どう思われるかこわい……
ティップス
本音で話すことがニガテです。
どうすれば克服できるのかな?
社会人になり、仕事などで自分の意見を求められることが増えたけど、なかなか本音を言いづらかったりしませんか。
友達との会話の中でも同様で、本音では「違う」と思っても、その場の雰囲気に水を差してまで言う必要はないなと抑え込んでしまうこともあるはず。
今回は、自分の考えを素直に話すことが苦手だと悩む方にむけて、少しでも心地よく人と関わる方法を考えてみました。
なんで私は本音を話せないんだろう……
最後に自分の本音を話したのは、いつだろう。
本音を言うことで嫌われるのが怖くて、みんなと違う意見を言うことは許されないような気がして、自分が我慢すればいいやと自分の気持ちを心にしまいこみ、「うんうん、そうだよね~」と話を合わせてしまう。
そのうち何が自分の本当の気持ちなのかも分からなくなり、本音を話そうとすると涙が出てきそうになったりして、それが怖くてますます同調することがあたりまえになっていく。
でも本当は、気軽に本音を言えるあの人がうらやましくて、誰にも本音を言えない自分が苦しくて。なんで言えないんだろう……と自己嫌悪に陥ってしまうことも、あるのではないでしょうか。
本音を言えないということは、自分の気持ちを無理矢理抑え込もうとすること。そんな状況が続くことが苦しくないわけがありません。
どうすれば相手のことを傷つけることなく、自分の気持ちを伝えられるのでしょうか。
本音を話せなくなったきっかけはあるかな?
相手にどう思われるか怖い
子どものころ、仲のよかった友達に、先生に、そして家族に、本音を否定された経験はないでしょうか。顔色をうかがい自己主張がなかなかできなかった過去の経験がトラウマとなり、今になってもそれが邪魔をしているのかもしれません。これを言ったらどう思うだろう、嫌われてしまうかもしれない、ノリが悪いヤツだと思われてしまうかもしれない……。
でもみんなに嫌われたくない。そんな不安に悩むくらいだったら自分が我慢して相手に合わせてしまえばいい。自分が本音を言えなくても、嫌な気持ちになっても、嫌われるよりはマシだと思う。こんなふうに自分の気持ちよりも他人を優先してしまうと、言いたいことをなかなか言えないのだと思います。場の空気を乱したくない
本音を出すということは、自分の本当の気持ちや意見をぶつけるということ。だからこそ、ときには気まずい雰囲気になってしまうこともありますよね。
上司や先輩、家族、友達との間でそんな空気になることが怖くて、なかなか本音を言えない……と思うこともあるでしょう。自分が発言することで空気を悪くしてしまうのではないか。間違ったことを言うのが怖くて、言いたいことがあったとしても不安から口をつぐんでしまう。
自分が言わずに我慢することで、その場が丸く収まるならそれでいい。そんな気持ちが、ますます本音を言いづらくしているのかもしれません。すこしずつ本音を話せるようになるために
場の空気を壊さずに本音を抑え込むことは簡単ではありますが、それがあたりまえになってしまっては、自分がただただ苦しいだけ。少しでも本音を話せるようになるコツを考えてみました。
相手との共通点をみつける
「本音を言うこと」は必ずしも「相手の意見と違うことを言うこと」だとは限りません。「その曲、私も好き!」などという共感も、もちろん本音のひとつ。なので、まずは相手との共通点を見つけ、その共通の部分で本音を出す練習をしてみるのはいかがでしょうか。
まずは「その曲いいよね~」という共感から始めてみて、「その曲のこういうところが私は好きなんだ」と徐々に自分の意見を出してみましょう。相手と違う考えを言うより相手に共感する方が、嫌われるかもという不安も少なく、場の空気を乱す心配もないですよね。きっと心も穏やかなまま、言いたいことを言えるようになるのではないかと思います。自分の本当の気持ちを整理してみる
共通の部分で本音を言うことに慣れてきたら、次は相手と違う部分で本音を伝えたい。とはいっても、いきなり相手に言おうとするのはなかなかむずかしいですよね。
なのでまずは、自分自身にだけ本音を出すというやり方がおすすめです。これは、相手とは違う考えを伝えるための準備体操。相手に本音を言えないモヤモヤが出てきたら、その気持ちを紙などに書き出してみます。どんなところが違うなと思ったか、本当はどういうふうに思って、何を言いたかったのか。自分しか見ないものだから、何を書いても大丈夫。心に真っ先に浮かんできた自分の気持ちを、整理してみましょう。伝え方を意識する
アサーションという言葉をご存知でしょうか。自分も相手も大切にしようとする自己表現の方法です。アサーションでは、ただ単に自己主張だけをするのではなく、どういう方法であれば自分も相手も傷つけずに本音を伝えられるのかを考えていきます。
詳しいやり方はぜひ調べていただきたいのですが、そこで大切にされていることの一つに、意見を提案の形で述べるという点があります。相手の意見を頭から否定してしまうと、否定された方は嫌な気持ちになったり、受け入れがたく感じたりするもの。「それもいい案ですね」と一度受け止めてから、「こんな方法はどうですか」と提案する形で本音を述べる意識をしてみましょう。
最後にご紹介したアサーションは、実は私もただ今練習中。
まだまだむずかしいことのほうが多いですが、この方法で先輩に仕事を手伝ってほしいと初めて本音を言えたときは、こんな私でも本音を言えるんだ、言ってもいいんだ!という達成感がありました。
我慢があたりまえになってしまうとだんだんと自分の気持ちに気づけなくなったり、あまりにも抱え込み過ぎると心の病気にもつながったりしてしまう可能性もあります。
すべての場面で本音を言う必要はないと思いますが、自分にとって心地よい関係性を築くためにも、ぜひ取り組んでみてくださいね。
STAFF
text:Oyama.
illustration:oomisoka1231