講演録
第1部
フェリシモ:
これより第1部を開演いたします。本日のゲスト、Bloom Worksさんのご登場です。みなさまどうぞ盛大な拍手でお迎えください。
「#Bloom Worksさん登場」
「#スライド」
KAZZさん:
ワン、トゥー、チェック、ワン、トゥー、トゥー。
「#パフォーマンス 『FAKE』」
「#拍手」
石田さん:
どうもありがとう。
KAZZさん:
ありがとうございます。
「#パフォーマンス 『171』」
KAZZさん:
みなさま手拍子、お願いします。そうそう、リズムに合わせて。そうです、いい感じ。
石田さん:
いきますよ、『171』。
「#パフォーマンス 『171』」
「#拍手」
石田さん:
ありがとうございました。
KAZZさん:
ありがとうございます。
石田さん:
改めましてみなさん、こんにちは。
お客さま:
こんにちは。
石田さん:
ありがとうございます。神戸発・防災音楽ユニットを名乗っておりますBloom Worksと言います。よろしくお願いします。
KAZZさん:
お願いします。
「#拍手」
石田さん:
今日は神戸学校という歴史のある、阪神淡路大震災から始まったその場に立たせていただきまして、神戸から防災のメッセージを世界中に伝えたい音楽ユニットとしては音楽家冥利に尽きる、本当に光栄なことです。
KAZZさん:
うれしいです。ありがとうございます。
石田さん:
このような貴重な機会を設けていただきましたこと、本当に心からお礼申し上げます。今日は本当にどうもありがとうございます。
KAZZさん:
ありがとうございます。
「#拍手」
石田さん:
今日はフェリシモのみなさまもいらっしゃいますし、はじめましてのみなさまもたくさんいらっしゃると思いますので、改めて自己紹介をそれぞれさせていただこうと思います。僕がBloom Worksの歌とギター、そして防災士もやっております石田裕之と言います。よろしくお願いします。そして神戸といえばジャズの町ですけれども、アカペラの町でもあります。阪神淡路大震災以降、アカペラをリードしてきた、そして日本のボイスパーカッションのパイオニアでもありますBloom Worksのボイスパーカッション、そして同じく防災士のKAZZです。
KAZZさん:
KAZZです。よろしくお願いします。
「#拍手」
KAZZさん:
それでは少しここでボイスパーカッションをみなさんに(紹介します)。ボイスパーカッションを聞くのは初めてという方はおられますか。おられますね、いいですね。それでは分解して聞いていただきたいと思います。まずバスドラムを聞いてください。大きな太鼓です。
「#パフォーマンス」
KAZZさん:
聞こえますか。ありがとうございます。こういう感じです。
「#拍手」
KAZZさん:
それではハイハット、シンバルを2枚重ねたやつ、聞いてください。
「#パフォーマンス」
KAZZさん:
聞こえましたか。反応がうれしいですね。ありがとうございます。スネアドラム、聞いてください。
「#パフォーマンス」
KAZZさん:
聞こえましたか。ありがとうございます。いいですね、反応がよくなりました。(石田さんは)めちゃめちゃうれしそうですね。ハハ。それでは、それを組み合わせます。
「#パフォーマンス」
「#拍手」
KAZZさん:
ありがとうございます。いいですね、調子に乗ってきました。手拍子!
「#パフォーマンス」
KAZZさん:
よろしくお願いします。こういうパートです。
「#拍手」
石田さん:
よかったね。みなさんすごくあたたかいです。
KAZZさん:
うれしいです。
石田さん:
さすが神戸学校、培ってきたものが違います。ありがとうございます。
KAZZさん:
ありがとうございます。
石田さん:
みなさん、すでにいい笑顔になっていただいているのですが、僕たち、Bloom Worksというグループ名には実はこんな意味があります。名付け親のKAZZさんから解説していただいていいですか。
KAZZさん:
Bloom(ブルーム)、笑顔の花を咲かせるWorks(ワークス)、研究です。
石田さん:
僕たちはふたりとも防災士をしていて、KAZZさんは大学院で防災のことも研究されていました。そんなわけで、みなさんに笑顔の花を咲かせて、何か災害があったときでも、「Bloom Worksのことを知っていたおかげで助かった」とみんなに笑顔になってもらえるような種まきをこれからもしていきたいと思って活動しています。今日、いきなりですけどライブの最後にいつもやっているポーズがありまして、それをみなさんに最後、一緒にやってもらいたいので練習させてもらっていいですか。僕が「みんな、絶対にまた」と言ったら、お互いを指差し合って「笑顔で会いましょう! 」。
KAZZさん:
笑顔で会いましょう!
石田さん:
そう、「笑顔で会いましょう! 」と一緒に言ってください。ちょっと練習しましょうか。
KAZZさん:
いきましょう。
石田さん:
みなさん、
Bloom Worksさん:
絶対にまた、笑顔で会いましょう!
