もう二度となりたくない……

ティップス

ほどよく走り続けていたい。
燃え尽き症候群にならないための働き方

‟今まであれほどがんばれていたのに、なぜかもうがんばれる気がしない。もう何もしたくない。”

このように、気持ちや体調の急激な変化に苦しんだことがある人も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、そんな「燃え尽き症候群」について考えてみました。

もうなりたくない
「燃え尽き症候群」

大きなプレッシャーから解放された瞬間。あるいは、ストレスが過度になりすぎているとき。

ある日突然、糸がきれてしまったように何もできなくなる。そんな急激な変化に心もからだも全然ついてこなくて、なんで自分はダメなんだろう……と悲しい気持ちになる。

昨日まで普通にできていたことが急にできなくなる苦しさ。今までの当たり前が当たり前じゃなくなる怖さ。そして、何もできない自分に対する自己嫌悪。そんな状況は、本当に苦しくてつらいものだと思います。

もう同じ思いは二度としたくない。仕事をがんばらなくちゃいけないけど息切れするのが怖い。
そんな方のために、この記事が参考のひとつとなればうれしいです。

どんなときになってしまった?

大きな仕事を終えたあと

学生のころ、部活の大きな大会などに向けて全力だったにも関わらず、いざその当日を終えると、気が抜けてなんにもしたくない……という経験をした人も多いのではないでしょうか。

目標に向かっている最中は気を張り詰めているということもあり、自分ががんばりすぎていることにもなかなか気づけなかったりします。しかし、いざ終わってみると思ったより疲れ果ててしまっている自分がいる。

仕事においても同じような状況は起こり得ますよね。たとえば大きな責任とプレッシャーがともなうプロジェクトを完遂させたあとなど。過度にかかっていた負荷から解放された瞬間、その落差に心がついていけずに、意欲がわかなくなる状態に陥ってしまうのかもしれません。

努力が報われなかったとき

営業成績が評価されて昇進した。努力が認められて責任ある仕事を任されるようになった。こんなふうに自分の努力が正当に評価されることに、私たちは喜びと達成感を感じますよね。その気持ちが、もっとがんばろうという意欲につながることもあります。

しかし一方で、どれだけ努力してもどれだけ仕事をこなしても、「それくらい当たり前だ」と言わんばかりに評価は上がらない。むしろ仕事を押しつけられるばかりで自分の努力がまったく報われない。そんな状況も少なくないんじゃないかなと思います。

そのうちに、なんで自分がこんなにがんばっているのかが分からなくなってきたりして、こんなにがんばったって無駄なんだな……という、ある種の諦めと挫折感が出てくる。その瞬間、かろうじて残っていた細い糸がプツンと切れたように、突然仕事に対しての熱意も達成感もなくなってしまう、なんて状況が起こるのだと思います。

膨大な仕事量に追われていたとき

こなさなければならない仕事があまりにも多すぎて、昼休憩も満足に取れない。家に帰っても休みの日でさえも、仕事のことが頭から離れない。本当はもうすべてを投げ出してしまいたいけど、自分がやらなければいけない責任感とプレッシャーで、とにかくがんばり続けてしまう。あまりにも膨大な仕事量に追われていると、そんな状況に陥ってしまいかねません。

そのうちだんだん憂うつな気持ちが増えてきて、昨日までがんばれていたのに、なんかもうがんばれないや……という絶望感が急に出てくる。自分で抱えきれなくなるほど限界ギリギリまでがんばり続けていると、ある日突然、こんなふうに限界をこえてしまうのだと思います。

「燃え尽き症候群」にならないための働き方

仕事のことを考えない時間をつくる

仕事に対して全力で向き合っていると、無意識にずっとそのことばかりを考えてしまったりしませんか?お風呂に入りながら、ごはんを食べながら、ついつい企画やタスクのことを考えてしまうとか、メールを見てしまうとか。

しかし、ずっと仕事について考えているとなかなか心も休まりません。だから、仕事のことを考えない時間をつくる意識が大切です。仕事を忘れて心をリフレッシュさせるには、自分の好きなことに没頭するのがいちばん。たとえばジグソーパズルなどは結構頭を使うので、家にいながらでも時間を忘れてしまうほど熱中できたりしますよ。

