群馬の刺繍工房が作った 糸の宝石の耳飾り〈シルバー色〉
お申し込み番号:Z48047
1組 ¥4,900 ( +10% ¥5,390 )
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刺しゅうと織物の聖地「桐生」へ
刺繍メーカー「笠盛」は、創業145年の歴史を持つ老舗。その高い技術を生かし、オリジナルのアクセサリーブランド〈000/トリプル・オゥ〉。を展開しています。今回はその本拠地である群馬県桐生市に、日本職人プロジェクトメンバーの山猫とNISHIYANが行ってきました。できる限り製作の現場を訪ね、作り手の方が毎日目にしている風景の中でお話を聞くのが山猫のポリシー。全国各地を飛び回るプロダクトデザイナーの片倉洋一さん&ナイススマイルな営業の新井さんと、山猫&NISHIYANの予定が合う日がわずか1日しかなく、弾丸日帰りの取材ツアーとなりました。
新大阪から新幹線で東京へ。そこから東北新幹線に乗り換え、桐生へ到着。片道5時間の道中も、山猫とNISHIYANは日本職人プロジェクトの話をしています。(オフィスも隣の席なので、普段と同じ感じ)
群馬県桐生市は古くから絹織物の産地として知られ、「西の西陣、東の桐生」と謳われたほど。渡良瀬川と桐生川の2つの川に囲まれ、水路が発達したことで、機屋や染物屋などの織物業が栄えてきました。「桐生織(きりゅうおり)」を始めとした多くの製品を生み出し、織物とともに発展したまちです。
駅のまわりは遠くに山も見え、広々とした町並み。少し歩くと、刺繍のお店などもありました。NISHIYANが事前に調べてくれた古きよき定食屋「五十番」さんで昼食を済ませ、いよいよ取材スタートです。
NISHIYANはカツ定食、山猫は野菜山盛りのタンメン。どちらもとても美味しかったです。 (普通サイズでボリュームたっぷり。たくさん食べる二人だけど、普通サイズで満足度200%)
伝統の笠盛が見出だした「糸の宝石」
まずお邪魔したのは、〈トリプル・オゥ〉の製品デザイン、製造、一部販売も行っている「カサモリパーク」。ここは、いわば〈トリプル・オゥ〉の心臓部。デザイン系専門学校や、美大の学生さんが見学に来ることもあるそうです。
「カサモリパーク」の入り口にはうれしいウエルカムボードが^^。ブランドディレクター兼プロダクトデザイナーの片倉洋一さんが、にこやかに迎えてくださいました。
笠盛の創業は1877年(明治10年)。着物・和装帯の織物業から始まって刺繍業に転身、その高い技術で製作した刺繍パーツは、海外のハイブランドにも使用されています。刺繍メーカーとして培った技術や経験を生かして、2010年に立ち上げたのがオリジナルブランド〈トリプル・オゥ〉。糸を貴金属や宝石のように変身させ、独自のアクセサリーを展開しています。
ブランドをすべて統括しているのは、ディレクター兼プロダクトデザイナーの片倉洋一さんです。大学卒業後に渡英してテキスタイルデザインを学び、その後5年にわたってロンドンに滞在。日本に帰国後はフリーランスのテキスタイルデザイナーとして、オーダー作りをメインとしたクチュールワークを中心にプリントや刺繍などのデザインを手がけ、ロンドンのエージェントを通して販売していた経歴をお持ちの方です。
ゼロが3つ並んだ〈トリプル・オゥ〉というブランド名は、「ゼロにリセットする」という意味から。これまでの刺繍の既成概念にとらわれない新しいものづくりするという、マニフェストのような想いを込めて名付けたそうです。3つのゼロには、「技術」・「素材」・「発想(デザイン)」という、最高の商品に絶対に必要な3つの要素をあらわしています。
入ってすぐに飾られていたのが、ブランドを代表するアイテムたち。そして、刺繍の会社としてスタートし、〈トリプル・オゥ〉というアクセサリーブランドができるまでが一目でわかる年表がありました。(笠盛さんはなんと創業145年!!すごい歴史です)
〈トリプル・オゥ〉のアクセサリーの特徴は、球体に近い珠を刺繍糸で生み出すこと。平面に刺すことが基本の刺繍を、立体である球体に仕上げることはとても難しく、試行錯誤を重ねてようやく完成に至ったそうです。
刺繍の機械から生まれる結晶は「芽吹き」
実際に工場を見せていただくと、ずらりと並ぶ刺繍専用機。デザインをプログラミングし、何台もの刺繍機で同時に刺繍をしていきます。
「なぜ刺繍糸で立体が作れるか」という秘密はここ。「水溶性の不織布」という特殊な布に刺繍を施し、刺繍が完成した後はお湯で不織布を溶かすと、糸が立体として残ります。これが、糸で立体アクセサリーを生み出す笠盛さん独自の技術です。
専用の刺繍機を操るスタッフの皆さんは、パソコンのモニターを見ながら細かいデザインサンプルを作る方、下糸の調整をする方など、さまざま。糸の素材や太さにあわせてミシンの調整が必要なうえに、天候や湿度の影響も受けやすいため(刺繍の土台が薄い不織布なので、とにかく水分に弱いそうです)、スタッフの皆さんは付きっ切りで確認しながら作業されます。
皆さんの真剣な仕事ぶりと共に、服装がとてもお洒落でびっくり。ファッションアクセサリーのブランドとして展開しているので、自己表現を楽しめるよう服装は自由にされたとのこと。とてもお若い方も多く、新鮮な感性がこのブランドの魅力と感じました
私たちから見ると美しい仕上がりのものも、スタッフの方は「これはもう少し上手くできるように、やり直しですね」「イメージと違ったのでもう少し粘ろうと思います」とおっしゃるのに驚きました。皆さん、中身はバリバリの職人さんです。