石田さん:
ありがとうございます。
KAZZさん:
いい感じ。
石田さん:
素晴らしい。
KAZZさん:
いいですね。ちゃんと決めてやってくださいよ、ピシっとね。お願いします。
石田さん:
お願いします。今日の演題にもしていただいていますけれども、最後、みなさんでこれをやって一体感をわかちあいたいと思っています。どんな活動をしているか、軽く写真で見ていただきましょう。
■防災を日常化する工夫
「#スライド」
石田さん:
神戸市内から全国に向けていろいろな所で活動しています。これは神戸市内のイベントです。全国の被災地や未災地でもコンサートをしています。
「#スライド」
石田さん:
これは四国のフェスに行ったときの様子です。
「#スライド」
石田さん:
全国の被災地で慰問演奏もしています。これは九州北部豪雨の被災地、大分県日田市の公民館で歌ったときの様子です。
「#スライド」
石田さん:
去年の夏は北海道胆振東部地震から丸一年の厚真町で歌わせていただきました。
「#スライド」
石田さん:
去年は海外にも行かせていただきました。スマトラ島沖地震発生から15年になりましたが、インドネシアの津波博物館でコンサートをさせていただいたときの様子です。日本人のプロアーティストとしては初めてと言われました。
KAZZさん:
それもうれしかったです。
石田さん:
イスラム教の戒律に敬虔な所だったのでエンタテインメントをするのはなかなかむずかしかったのですが、お互い意味のあることだからということでやらせていただくことができました。そういった形でいろいろな所でコンサートもしつつ、今、歌った2曲もそうですが、歌の中に防災のメッセージをさりげなく織り込んでいます。
さらにみなさんにアーティストグッズでも常日ごろ、持ちやすい防災グッズを提案したいということで、Bloom Worksのロゴ入りでUDEBUE(ウデブエ)というものを作らせていただきました。ブレスレットですが、こちら側に笛がついていて、軽く吹くだけですごい音がします。ちょっとやってみましょうか。
KAZZさん:
やりましょう。
石田さん:
大きな音がしますのでびっくりさせてしまったらごめんなさい。いきますよ。せーの!
石田さん:
うるさいね。自分たちの耳がキーンとします。
KAZZさん:
でもそのキーンが大切なのです。
石田さん:
人間の耳にいちばんよく響く帯域で作られています。生き埋めになってしまったときに「助けて」と叫び続けるのはほとんど無理なので、こういうふだんから四六時中身に着けられるもの、これはお風呂もそのまま入れます。
KAZZさん:
そうです。
石田さん:
「これをみなさんにも身につけてもらうために何か楽しい工夫をしたい」ということで、フェスでみなさんで歌って踊れる曲で、サビに入るところで一斉に吹くパートを作りました。ちょっとその曲をかけてもらいましょうか。
「#曲」
KAZZさん:
ワン、トゥー、スリー、フォー
「#UDEBUEを鳴らす」
石田さん:
こんな感じで、そこにいらっしゃるみなさんが吹いてくれます。そういうフェスらしいシーンを作っていきたいということでこんな曲を作ったり、さまざまな形で防災を日常化する工夫をしています。
「#スライド」
石田さん:
ほかのグッズもいろいろありますが、ひとつみなさんにご紹介したいのが間伐材のグッズです。これは六甲山の間伐材を使ったカトラリーです。今、豪雨災害が増えています。山の土砂くずれが起きやすくなっているひとつの背景には山の手入れが行き届いていない(ことがあります)。戦後、たくさん植林をしたのはいいけれども、間伐するだけのコストがあわないということでなかなか間伐が進まなくて、僕たちが行った大分県の日田市もそうでしたが本当にひょろひょろの杉の木がいっぱい生えていました。
KAZZさん:
日本全国で森林の世話がされていないので、いつ山がくずれてもおかしくない状態です。だからたくさん雨が降ると山の近辺は気をつけないといけないし、手入れをしないと木がそのまま川の方に行って川をせき止めて、水があふれてそこから水害になってしまうということです。
石田さん:
土砂ダムみたいに。そういったことをみなさんにも知っていただくひとつのきっかけとして、間伐材のグッズを作ったりもしています。なるべくかわいく、ポップで日常使いできるものをテーマに自分たちで考えています。その裏側にあるコンセプトとして、防災というと、何かこう「意識の高い人たちがやるもの」というニュアンスがみなさんの中にもあるかもしれません。実際、いろいろな防災イベントやチャリティーイベントがありますが、いつ行っても同じ人たちが集まって一生懸命がんばっていらっしゃるというところが課題だと思ったのです。地域の防災訓練もそうですが、大事なことをやっていても、いつも同じ人たちがやっていたら、結局、関心のない人たちはまた同じような犠牲になってしまうということで、音楽だからこそできるメインターゲットに歌で楽しくポップに伝えるということをしています。なので、一回聞いただけではそんなに防災ソングっぽくないかもしれませんが、答え合わせをしながら楽しく聞いてもらえたらうれしいです。次、また楽しいながらも防災のメッセージが詰まっている曲を2曲続けて聞いていただこうと思います。
「#パフォーマンス 『インクルージョン』」
「#拍手」
■AEDの使い方を歌で覚える
石田さん:
最近、便利な防災アプリがたくさんあります。
「#スマホを取り出す」
石田さん:
「ステージの本番にスマホを持っているなんて」と思われるかもしれませんが、今から使うのは防災ではなくてメトロノームのアプリです。1分間に114回というテンポに意味があり、このテンポで曲をやりたいと思います。では、リズムと言えばKAZZにお願いしていいですか。
KAZZさん:
まかせてください。動きました。いきますよ。
「#メトロノーム」
石田さん:
このテンポで、サビのところでみなさんにしていただきたいフリがあります。いくよ、さんはい! プッシュ、プッシュ、everybody say, push push、はい、プッシュ、プッシュ、しっかりとプッシュ、プッシュ、ありがとう。
KAZZさん:
そうそう、プッシュ、プッシュ、これやって! いちばん盛り上がるところ、そうそう、大切だから。できた? これ、ちゃんと出てくるから後でやってくださいよ。お願いします。
石田さん:
みなさん、プッシュまでは手拍子、お願いします。ありがとう。
「#パフォーマンス 『AED』」
石田さん:
ありがとう!
