[2023/11.28]
ふるさと!いいもの探訪
りんご産業のピンチを救う!
密閉搾りへの挑戦
青森のりんごジュース編.2
りんごをまるかじりしたかのようなすっきりとした後味が楽しめるりんごジュース「希望の雫」の秘密は、特殊な製法「密閉搾り」にあります。開発には、青森のりんご産業に訪れたピンチが大きく関係しているのだとか。
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社会人2年目/みう
しっかりした後輩。オトクに暮らしたいが、誰かを悲しませてまで自分だけ嬉しいようなことはしたくない性格。
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社会人6年目/ぴーち
のほほんとした先輩。旅行好き。
すっきりした後味を実現する、
特別な製法「密閉搾り」
「希望の雫」の、新鮮な香りとほっとする甘さなのにすっきりとした味わいは、どうやって実現しているのでしょうか?
それは、「密閉搾り」という製造方法が大きなポイントです。空気にふれさせず密閉した装置の中でりんごを搾ることで、酸化を抑制するための酸化防止剤(ビタミンC)を入れる必要がない製造方法です。酸化防止剤(ビタミンC)を入れると、どうしても後味が変わってしまいます。
希望の雫の後味はさらっとしていて特徴的ですよね。ほかのりんごジュースでは、口の中に酸っぱさや、ねとっとした甘さが残ることがありますが、それが無いので何度も飲みたくなります。
りんごをそのままジュースにすることが、開発時のコンセプトでした。青森県のりんごを、ジュースで一年中味わっていただきたいです。年や時期によってりんごの風味が変わるため、その都度、搾った果汁のブレンドを調節しています。ワインのように、その年の味があり面白いです。新しい年のりんごに材料が変わった時期に「味が変わりましたね」とお手紙をいただくこともあるのですが、繊細に味わっていただいていると感動します。
この製造方法を開発するきっかけは、何かあったのでしょうか。
きっかけは、平成2年のりんご果汁の輸入自由化です。自由化が決定した際、海外から安いりんご果汁が輸入できるようになる。そうなれば、高い国産のりんご果汁は消費者に選ばれなくなる、と青森県のりんご産業に携わる、JAグループのみんなが危機感を抱いていました。
味が同じなら、安い方を選ぶという人は多そうですね。
そこで、高品質な製品を作らなければいけない、と全国のJAグループの飲料に携わる技術者が青森に集められました。今は代表理事会長である小笠原さんも、その時は一技術者としてその課題に向き合いました。
私は父親もりんご農家で、青森県のりんご産業を絶対に残していきたいという気持ちがありました。青森の人は、美味しいりんごを食べて欲しいと思って作っているし、りんごジュースを作るとしても、クオリティの高いものをという気持ちがありました。父親の勧めで、短大で食品加工を勉強したこともあり、果汁の加工に取り組みました。
「りんごそのまま」開発のヒントになったのは?
開発が行き詰っていたとき、ある消費者の方に言われたことがあります。「私たちが果物のりんごを食べるときには、ビタミンCを振りかけたりしないのに、なぜジュースには入れるの?」
ジュースに酸化防止剤を入れることは、わたしたち技術者にとっては常識でした。しかし、消費者にとっては不自然なことだった。消費者にとって自然なジュースを作りたい、そんな思いで開発を進めました。機械ができ、納得のいくクオリティに到達するまでは10年以上の月日がかかりました。
JAグループの人たちの、青森県のりんご産業存続への想いが詰まった製造方法が「密閉搾り」なのですね。ピンチを脱出するために必殺技を考えるようなイメージですね。
完成までに10年もかかるなんて、途方もない開発だったのですね。
そうして発売したのが、「旬の林檎」です。
あれ、希望の雫ではないのですか?
希望の雫は、平成20年に起こった「降霜降ひょう」被害を受けたりんごを活用するジュースとして生まれました。
霜・ひょうの被害からたちあがる!
青森の希望が詰まったジュース
その年のりんごは霜やひょうの被害をうけ、生食用として出荷できないものが多くなりました。りんご農家さんは、出荷できなければその年の収入は減ってしまいます。一年働いたのに収入が無く、せっかく作ったものを食べてもらえなかったショックで、農家さんが辞めてしまうかもしれません。
また、青森県のりんご産業にピンチが訪れたのですね。
丹精込めてつくったりんごを食べてもらえず、収入も減ることから、もう農家を辞めたい。そう思ってほしくなくて、出荷できないりんごを全部アオレンが買い取ることにしました。自分たちにできる一番高品質な製法、密閉搾りで加工し、付加価値をつけて販売することで、農家さんへ還元し、翌年以降も「希望」を捨てず農業を続けてもらいたいというエールを込めました。商品名の「希望の雫」の由来はそこから来ています。集まったすべてのりんごを搾ったら、2年は保ちそうな量の在庫が、アオレンの倉庫に積みあがりました。
発売したら、全国のお客様が青森県を応援してくれました。メディアに取り上げられたこともあって、希望の雫の在庫は1年ですっかり倉庫からなくなり、終売しました。
JAアオレンさんの、青森県のりんご農家さんを勇気づけたいという思いが、全国のお客様の胸をうったのですね。
ありがたいことです。そして、終売後、お客さまからの「希望の雫はもうないのですか」という声が、小売店から卸店、そしてわたしたちJAアオレンに、どんどん伝わってくるようになりました。売り切れてすぐから、半年たってもその声は途切れることが無く、ついに私たちは「希望の雫」の再販を決めました。
その時の再販から、2023年の現在に至るまで、「希望の雫」は作られ続けているのですね。
青森のりんご産業を支える
はい。わたしたちの存在意義は、農家さんに農業を続けていただくことです。一所懸命作られたりんごが、生食用として売れなかったとしても、ジュースにすることで全国の消費者に届け、また来年も農業をつづけられるようにサポートしたいと思っています。その考えから、今はより多くのものを商品化できないか、可能性をいろいろと探っているところです。たとえばこちらは、りんごジュースの搾りかすを乾燥させたもので、鶏や牛のえさとしても利用されているのですよ。
木くずのように見えますが、りんごなのですね! 捨ててしまうはずだったりんごからジュースを作り、またそのジュースの搾りかすから何かを作ろうとするなんて、ほんとうに青森県のりんごを大切に思われているのですね。
買い物は投票であり、応援
青森県のりんご産業にピンチが訪れたとき、JAアオレンの小笠原さんをはじめ、青森のJAグループの人たちが一丸となって打開策を考えてきた歴史のなかでうまれたのが、希望の雫というジュースでした。蜜の詰まったりんごをそのまま飲んでいるような、ぜいたくなりんごジュースの裏側にはそんなドラマティックな誕生秘話があったとは。青森県のりんご産業を応援するという意味でも、選びたいりんごジュースですね。
わたしもすっかり青森県が好きになりました。味わいももちろん素敵な価値ですが、それ以外にも地域の課題を解決していることや、青森のりんご産業のピンチを救ってきたストーリーなどを伺って、ジュースを飲むことで応援したいと思いました。まずはふるさと納税で注文します!
次回は、青森のこのごろ世代に、今感じていることをインタビューします!
『希望の雫』プレゼントキャンペーン実施中!
今回ご紹介した『希望の雫』3本セットを10名さまにプレゼントいたします。ぜひこの機会にご賞味ください。応募方法はとっても簡単です!
【応募方法】※掲載している間は募集中
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以上です。
当選された方にはDMにてご連絡をいたしますので、おたのしみに♪