仲よくしたいのに……
ティップス
社会人になって親とギクシャク……。
良好な関係をつくるには?
社会人になり、親から働き方や生き方について口出しされたことはありませんか?
心配してくれているのはわかるけれど、こちらは嫌な気持ちになるし、何だか関係もギクシャクしてしまった……そんな悩みを抱えている人もいると思います。
そこで今回の記事では、親と少しでも良好な関係をつくるためのヒントをお伝えしていきます。
親と過ごすといつもギクシャクしちゃう……

親との関係がうまくいっていない。
そうしたお悩みを抱えている人は、決して少なくありません。
ここではAさんの事例を取り上げてみます。
Aさんは、社会人1年目の男性です。幼いころからあこがれていたアパレル業界に就職し、ひとり暮らしをしながら、充実した日々を送っています。
でも、Aさんには「父との関係があまり良好でない」という悩みがあります。昔ながらの性別観を持っている父は、女性的なイメージのあるアパレル業界にAさんが就職したことを納得しておらず、「もっと男らしい仕事をしなさい」「そんなチャラチャラした服を着るなんて」と頻繁に口にします。
大好きな仕事に誇りを持っているAさんにとって、父の発言は許容できないものです。会う度に自分の働き方に口出しされるので、嫌な気分になり、また父との心の距離が遠くなってしまいます。
とはいえ、父と仲の悪い状態でいるのも本意ではありません。親と仲よくいたいのに、一緒に過ごすといつもギクシャクしてしまう。そんなAさんは、どうしたらよいのでしょうか?
どんなときにギクシャクしてしまうんだろう?
親との関係性がギクシャクするのは、いったいどんなシーンでしょうか?
コミュニケーションが不足しているとき
もともと親子関係が悪くなかったとしても、コミュニケーションが不足していれば良好な関係を維持するのはむずかしくなります。仕事や家のことが忙しかったり、ジェネレーションギャップを感じていたりすると、話すタイミングや内容に困ってしまうようです。
価値観を押しつけられたとき
古い常識や過度の期待を押しつけられると、尊重されていない感覚に陥り、気持ちがモヤモヤしてしまうのではないでしょうか?先ほどの事例でも、「男性は男性的な仕事や服装をするべきだ」という古い考え方をする父に、Aさんは反発心を抱いていました。また、親自身が叶えられなかったことを子どもに期待していて、あるがままの子ども自身を大切にできていない場合もあります。
自信を失うような否定の仕方をされたとき
「あれもだめ、これもだめ」と何でもかんでも否定されると、自信を失ってしまいますよね。親子間でこうした否定が当たり前になっている場合、子どもが大人になってからも関係性がギクシャクしてしまう可能性があります。親にとって、子どもの言動はとても気になるものですが、あまりに否定が積み重なると、親と関わることに子どもは負担を感じるようになるのです。
親と良好な関係をつくるために心がけたいこと
ごはんを一緒に食べる
誰かと一緒にごはんを食べることを「共食」と呼び、複数のメリットがあります。
例えば、「お菓子を実験室の中でひとりで食べる」と「実験室の外で誰かと一緒に食べる」を比較した研究では、後者の方がおいしさが上昇するという結果が得られました。
このように、同じ空間で一緒にごはんを食べることは、おいしさを上昇させたり、コミュニケーションの促進につながるのです。おいしいを共有するのは良好な関係づくりにぴったりなんですね。親子関係を客観視する
親から口出しをされてモヤモヤする自分。そのままの状態では嫌な気持ちは変わらず、「どうしてうちの親はこうなんだろう」と相手を変えてしまいたくなります。でも、何十年も生きてきた親の考え方を変えるのは、そう簡単ではありません。
かつて親との関係が悪かったわたしは、「客観視」が大切だと考えています。どんな理由で関係がギクシャクしているのか振り返って、どうすれば状況が好転するのか分析します。仕事に文句を言われたなら、「自分はこの仕事に誇りを持っている」と一度意思表示をし、相手に変化がないなら、その後は話を聞き流す。客観視によって、具体的かつ長期的な対処方法が見つかるかもしれません。最終決定は自分でする
当然のことですが、自分の人生をコントロールできるのは自分だけです。でも、親の過干渉を受け、人生の主導権を奪われてしまう人もいます。
そこで「最終決定は自分でする」と意識し、習慣化しましょう。「親がこう言っているから」ではなく、「自分はこう思う」で物事を判断する。新しい習慣を身につけるには最低二ヵ月程度かかると言われています。「親の言うことを聞いてばかりで、自分で決めるのは苦手だ」という方は、まず二ヵ月間、最終決定トレーニングに取り組んでみましょう。
親と険悪でいたい人はほとんどいないと思います。
この記事が、良好な関係づくりに役立てばうれしいです。
また、つらいときはひとりで抱え込まず、信頼できる第三者を頼ってみるのもおすすめですよ。
STAFF
text:Kamiya Sayoko
illustration:oomisoka1231