KAZZさん:
よかった。絶対、生き返りました。
石田さん:
無事、助かりました。ありがとうございます。もしも人が倒れているとき、AEDを「自分なんか素人なのにこれを使っていいのかな」というためらいがあると思います。でも、一分一秒を争う事態ですので誰が使ってもいいのです。ふたを開けると音声ガイダンスで指示が出ますので、そのとおりにやれば大丈夫です。電気ショックも必要なかったらそれも機械が判断してくれるので、みなさんもためらわずに(使ってください)。あと、男性が女性にやっても後で訴えられることはありませんし、骨を折っても大丈夫です。肋骨が折れてもそれはまた治るけど、人の脳は一度損傷してしまったら後遺症が残るかもしれませんから。ということで、ぜひみなさん、この『AED』で覚えてください。さっきやったこの114というテンポ、実は1分間に100回から120回のテンポで「プッシュ、プッシュ」をやるのがいいと言われているので、みなさんも、もしもそういう場面に出くわしたらこの曲を思い出しながら「プッシュ、プッシュ」、しっかりとしていただきたいと思います。
KAZZさん:
それこそeverybody say, push push! まわりの人、Everybody Say ! ってやればいいと思う。
石田さん:
ちょっとそれはまわりがびっくりすると思います。
KAZZさん:
確かに。
石田さん:
こんな雰囲気になってしまうかもしれないです。みなさん、ちょっと引いてる。
KAZZさん:
すみません。
石田さん:
僕たち、おふざけみたいな感じでやらせてもらっていますが、その背景には先ほどもありましたけど、関心のある人やいつもがんばっている人の外側に防災が広がっていかなくて、それをどうしたら突破できるのか、これは防災研究している人たちにとって共通の課題で、なかなかそれが解決しないことがあります。
KAZZさん:
今、みなさん、探っているのだと思います。災害というのは毎回ですが、想定外ばかり起こります。でも、そういうものなのです。自分たちで解決すべきところは今、精いっぱい考えるのですが、またやってきます。いちばんいいのは何だろうというところは、みなさん考えられているし研究されています。
石田さん:
だからこそ、それをわかりやすい言葉や歌にして伝えていく通訳みたいな存在になれたらいいと思います。僕は全国、100回くらいいろいろな被災地に行っていますが、どこに行ってもみなさん「まさかここで」とおっしゃるのです。でも、「まさか」ではなくて、ちゃんとハザードマップに書いてありますので、そういったことを広めていくことが大事だと思います。
■KAZZさん「被災者の笑顔がプロで音楽を志すきっかけになった」
「#スライド」
石田さん:
何でふたりとも防災のことをするようになったかという背景の話を今からさせてもらおうと思います。ふたりとも阪神淡路大震災が大きな契機となったのですが、まずはKAZZさんの話から聞かせてもらえますか。
KAZZさん:
はい。1.17、阪神淡路大震災は僕が音楽をプロでやろうと思ったきっかけとなったときです。僕は神戸市長田区の出身で、被災しました。家の周りは燃えた所です。僕の家は壁面(が残った)だけだったので全壊という形で家が潰れてしまいました。
石田さん:
長田は大火災で、本当に消火が間に合いませんでした。
KAZZさん:
実は当時、僕はそこに住んでいたのですが、両親が仕事の関係で違う所に住んでいて、前日にその日だけ「夜にご飯を食べにおいでよ」ということで帰っていたからそこにいなくて、僕は全壊の家の下敷きにならなかったのです。何で長田に住んでいたかというと、おばあちゃんが近くに住んでいてめんどうをみていた(というより)、めんどうをみられていたのかもしれません。
「#スライド」
KAZZさん:
右側の小さい家が僕の家です。そこが燃えていました。朝に気づいて「おばあちゃんを助けなくちゃ」と言って、当時、(両親が)住んでいたのは学園都市で長田まで車で20分くらいですが、それこそ電柱とかいろいろ倒れていて、まわってまわって4時間くらいかかりました。そのときにはもう「ガスやー」「こっち来たらあかん」「あっち行ったらあかん」とどんどん怖くなって、昼なのに空は真っ暗で、そこに火事で照らされて真っ赤な空で、本当に地獄絵図の感じです。そこに行っても当日はおばあちゃんには会えませんでした。「どうしたらいいんやろう」と心配だけど、もうここまで火が出ているのでそのまわりには近づけるわけがないです。とにかく帰るしかなくて、車で一回帰ったら、親戚から「おばあちゃん、長田区役所にいるよ」と(知らせをもらいました)。
「#スライド」
KAZZさん:
(このスライドは)避難所生活です。避難所生活をおばあちゃんと共に過ごしました。(避難所から)ちょっと離れた所にお風呂屋さんがあったのですが、車を持っていたので、最初はおばあちゃんや親戚、友だちを連れて行ってお風呂に入れてあげるというボランティアをしました。お風呂に入ると、当時を経験された方はわかると思いますが、さっぱりするから生きる気力が湧くのです。早くそういう気持ちに少しでもなってほしくて、そのボランティアを始めました。
