スプレーを靴全体に吹きかけます。この時に中敷や靴の内側に防水スプレーがかからないようにしてくださいね。タオルなどを靴の中に軽く詰めておくとやりやすいと思います。

※防水スプレーを使用する時は風通しの良い屋外で、あまり近づけすぎずに20~30cmくらい離して吹きかけてください。防水スプレーは靴用のものかフッ素系のものを使用してください。

新品の革靴をおろす時のケア

新品の革靴をおろすときは靴ひもを外してから、薄く艶出しクリームかワックスを靴全体に薄く塗り、全体を乾拭きし、防水スプレーを吹きかけてからご使用いただくと汚れがつきにくくなります。

2.スエードのお手入れ

次にスエードのお手入れについてご説明いたします。一見難しそう……と感じるかと思いますが、やり方は簡単。表面の汚れを水洗いした後にしっかり乾かすだけです。

まず、靴ひもを外し、先ほどご紹介した方法で、漬け置きしておきます。

毛のやわらかいブラシの毛先に水を少しつけて、汚れをやさしくブラッシングしていきます。スエードの毛の流れに沿って汚れを払うイメージでするのがポイントです。

このとき、注意しておきたいのは、水をつけすぎないことと、汚れが取れにくいからと言って、力を入れすぎたり、硬いブラシを使うとスエードが剥げてしまうのでやわらかいブラシを使ってください。また、靴の底の周りなど細かい部分の汚れは、歯ブラシを使うといいですね。

ある程度汚れが取れたらタオルで水気を軽く拭き取り、ブラシでスエードの毛並みを整え、ドライヤーで全体を乾かします。

最後に全体に防水スプレーを吹きかければ作業完了です。

新品のスエードをおろす時のケア

また、スエードの靴をおろすときは防水スプレーをする前に、全体のほこりを毛並みに沿って払います。切り替え部分や段差のあるところは歯ブラシなどを使って丁寧にほこりを取ってあげてください。ほこりを払い終わったら、全体に防水スプレーを吹きかけて完了です。

3. 白い革靴の汚れのケア

白い革靴は大変汚れやすいし、一度汚れてしまうと履いているときにとても気になる。そんな時にできるお手入れをご紹介します。(ケアに必要なものもご紹介していきますね)

まず水で濡らしたタオルで靴全体の汚れを拭きとります。次にクリーナー剤をタオルにとって、汚れを落としていきます。シワの部分や細かい汚れはタオルを指に巻くとやりやすいです。

汚れが取れたら白の靴クリームを塗りこんでいきます。革が剥がれている箇所があるときは車用マニキュアで補修できます。車用のマニキュアはとても堅牢なので、おすすめです! 
※使う前に目立たないところで靴色と合っているか確認しておきましょう。

また細かい部分はマニキュアをつまようじの先に付けて、表面にトントンと置くようにつけるのがコツです。マニキュアを塗った部分はドライヤーでよく乾かしてください。
靴クリームを塗り終わりましたら、ドライヤーで靴全体をよく温めながら靴クリームをしみ込ませて乾かしましょう。

ワックスで艶出しをして、防水スプレーを靴全体に吹いて作業完了です。


4.ほどけにくい靴ひもの結び方

最後に、ほどけにくい靴紐の結び方「ベルルッティ結び」をご紹介いたします。 基本的には靴ひもを蝶々結びする工程での2ヵ所で2回くぐらせることで、ひもがほどけにくくする方法です。
※説明がわかりやすいように、片方のひもの色を変えています。

1:基本の「ベルルッティ結び」

→動画で結び方をチェック!(おすすめです!)

まずは靴ひもを交差させ、片方を中央の輪に2回くぐらせてから締めます。

普通の蝶結びのように輪を作ります。結び目は締めないようにして、片方の輪を中央の輪に2回くぐらせてください。

途中までは蝶結びと同じですが、片方の輪を中央の輪の中へ通します。

普通の蝶結びのように輪を作ります。結び目は締めないようにして、片方の輪を中央の輪に2回くぐらせてください。

両方の輪を引っ張ってしっかり締めます。 結び目とリボンの形を整えて完了です。ほどく時は引っ張るだけで簡単にほどけます。ぜひお試しください。

2:応用の「岡さんのベルルッティ結び」

では、最後に私が考案する「岡さんのベルルッティ結び」をご紹介します。こちらの方が最後の結び目がきれいに見えますので、できる方は是非チャレンジしてみてください!結び方の手順は先ほどと同じです。

この結び方のポイントは、先ほどとは逆方向から2回ひもをくぐらせるところです。

→動画で結び方をチェック!(おすすめです!)

片方の輪を中央の輪の中へ通す時も、先ほどとは逆方向から中央の輪に2回くぐらせます。

最後に形を整えたら完了です。

5.最後に

毎回履くたびにお手入れするのは大変ですので、ちょっと汚れが気になった時や、そういえば…と思いだした時などにやってみていただければと思います。お手入れしてあげることで靴が長持ちしますし、次に履く時がより楽しみになるかと思います。

ご視聴していただき、ありがとうございました。

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