マナー違反になっちゃうの?
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方言は隠したほうがいいのかな……
みんなはビジネスシーンでどうしてる?
新社会人となり、地方から東京などに引っ越す方も多いかと思います。そんなとき「ビジネスシーンで方言は隠さないといけないの?」と悩むかもしれません。
この記事では、ビジネスシーンで方言を使うメリット・デメリットと、みんなが気を付けていることをご紹介します。ぜひ最後までご覧くださいね。
方言は隠したほうがいいのかな?

就職が決まって東京に引っ越してきたHさん。新生活にワクワクしていますが、実は密かな悩みがあります。それは方言。
地元から離れた大学に進学したHさんは、「方言が強いね」「イントネーションが独特」とよく言われてきました。その体験から、次第に方言にコンプレックスを抱くようになったのです。
ある日、内定先のイベントに参加したHさんは、「やっぱり仕事のときは方言を隠さないといけないのかな」と疑問に思いました。ほかの内定者や先輩たちは標準語を話しており、方言を使うと浮いてしまうと感じたからです。
もしみなさんが「ビジネスシーンで方言を話すのはマナー違反なのかな」と悩んだら、どうしますか?
方言のメリット・デメリット
まずは、ビジネスシーンで方言を使うメリット・デメリットを一緒に考えてみましょう。
メリット1:親しみやすさが生まれる
ビジネスシーンで方言を使うと、意外な形で会話が弾むことがあります。例えば、商談前のアイスブレイクを想像してみてください。ふとした瞬間に方言が出て「どこのご出身なんですか?」「○○が有名ですよね」と盛り上がれば、距離が縮まりやすくなったり、その後のコミュニケーションがスムーズになります。
メリット2:自己開示につながる
ビジネスにおいて自己開示は重要です。自分の感情や価値観を伝えることで、「あなたを信頼していますよ」というメッセージを伝えられます。相手に心を開いてほしいとき、自己開示のひとつとして方言を活用してみるのもおすすめです。
デメリット1:意味が伝わらない
例えば「あがったんせ」「きけた」「いっちょん」。どれも方言ですが、その地域出身でない人に正確な意味やニュアンスを伝えるのはむずかしいと思います。ビジネスシーンで標準語が用いられるのは、多くの人が理解できることばだから。「相手の立場を考え、人間関係を円滑にする」というマナーの目的を踏まえると、言葉の意味が通じない事態は避けたいものです。
デメリット2:相手にネガティブな印象を与える
会議や商談の場面で方言を使うと、「マナーに欠けている」「コミュニケーションに時間がかかる」など、ネガティブな印象を与えるリスクがあります。ビジネスには正確な情報伝達が求められるため、フォーマルな場では方言を控えるべきと考える人も多いようです。
ビジネスシーンでみんなはどうしてる?

方言を話す人は、ビジネスシーンでどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?想定される2つのアクションをご紹介します。
基本的に標準語を使う
方言を使う人からは、親しみやすさや自分らしさを感じられますよね。でも、正確な情報伝達が必要なビジネスシーンでは、相手にことばの意味が伝わらないと、マイナスの評価を受けるおそれがあります。そこで「仕事のときは標準語を使う」と決めている人も多いです。そのうえで、相手との関係が深まってから方言を使ってみると、会話が弾んだり、信頼が伝わったりして、好ましい効果が得られるかもしれません。
前もって伝えておく
標準語を意識していても、長年使ってきた方言が自然に出てしまうこともあるでしょう。不安な方は、職場の人や取引相手に前もって伝えておくのがおすすめです。例えば「わたしは〇〇(出身地)出身で、ときどき方言が出てしまうかもしれません」「少し方言が混じることがありますが、分からないことがあればご質問ください」など、相手に配慮しながら、やわらかく自然に伝えるのがコツ。
もちろんマナーは大切ですが、方言やイントネーションを気にしすぎると、会話を楽しめなくなってしまいます。「方言は絶対にダメ!」と思わなくても大丈夫。相手が理解しやすいように伝えれば、両者にとってスムーズなコミュニケーションにつながりますよ。
ビジネスと方言の関係で大切なのは、使うシーンの見極めと相手へのこころくばり。
社会人生活が始まるからといって、愛着のある方言を否定する必要はありませんよ。
この記事が不安を感じている方の助けになればうれしいです。
STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:lilyco