「#スライド」
KAZZさん:
これは仮設住宅です。仮設住宅も経験しました。冬は寒いです。家の中なのに水道管が凍って水が出ないのです。
石田さん:
壁も薄いですよね。
KAZZさん:
薄くて隣の人の声がものすごく聞こえます。料理のカツカツという音でさえも、隣から「ドンドン、ドンドン」とされて料理もできない感じの所でした。
「#スライド」
KAZZさん:
僕は当時、5人組のグループでアカペラという音楽をしていましたので、3月25日に元気食堂という震災復興屋台村ができて、しばらくしてから僕は歌い始めました。二畳くらいの本当に小さいステージでした。元町商店街のちょうど真ん中、今でいうCALDIの前あたりです。そこで歌い始めました。歌うとみなさん、おじいちゃんもおばあちゃんも含めて「元気でたわ」「よかったわ」と言って、被災しているけど笑顔になってくれるのです。当時からボイスパーカッションをしていて、それがきっかけになって「僕はプロになりたい。音楽でプロになって、世界に出てこの気持ちを伝えていきたい」というのが始まりです。だから僕の音楽の始まりというか、こうやって価値観が変わってやりだしたのがちょうどこのときです。
「#スライド」
KAZZさん:
そしてBaby Booというグループを組んでメジャーデビューし、その後にPermanent Fishというグループを組みました。そのときはもう神戸に戻ってきたのですが、世界デビューという形で韓国でデビューしました。当時から語り部の活動はしていて、学校講演で「災害は絶対来るから備えよう」「夢を持って前向きに生きていきましょう」という話をずっとしていたのですが、当時のことを話してもなかなか伝わらないのです。それはそうで、今で25年前です。生まれていない子もいるし、忘れてしまった子もたくさんいます。「これはどうしていったらいいのか」と悩んでいました。
「#スライド」
KAZZさん:
そんなときに、3年前ですが、兵庫県立大学の大学院減災復興政策研究科ができることを知りまして、「これしかない」と当時のグループ、Permanent Fishを辞める決意をしました。当時は受験してとにかく勉強しようということで音楽もやめてしまおうと思っていたのですが、この防災大学院で教授の紹介で石田さんと出会うという運命が(待っていました)。
石田さん:
変な音楽ユニットですよね。音楽ではなくて大学の教授の紹介でふたりは引き合わされたという。
KAZZさん:
そうなのです。
石田さん:
大学の先生に有名なイタリア料理のお店に連れて行かれて、「こちらKAZZさんです」。
KAZZさん:
「こちら石田さんです。どうぞふたりでしゃべって」と。
石田さん:
「あとは若いふたりで」みたいな感じになりましたもんね。
KAZZさん:
なりました。
石田さん:
その中で意気投合して、ふたりとも防災をやっているというのはなかなかないので、「その思いを一緒にやっていきましょう」ということですぐ決まりましたね。
KAZZさん:
決まりました。兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科は人と防災未来センターという所にあるのですが、次の日にその隣にあるJICAの食堂で石田さんを口説きました。
石田さん:
手が早いです。
KAZZさん:
そうです。次の日でした。
■石田さん「音楽の力を実感した石巻市での演奏」
「#スライド」
石田さん:
1.17から綿々と続いてKAZZさんの今があることをみなさんにお聞きいただきました。次に僕自身の話をさせてもらおうと思います。僕は当時、北区に住んでいました。同じ神戸に住んでいるのですがあまり大きな被害がなかったので、先ほども「被災した」と紹介されましたが「本当に被災したと言っていいのか」という、どこか後ろめたさみたいなものがずっとあります。もちろん電気やガスが止まったり、家の中の物がぐちゃぐちゃになったり怖い思いはしました。でも「本当に大変だった人たちに比べれば全然、僕はなんてことなかったな」という中で「神戸」とひとくくりにされて、今でもそうですが、いろいろな所に行って「どこから来られたのですか」と聞かれて「神戸から来ました」と言ったら「あのときは大変でしたね」とねぎらいの声をかけていただきます。
当時、僕は中学校の生徒会長に就任したてのときで、「最初に何をしようか」というときに地震が起きて学校が休みになり、「休みの間、生徒会で何かできることを考えよう」と言って街頭募金をしました。それが生徒会の初仕事になりました。その後、被災した中学校に行ってお手伝いをさせてもらったり、自分たちの学校のまわりにできた仮設住宅に引っ越してこられた方々に少しでもリフレッシュしてもらえたらということで文化祭の案内を戸別配布したり、今にして思えばそういう活動が僕のボランティアの原点です。「日本のボランティア元年」と呼ばれるくらいたくさんの人たちができることをいろいろ考えてやったと思います。
