あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ

ティップス

マルチタスクが苦手です……要領のいい人が気を付けていることは?

「あれもやらなきゃ、これも終わってない……!」

仕事をすすめる中で、マルチタスクがうまくできず、「なんでこんなに要領が悪いんだろう……」と落ち込んでしまった経験はありませんか?

そこでこの記事では、マルチタスクが苦手な人の特徴と、要領のいい人が気を付けていることをご紹介します。一緒にお悩みを解きほぐしていきましょう。

マルチタスクが苦手です……

そもそもマルチタスクとは、複数の作業を同時に進めたり、短時間で切り替えながら進めたりすることを指します。「電話対応しながらメールを作成する」「会議に出席しながら議事録を取る」などがマルチタスクの例です。

でも、ひとつの仕事に集中しているときに別の仕事が発生すると、優先順位がわからなくなって何も手に付かない……なんて状態になってしまうこともありますよね。そんな中、マルチタスクが得意な人を見ると「もっと効率よく動かなきゃいけないのに」と焦るかもしれません。

ちなみにわたしもマルチタスクが苦手です。新社会人のころは「もっとがんばりたいのに、同時に色々やろうとすると、どれも中途半端になってしまう……」と自分をよく責めていました。

同じようにマルチタスクに不安を感じている人に伝えたいことがあります。実は、マルチタスクが苦手なのは能力の問題ではないんです。ある研究によると、マルチタスクができるのはたった2%の人。残り98%はマルチタスクを処理しきれず、どちらの課題に対してもパフォーマンスが下がってしまうと考えられています。

誰にでも、自分に合ったペースや進め方がありますよね。だから「苦手だからダメなんだ」と思わずに「どうすれば無理なく仕事を進められるか」を試行錯誤することが大切だと、わたしは思います。

そこで次は、マルチタスクが苦手な人にはどんな特徴があるか考えてみましょう。

マルチタスクが苦手な人の特徴

完璧主義である

何事も完璧な状態にしたくて、高すぎる目標を設定し、自分を厳しく評価したり他人からの評価を気にしたりしていませんか?完璧主義な人は、目の前のことに集中したいと思っているため、不測の事態にストレスを感じやすい傾向にあります。

ひとつのことに集中しすぎる

じっくり物事に取り組むタイプは、一度集中すると周りが見えなくなることも多いと思いです。シングルタスク型の思考を持つ人によく見られる特徴です。そのため、話しかけられたり、他のタスクが追加されたりすると、意識を切り替えるのがむずかしくなり、マルチタスクが負担に感じやすくなります。

優先順位がわからない

タスクの重要度や順番を決めるのがむずかしいと、あれこれ手をつけてしまいがち。「どれも重要に思えて決められない」と感じ、タスクを客観的に評価できなくなるからです。目に付いた仕事から始めてしまって結果的に効率が悪くなり、ミスが起きたり、締め切りに間に合わないおそれもあるでしょう。

要領のいい人が気をつけていること

最後に、要領よく仕事をしている人の工夫を3つご紹介します。

シングルタスクを活かす

まずは、タスクをひとつずつ順番に処理する意識をしてみましょう。今やるべきことに集中しやすいため、ミスや抜け漏れを防ぎやすくなります。流れは次の3ステップです。

①ToDoリストをつくる
②ひとつのタスクが完了したら、次のタスクに移るルールを設ける
③進捗を可視化するため、完了したタスクをチェックする

時間を決めて取り組む

シングルタスク型の思考を持つ人は、タスクが終わるまで次に進めなくなりがちです。そこで、時間を決めて作業に取り組むのがおすすめです。

具体的には、上司や先輩に業務の優先順位を確認し、作業時間を決めて仕事を進めていきます。完璧主義だとつい「100点満点の状態で提出しなきゃ」と考えてしまいますが、まずは時間内の70点を目指すのがよいと思います。また、90分を超えると集中力が低下しやすいため、長時間の作業が必要な場合も90分以内で区切るのが理想的です。

似ているタスクはまとめて片付ける

今日の仕事の流れを振り返ってみてください。メール・チャット対応や資料作成など、似ている業務が散らばっていませんか?実は、似ているタスクをまとめて片づけること(タスクバッチング)で、生産性が高まると言われています。「メール返信はこの時間に済ませる」「プロジェクトAに関するタスクはこの時間にまとめる」と決めて取り組めば、不測の事態が発生するリスクを軽減できるでしょう。

編集部のまとめ

ひとつのことに集中できる力は強みになり得ますが、その特性が仕事を妨げてしまう場合も。

意識的に思考を切り替えるのがおすすめです。

とはいえ、焦って自分にマルチタスクを課す必要はありません。
それぞれのペースを守りながら、少しずつ進んでいきましょう。

STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:lilyco