わたし何かしたかな……
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上司の不機嫌、もしかして私のせい?自責癖をやめるための考え方
毎日機嫌がちがう上司って、どの職場にもひとりはいるのではないでしょうか?
「ああ、今日は不機嫌だ……」となると同時に、「わたし何かしたかな……」と原因を探してしまう自責癖のある方がいらっしゃると思います。
この記事では、上司の機嫌が悪そうな理由を想像しつつ、自責癖を軽くするための方法をご紹介します。
上司の機嫌が毎日ちがいます……

社会人3年目のKさんは、密かに悩みを抱えています。それは直属の上司の機嫌に敏感すぎることです。
この日、朝から上司が険しい表情をしていました。Kさんが業務の進捗報告に行くと、上司は「わかった」とだけ言い、すぐパソコンに目を戻します。「え、なにかミスした?昨日のメールが変な書き方だった?何かクレームが入った?」不安がぐるぐると頭を巡ります。
ランチの時間になっても、気持ちは落ち着きません。食欲が湧かず、スマホでつい「上司 機嫌悪い 対処法」と検索してしまったり……。でも、上司の本当の気持ちはネットではわかりません。午後の会議でも上司は終始無表情で、ますます気になってしまいます。
結局一日中、上司の機嫌は悪いままでした。帰り道、Kさんは考えます。「毎日機嫌が違う上司のもとで働いて、顔色を気にするのにはうんざり」「いつも自分の中に原因を探してしんどくなるのもいやだ」。
Kさんのように悩んでいる方は少なくないと思います。では、どうすれば上司の不機嫌や自責癖とじょうずに付き合えるのでしょうか?
なぜ機嫌が悪そうなんだろう?
上司の機嫌が悪そうな原因は、主に3つ考えられます。
体調が万全でないから
上司も人間です。疲労が溜まっていたらイライラしやすくなります。頭痛や花粉症などの不調が出ていれば、仕事への余裕がなくなり、いつもより冷たい対応をしてしまうことだってあるはずです。この場合、「今日は調子が悪いのかな」と受け止めるだけで、自責の気持ちが少しらくになるでしょう。そうすれば、精神的ストレスを減らせるうえ、相手を思いやることにもつながると思います。
仕事で悩んでいるから
「業務が忙しくてキャパオーバーになっている」「重要な商談やプレゼンを控えて緊張している」など、上司も社会人としての悩みを抱えています。部下やチームを率いている人なら、「チームの成果が出なくてプレッシャーを感じている」「部下のマネジメントがうまくいかない」といった課題がある場合も。こうした悩みが積み重なると、不安や焦りが表に出てしまうかもしれません。とはいえ、それは上司自身の問題なので、必ずしも部下のせいではないのです。
プライベートでトラブルがあったから
「夫婦ゲンカをした」「子どもが反抗期で困っている」「親の介護で疲れている」……仕事は順調でも、プライベートのトラブルで気分が落ち込んでいる可能性も考えられます。そういうときは上司の不機嫌から距離をとるのが大切。「わたしが何かしたのかも」と自責しなくて大丈夫ですよ。
自責癖をやめるための考え方

最後に、自責癖をやめるためのヒントを3つご紹介します。
本当に自分のせい?
上司の機嫌が悪いと感じたKさんは「自分がなにかミスをしたのかな」と自責していました。でも、それって本当にKさんのせいなのでしょうか?自責癖が顔を出したときは、次のポイントを確認してみてください。
・自分に直接関係する出来事があった?
・上司は、自分以外の人にも同じ態度を取っているのでは?
・そもそも上司自身が機嫌の悪い理由を話していた?
どれにも当てはまらないなら、「それはあなたのせいじゃないよ」と自分に伝えてあげてほしいです。感情は本人がコントロールするものなので、「わたしはわたし、相手は相手」と境界線を引く意識がカギになります。
機嫌をとる義務はない
自責癖がある方は、相手の機嫌が悪いとつい「何とかしなきゃ」と考えてしまいがち。でも、あなたがその人の機嫌を取る義務はありません。上司の機嫌が悪いからといって、過剰に気を遣ったり、無理に話しかけたりすると、こちらが疲れてしまいますよね。むしろ割り切って自然体でいるほうが、相手にとってもポジティブな場合があります。
ガチャガチャを引く気分で
ガチャガチャって、何が出るかわからないランダム性が魅力ですよね。ハンドルを回すときのドキドキが癖になります(ガチャガチャ屋さんを見かけると、わたしはつい寄り道してしまいます)。そんな感じで、毎朝ガチャガチャを引く気分で上司の顔色をうかがってみるのはどうでしょうか?「わ、今日はダーク上司ちゃんか……そっとしておこう」「ハッピー上司ちゃんだ!仕事がスムーズに進みそう」そんなゲーム性を持たせたら、ちょっと心が軽くなる気がしませんか?
自責癖を手放すには、少しずつ考え方を変えていくことが大切です。
すぐにはむずかしくても、「いま自分を責めすぎていないかな?」と気づくだけでも、少しずつらくになっていきますよ。
この記事が、少しでも前向きに働くためのヒントとなりますように。
STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:ざざ(@zaza.hibi)