「#スライド」
石田さん:
それが原体験となって、その後、僕はシンガーソングライターとしてひとりで音楽をやってきたのですが、その中に震災のときの思いを盛り込んで活動してきました。ただKAZZさんと同じで、僕も「伝えていくのは本当にむずかしい」と思っていました。そんな中で起きたのが(2011年)3月11日の東日本大震災でした。
「#スライド」
石田さん:
ずっと心の中に(あった)後ろめたい気持ちと、今度こそ現地に行って役に立ちたいという思いから、震災の2カ月後に初めてボランティアに行きました。「神戸の人間として1回行っとかなあかんやろ」という気持ちがいちばん大きかったです。だから「1回行けばちょっとすっきりするのかな」というのも正直に言うと思っていました。
「#スライド」
石田さん:
行かせてもらった宮城県の石巻市で、最初は泥かきの作業や物資の配給、炊き出しのお手伝いをさせていただいたのですが、その合間に「石田さん、よかったら慰問演奏もしませんか」と言っていただきました。実はギターも持って行ったのです。でも、泥かきや物資の配給は絶対役に立てると思えるけど、「慰問演奏って本当に喜んでもらえるのかな。それが本当にいいことなのだろうか」と考えたときに怖くなりました。「自分はたいした被災経験をしていなくて、果たしてこういう場面でどんな歌だったら喜んでもらえるのだろうか」「そもそも歌いに行くことは正しいことなのだろうか」、そういうためらいの中でめちゃくちゃ迷いに迷って…。結局、何を歌えばいいかわからなかったので、そこにいらっしゃるみなさんに「ごめんなさい、今日、神戸から歌いに来たのですが、何を歌っていいかわからないまま来てしまいました。ただ、今日は古今東西のいろいろなヒット曲が入った歌集を持ってきたので、よかったら今、聞きたい歌があったらリクエストしてくれますか。もちろん全部知っているわけではないから(知らない曲は)伴奏だけやりますので、もしよかったら一緒に前で歌いませんか」と言ってみなさんに前に出てもらいました。
「#スライド」
石田さん:
最初はみなさん恥ずかしそうにしていたのですがだんだん打ち解けていき、最後にはこのスライドに映っているような感じで横の人同士、肩を組んで大合唱してくれました。「恥ずかしながら、僕がいちばん、音楽の力をわかっていなかった。音楽ってこんなにすごいんだ!」ということをこのときにいちばん体験しました。きっとそれはKAZZさんが元町の元気食堂で味わった思いとどこか共通する部分もあると思っています。
「#スライド」
石田さん:
当時の(宮城県)女川町の中心部の様子です。町の高台から見下ろすとこんな感じでした。
「#スライド」
石田さん:
拡大してみますと、3階建てのビルの上に車がひっくり返って載っています。少なくともこの高さまで津波が来ました。女川町では最大17メートルの津波が来たと言われています。
「#スライド」
石田さん:
本当に大変なことがあったということをみなさんも報道でよくご存知だと思うし、行かれた方も多いと思いますが、そこでの教訓として「津波てんでんこ」という言葉があります。「津波のときはてんでんバラバラ、とにかく自分の命をまずは守りなさい。みなさんが自分の命をまず守れば、結果的に全員助かる」と(いう言葉です)。「家族のことが気になる」「職場のことが気になる」と引き返した人たちが多く犠牲になってしまいました。みんなであらかじめ「逃げるんだよ」とコミュニケーションを取って分かち合ってさえいれば、みなが助かるはずなのです。これをもっと伝えたい。女川町が17メートルの津波、次に来る南海トラフ地震は最大34メートルの津波ということは、きっとまた同じような大変なことになります。なんとか伝えたい。そこで歌を通じてそのメッセージを正しく伝えていけないか、そういう思いから僕は防災士の資格を取り、ひょうご防災リーダーになり、人と防災未来センターでもよく歌わせていただいていました。そんな中で教授の引き合いがあってBloom Worksの誕生ということになったわけです。ふたりのなれ初めをお聞きいただきました。ありがとうございます。
KAZZさん:
ありがとうございます。
石田さん:
次に、いろいろな思いが詰まった曲を聞いていただきたいと思います。僕は毎月通い続けてもう70回以上、同じ場所に行っているのですが、何回か行っているうちに「石田君、私たちが元気になれるような歌を作ってよ」と言われました。ただ、僕は何を歌えばいいかわからなかったので、みなさんに例えば「こんなことができたときうれしかった」「こんなことをがんばってきた」ということをひとことずついただきました。そういうひとこと、ひとことをつないで、つないで作った曲です。去年はふたりで一緒に石巻に行って歌わせてもらった曲を聞いてください。『やっぺす! 石巻』。