ストレス発散リストをつくる

仕事をしていると、どうしてもストレスはたまるし嫌なこともたくさんありますよね。そんな気持ちをプライベートに持ち込んでしまうと、ネガティブな気持ちに押しつぶされ、楽しいことも楽しめなくなってしまうかも

だから、嫌なことがあったときのストレス発散は大切だと思います。私は、自分がテンションの上がることを、実践しやすい順にリスト化して持ち歩いています。たとえば、ちょっと嫌なことがあったときはコンビニのスイーツを買って帰る、すごく嫌な気持ちのときには、温泉に逃亡するなど(笑)。憂うつなことがあっても、リストを眺めてがんばろう!という気持ちになれるのでおすすめです。

業務量を見直す

ひとりでさばききれないほどの量の仕事を抱えていると、タスクが多すぎて、仕事のことを考えない時間をつくりたくてもつくれない……という状況に陥ってしまいます。

そうなってしまう前に、業務量の調整ができないか上司に相談してみましょう。迷惑かな……と気が引けてしまうかもしれませんが、抱えきれなくなって投げ出すことになってしまっては元も子もありません。気持ちに余裕があるうちに相談できることが理想なのではないでしょうか。

みんなはどうしてる?

このごろ世代のお悩みについて、みんなで一緒に考えていく「このごろお悩みフォーラム」に届いた、みんなの意見をご紹介します。

心が休まる”オアシス”をいくつか用意する

燃え尽き症候群辛いですよね……完全な対処法ではないかもですが、わたしは心が休まる”オアシス”をいくつか用意しています。わたしの場合は趣味のヨガや好きなアーティストの音楽を聴くこと、行きたかったお店に行ったり、好きな小説を読み返したり。

どうしてもがんばらないといけない場面やがんばりたいなって思っているところで納得いく力を発揮できるように、ストレス発散できたり気持ちが落ち着いたりするものを準備するのもいいかもしれないなあと思ってます。(みちょさん・社会人3年目)

がんばる要因を分散させる

また繰り返さないためには、心が元気なときに「燃え尽き症候群になった要因を考える」ことが大切だと思います。私は昨年末仕事でバーンアウトしてしまい、少しの間お休みをして復帰しました。

「ジョハリの窓」という話を聞いて、自分のことって本当はよく分かっていなかったかも……と思うようになり、復帰してから手帳に心のコンディションを書いています。心に余裕があるときに、自分と改めて向き合うと良いアイディアが生まれるかもしれません。ちなみに私は、「場」「コミュニティ」を増やして、がんばる要因を分散させることで燃え尽きから復活できつつあります。少しでも参考になればうれしいです。(むーゆさん・社会人6年目)

「燃え尽きてしまっても仕方がない」と受け入れる

自分もよく同じ状態になるのですが、そんなときは「受け入れる」意識をしています。燃え尽きてしまっても仕方がない、と。(裏を返せば、それだけエネルギーを消費してがんばっていたとも考えられる、、?)もちろんこれで仕事を疎かにしていいわけではないですが、心の持ちようとしては一つの正解だと思っています。(がっきーさん・社会人1年目)

「日々自分のできたこと」を数える

私も定期的に燃え尽き症候群のようになります。そうなったときは仕方ないと心の中では割り切るようにしてます。その最中で心掛けていることは「日々自分のできたこと」を数えることです。仕事で大きなことを成し遂げなくったって、日々の業務をこなすのは、実は容易いことでは無いんだなと思えるようになりました。

この日々の小さなことの積み重ねが巡り巡って、仕事上での成長や成功をもたらしてくれると私は思います。なので、燃え尽きたときは自分を振り返り労わる時間なんだなと割り切ってご褒美などを用意しておくのはいかがでしょうか。(ももさん・社会人3年目)

編集部のまとめ

「人生は、短距離走ではなく長距離走」。こんな言葉を聞いたことがあります。

何ごとも全力で取り組む姿勢はとてもすてきなことですが、これからの長い社会人人生をずっとその全力さで向き合おうとすると、きっといつかどこかで息が切れてしまいます。

自分自身が元気でいることは、仕事をする上でも大切なこと。

だから、がんばりたいときこそ、自分自身を労わってあげることが何よりも必要なことだと思います。

マイペースにほどよく、走り続けましょう。

STAFF
text:Oyama. 、このごろ編集部
illustration:ハヤカワオト