片倉さんによると、デザインチームが生産ラインのすぐそばにいることで、修正の指示や生産上の課題をすぐ相談できるのがメリットとのこと。コミュニケーションが円滑になり、全員のスキル向上につながっているそうです。一人ひとりが常に向上心をもってモノ作りに取り組む環境と、それを実行されるスピード感、それがブランドの良さだと感じました。
生産ラインのすぐ横に、デザインチーム・広報・営業スタッフのデスクがあります。営業とデザイナーが近いことで、実生産に向けた打合せがとてもスムーズ。写真は広報・WEBスタッフさん。現場から上がってくる新作をオンタイムで確認されています。
不織布が溶けると、美しい立体が出現。
刺繍が完成したら、水溶性の不織布を溶かす工程へ進みます。実はこの「洗い」の工程は、すべてスタッフさんが手作業で行っています。溶けた不織布の糊っぽさが残らないように、素手で確認しながら、しっかりと。「刺繍の土台がなくなる」という緊張の場面だけに、人の手で丁寧に仕上げられています。
お湯でじっくり丁寧に不織布を溶かした後は、アクセサリーの水を切り、よく乾燥させていきます。ここで登場するのは「バキューム」と呼ばれるテーブル。本来は布をアイロンがけする際にシワなくピタッとさせるためのものだそうですが、そこに置くと早く乾くことがわかり、今ではアクセサリーの乾燥に使用されているそうです。
そして最終は検品。こちらもひとつひとつ丹念に、専門のスタッフの皆さんが確認していきます。私が見る限りだと、、どれもいい出来!?と思うのですが「ええ、もう少しでOKなものもあるのですが、気になるものはすべていったんチェックし、綺麗に仕上げ直せるように心がけています」とおっしゃっていました。ほとんどの作業を自社ですることで、品質を高いまま維持できているのもこだわりのひとつのように思いました。機械による精度の高い仕事と、手作業による細やかな仕事。その両方が合わさって、〈トリプル・オゥ〉のアクセサリーが生まれていることが、よくわかります。
もうひとつ、とても興味深かったのが材料。できる限り、桐生のコミュニティーから派生する、日本製の素材にこだわっているそうです。なかなか難しいリクエストのオーダーも、同じ桐生の糸メーカーさんだと融通してもらえることもあるとか。心意気を共にする同郷の仲間とのモノ作りだからこそ、唯一無二の桐生オリジナルが誕生します。山猫もお話していて常に「人」や「想い」を大切にしているブランドだと感じる点が多かった印象。そういった特別な想いがしみこんだ材料だから、また仕上がりへのこだわりも生まれるように感じました。
「らしさ」を探求しながら
丁寧に〈トリプル・オゥ〉のモノ作りを教えてくださった片倉さん。なぜ〈トリプル・オゥ〉のモノ作りに心惹かれたのか、その素晴らしさがとても伝わる出張となりました。
未来のブランドイメージを語ってくれた片倉さん(目がキラキラ)。そして写真中央が、営業の新井さん。すべてのご縁をつないでくれたキーパーソン。
片倉さんのお話の中で、山猫がとても好きな言葉があります。それは、「“桐生らしさ”“笠盛らしさ”を追求していく」という言葉。「新しいものをクリエイトしていく上で、理想の人物の『笠盛人(かさもりじん)』としての振る舞い・所作をすべてにおいて体現していきたい。その上で必要なスキルを見つけながら、ブランドの目指すべきシーンにたどり着いていきたい!」そう熱弁する片倉さんに、とても感銘を覚えました。そして、「“ワクワクドキドキ”しながらブランドをどんどん展開していくことで、ブランドのミッションが自然と伝わっていくと思います」と語られる片倉さんの笑顔が印象的でした。
〈トリプル・オゥ〉のブランドミッションを、「僕たちの技術と発想で“日常を豊かにする”こと」と語った片倉さん。刺繍メーカーとして培った技術や歴史は大切にしながらも、作る人・使う人・関わる人が優しさを感じられるような事業を、常に一番に考えて進んでいきたいとおっしゃいます。「刺繍だけにとどまらず、新しい市場を開拓しながら、繊維業界全体が発展につながることをやっていけたら」という言葉に、またしてもワクワクする山猫でした。
取材の後に立ち寄らせていただいた笠盛さんの本社では、〈トリプル・オゥ〉の商品ラインナップが綺麗にディスプレイされ、二階には笠盛が積み重ねてきた刺繍ワークのファイルがぎっしり。山猫はじっくり時間をかけて一冊一冊、拝見したいなーと思いながらも、残念ながら時間切れとなってしまいました。
取材でいろいろ感じたことがらは、今後のブログでまた紹介していこうと思います。どうぞ、これからの日本職人プロジェクトと〈トリプル・オゥ〉の取り組みを楽しみにしていてくださいね。
きらりと揺れて、横顔を印象的に。
小さな糸の珠をリング状に並べた耳飾りは、ピアスとイヤリングの2タイプ。金銀糸と呼ばれるメタリックな糸を使っているので、耳もとできらりと輝きます。金属と違ってとても軽いので、着け心地も快適。揺れるデザインでもストレスなく、ほどよい大きさで、横顔を印象的に彩ります。
上品な輝きのシルバー色は、洗練された大人の雰囲気。どんな装いにも合わせやすく、冬の着こなしに美しく映えます。ラフな着こなしはもちろん、スーツなどかっちりとしたスタイルにも。いろんなコーデに似合う、合わせやすさも魅力です。
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