「#パフォーマンス 『やっぺす! 石巻』」
「#拍手」
石田さん:
どうもありがとう。
KAZZさん:
ありがとうございます。
■シムル島民の命を救った歌
「#パフォーマンス 『LIFE』」
「#拍手」
石田さん:
どうもありがとうございます。ちょっとまじめな曲で『LIFE』という曲を聞いてもらいました。まさに「命を守りたい」という思いで活動していますが、ただ、そんな大それたことを言っても「音楽で本当に人は救えるのか」、これは自分たちにとっても重い問いではあります。
そんな中、あるひとつのヒントになるようなできごとがありました。去年、インドネシアのスマトラ島沖地震の被災地であるアチェ州まで飛行機を何回か乗り継いで行ってきました。スマトラ島のすぐ近くにシムル島という離島がありまして、そこに行った様子をムービーにまとめました。どんな所かご覧ください 。
「#ムービー」
「#スライド」
石田さん:
シムル島は震源のすぐ近くです。スマトラ島沖地震全体では20万人以上の方が犠牲になるという大変大きな被害が出たのですが、このシムル島は人口78,000人の島ですが犠牲になった方はわずか7名、ほとんどの人が助かったということです。それはなぜかをあとでひもといていきますと、なんと100年前に来た津波の教訓を代々歌い継いでいて、「地震の後、津波が来るからみんな高台に逃げなさい」とふだんからみなさん、口ずさんでいたということなのです。それで地震が起きたときも、調査によると8割以上の方はすぐにこの歌を思い出して、結果的にみんな助かったと言われています。
「#スライド」
石田さん:
「どんな歌なのだろう。ぜひ見に行きたい」ということでアチェまで行かせていただきました。これは津波の後のシムル島の様子です。そこに行くまでにもいろいろな遺構を見せてもらいました。
「#スライド」
石田さん:
船が載っている所とか、
「#スライド」
石田さん:
この津波博物館でもコンサートをさせていただきました。音声だけ出るかな。
「#ムービー」
石田さん:
こんな感じで、画面が揺れ揺れですが、津波博物館ではみなさん、すごく盛り上がってくれました。
「#スライド」
石田さん:
向こうの新聞にも記事を載せていただきました。今日、持ってきたのでよかったらご覧ください。
「#スライド」
石田さん:
発電船が陸に打ち上げられて、それが遺構として残っている所でもコンサートをさせていただきました。なかなか日本人のアーティストとしてできる場所ではないということで貴重な機会でした。
「#ムービー」
石田さん:
シムル島で実際にこの歌を聞かせてもらったときの様子です。学術的にも貴重な映像を取ることができたのですが、いわゆる民族音楽です。僕たちはもっと、日ごろから口ずさめるものと思っていたので。
KAZZさん:
最初のうちは子守歌みたいな、伝承なのでやさしくてきれいなメロディーだと思っていたのですが。
石田さん:
ちょっと思っていたのと。
KAZZさん:
全然、違いました。
石田さん:
びっくりしました。ただ、現地の人たちはこれがカルチャーだということで、これが浸透していたのです。あとに入った日本人の研究者の方々から「これは現地の島だけの言葉なので、インドネシアの公用語に置き換えて、そのエッセンスをわかりやすいメロディに乗せてもっと広めよう」という新たな取り組みが生まれました。
「#ムービー」
石田さん:
その前に僕たちのセッションもこういう所で一緒に。こんな感じで、まさしく異文化交流です。
KAZZさん:
民族音楽との交流です。ドンドコドン。
石田さん:
楽しかったですね。
KAZZさん:
楽しかったです。
石田さん:
そこでもみなさんにメッセージをいただきました。その後、ポップにアレンジされた、それこそ子守歌のような歌も聞かせてもらいました。
「#ムービー」
石田さん:
きれいなメロディですよね。この後に「津波」という言葉が出てきますので注目して聞いてください。
「#ムービー」
石田さん:
こういう美しい歌になって、今、世界に広めようという取り組みがあるのですが、ほかの人たちは知らないので、僕たちでこういったことをみなさんにも紹介していきたいと思います。これは『スモン』という歌ですが、現地でもともとスモンをしておられる方々にも一応、「形を変えて広がっていくことはいいのですか」と聞きました。
KAZZさん:
『ナンドン・スモン』という曲はその方々が継承されていくので、「違う形で広がっていくことをどう思いますか」と(聞かれたら)、僕は絶対、怒って「それはいやだ」と言うと思ったのです。違いました。「形は違えど、そのメッセージが届くならいいと思う」と。「これだな」と、「防災の基本はこういうことではないか」と(思いました)。歌がどんな形であれ、そのメッセージが届くことの方が大切だということを教えていただきました。
石田さん:
そんなわけで僕たちは今、「日本で広まるような曲って何だろう?」ということを考えながら、日本語と英語で曲を作ることにチャレンジしています。そして、そのためのヒントとしてみなさんの想いを寄せ書きでフラッグに書いていただいています。今度、4月11日に防災の音楽フェスをするのですが、そのときにみなさんからいただいたその思いを受け止めて曲を披露したいと思っていますので、ぜひみなさん、よかったら今日、お帰りまでにメッセージを寄せていただければうれしいです。ぜひご協力いただきまして、4月11日もフェスに遊びに来ていただきたいと思います。
次の曲ですが、僕たちも実は「津波のときはとにかく高台に向かって一生懸命走るんだ」というメッセージを込めて作った歌があります。その歌を一曲、聞いていただこうと思います。
「#パフォーマンス 『Run & Gun』」
「#拍手」
石田さん:
ありがとうございました。
KAZZさん:
ありがとうございました。
石田さん:
『Run & Gun』という曲を聞いていただきましたところで、先ほど少ししたフェスの話をみなさんにも知っていただきたいと思います。今日はみなさん、KIITOにお集まりですが、(KIITOの)すぐ近く、道を挟んでお隣にみなとのもり公園があります。そこで音楽でもっとハードルを下げて、防災のことを誰でもできるものにしていこうという思いを込めてみんなで様々な工夫をしているのですが、これを語るには時間がちょっと(足りない)ですね。
KAZZさん:
そうですね。
石田さん:
この後、2部でみなさんからの質問にお答えするコーナーを設けていただいていますが、トークはそこでさせていただく形にさせてください。みなとのもり公園は広域避難場所にもなっていて、さまざまな防災の機能も備わっているのでぜひみなさんに知っていただきたいし、そういうことを体験できる貴重な日にもなりますので後でたっぷりご紹介させていただこうと思います。それでライブをこのままガンガン盛り上げていきたいと思うのですが、みなさん、もっともっと盛り上がっていただけますでしょうか!
「#拍手」
KAZZさん:
ありがとうございます。
石田さん:
ありがとうございます。
KAZZさん:
僕たちの後ろにモニターがあるので、(みなさんは)ステージを見てくれていますが、ずっと目がモニターに行っていて、それもまあいいかなというところはありますが、僕たちもたまに見てくれたら感情もグッと入るので、たまにでいいですよ、ちゃんと見てくださいよ。
石田さん:
フェスの会場に安全の鐘というのがあって、5時46分で止まった時計台の下に鐘がついているのですが、僕たちのフェスはそれを鳴らして始まる形でやっています。その始まりの鐘をみんなで鳴らしましょうという歌をやりたいと思います。
「#パフォーマンス 『ハジマリの鐘』」
石田さん:
ありがとう!
KAZZさん:
ありがとうございます!
「#拍手」
石田さん:
神戸学校、本当にみなさんとともに最高にあたたかい時間を作っていただきました。ありがとうございます。
KAZZさん:
ありがとうございます。
石田さん:
まさにこういう人と人との顔の見える間柄で、今日は音楽で心のキャッチボールができたと思います。こういう関係を作っていくことがいざというときの助け合いにもつながっていくと思います。これからも神戸から世界に向けてネットワークを広げていきたいと思っています。今、歌ったこの『ハジマリの鐘』という曲がテーマソングとなって、神戸市と兵庫県立大学の共同プロジェクトとして様々な人たちが語り部となる1.17のアーカイブのサイトが立ち上がりました。よかったら神戸市のホームページの中で検索してください。僕たちの PV も出ていますのでぜひご覧いただきたいと思います。次の曲が第1部は最後の曲になりますが、ほら、ちょうど「あと5分です」と(カンペを)出していただきました。素晴らしいです。
KAZZさん:
きっちりいい仕事をされています。ありがとうございます。
石田さん:
最後の曲は、これだけあたたまったのでキャッチボールもしっかりできるだろうということで、コール・アンド・レスポンスの曲をやろうと思います。サビのところで僕が「ウォー・オー! 」と歌ったら「ウォー・オー! 」と山びこみたいな感じで返してください。OKですか。ちょっと練習する?
KAZZさん:
しましょう。ワン、トゥー、スリー、フォー
石田さん:
僕らはずっと生きていくんだ
何があっても生きていくんだ
ウォー・オー!
はい!
お客さま:
ウォー・オー!
KAZZさん:
素晴らしい。
石田さん:
もうでき上がっていましたね。
KAZZさん:
全然いけます。
石田さん:
さすがです。
KAZZさん:
ありがとうございます。
石田さん:
ありがとうございます。では、僕たちが最初に一緒に作った思い入れのある『プロムナード』という曲をやりたいと思います。神戸学校、ステージフェリシモにみなさんの歌声を響かせてください。『プロムナード』。
「#パフォーマンス 『プロムナード』」
石田さん:
いくよ!
「#お客さまとのコール・アンド・レスポンス」
KAZZさん:
すごい、すごい、すごい!
石田さん:
ステージフェリシモ! ありがとうございました!
KAZZさん:
ありがとうございました。いきますよ!
石田さん:
みなさん、絶対にまた
Bloom Worksさん:
笑顔で会いましょう!
石田さん:
Bloom Worksでした。どうもありがとう!
KAZZさん:
ありがとうございました! また会いましょう!
第2部
フェリシモ:
2部もどうぞよろしくお願いいたします。
石田さん:
よろしくお願いします。
KAZZさん:
お願いします。
フェリシモ:
第2部ではお客さまからいただいたご質問にお答えいただきます。早速ですが、いただいたご質問の中からいくつか私が代読いたします。まず、「KAZZさんは動画でもポスターでもブルーのベストですが何か意味があるのですか」。BWさまよりのご質問です。
KAZZさん:
ハハハ。
石田さん:
これには深い意味があるのですよね。
KAZZさん:
ありがとうございます。意味ですか。防災に関する何かを言いたいですけど、ないです。インドネシアにもこのブルーで行って、すごく目立つので。
石田さん:
目立っているし似合っています。僕もこのベストは大好きです。ブルーは人の心を落ち着かせる色だそうで、よく盗難がある商店街や自転車置き場の照明を青色に変えるとそれが減ったという話もニュースで聞いたことがあります。
KAZZさん:
そうですね、ブルーシートもブルーですからね。
フェリシモ:
ハハハ。
KAZZさん:
ごめんなさい、こういう笑いの場ではないですね。好きでやっているので意味はなくて、自分でかっこいいと思っています。
フェリシモ:
ありがとうございます。
石田さん:
僕も安心しています。
KAZZさん:
すみません。
フェリシモ:
では、次の質問に参ります。*ヒロプリン*さまより「防災士とは何ですか」というご質問です。
石田さん:
これは民間の日本防災士機構というところが作った規格です。今日、テキストを持ってきていますが、普通はこのいちばんぶ厚い『防災士教本』を勉強して、全国の会場で行われている講義を受けて、そのあと試験を受けます。
KAZZさん:
これを一冊覚えたらいいです。
石田さん:
試験はマークシートなので関心を持って勉強さえすればきっと合格できると思います。KAZZさんはたまたま日程がなくて名古屋で受けたのですよね。
KAZZさん:
名古屋です。全国どこでも受けられます。ただ、最近、防災士を受ける方がものすごく多くて、もしかしたら1年、半年くらいまでは日程がうまっているかもしれません。
石田さん:
これだけ災害が多いので関心を持っている方も非常に増えてきています。学校の先生で防災担当の方、企業でBCP(Business Continuity Plan 事業継続計画)や危機管理を担当されている方、行政の危機管理担当の方、防災を学びたいという高校生も受けていますので、みなさんもよかったらぜひチャレンジしていただきたいと思います。防災士になったからといって、何かお金になるような、プロフェッショナルの職業があるのかというと決してそうではなくて、培った知識を地域の防災の中で生かしてくださいという、地域のリーダーを作る感じです。だから「防災士になったから何かができる」ではなくて「防災士になったことを何に生かそうか、どうするか」が求められるということです。
KAZZさん:
僕たちの場合は音楽を通じてですが、だから防災士になってもいろいろ違います。講演会をすることもそうで、「防災というのはこういうことです」という啓発活動も防災士の仕事のひとつです。
石田さん:
僕はひょうご防災リーダーの養成講座を受けました。それは兵庫県三木市にある兵庫県広域防災センターで半年間くらい研修をします。兵庫県独自のプログラムで、もちろん講義もありますが放水訓練やAED講習、地域の防災の取り組みのインタビューをしたり、避難所のシミュレーションのボードゲームをみんなでやったり、みっちりとふだんできないような経験ができます。なおかつ兵庫県民なら無料で受講できます。受講が終了したら防災士の試験を受ける資格も得られます。なので、防災士の講習を受ける日程や金額が合わない方はそれを受けていただくと無料で受験資格を得られます。よかったらひょうご防災リーダーを検索してみてください。
フェリシモ:
ありがとうございます。私も受けてみたいと思っています。
KAZZさん:
ぜひ。
石田さん:
防災担当でいらっしゃいますから。
フェリシモ:
はい。
KAZZさん:
防災飲みとかしたいですね。
石田さん:
防災飲みとは。
KAZZさん:
防災士同士で飲むと朝まで飲めるというですね、やっぱり防災って生きるということなので、お互い熱いので「いや、これはこういうことだよ」「こう思うんだよ」と言っていたら朝になっているという。よろしければ。
フェリシモ:
ぜひお願いいたします。
KAZZさん:
はい。