しっかり働きたいのに……

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お昼休憩のあとすごく眠くなる。
理由とその解決法は?

お昼休憩を済ませたら、なぜかうとうとしまうことはありますか?

ランチで元気をチャージしてしっかり働きたい気持ちとは裏腹に、あらがえない眠気に襲われてしまう……目を開けていられないほどの眠気の理由や解決法があるなら知っておきたい。

そんな方に向けて、今回は食事と血糖値にまつわるお話をお届けします。

どうしてこんなに眠くなってしまうの?

実は、眠くなってしまうことにはきちんと理由があります。

大きくふたつの理由が挙げられるのですが、一つ目は消化のために脳から胃腸に血液が集中するから。

二つ目は、血糖値によるものとされています。食事をすると血糖値が上昇し、二~三時間以内に正常値に戻るのが一般的ですが、食後に血糖値が急上昇と急降下を起こすことを「血糖値スパイク」と呼ばれています。

血糖値のグラフが突出したトゲがスパイクのように描かれることが由来なんだとか。急激な血糖値の上昇により、強い眠気や頭痛、だるさを感じることがあるようです。

何が理由で眠くなっているのかな

血糖値は、1日の中で上昇と下降を繰り返します。食事で血糖値が上昇すると、すいぞうがインスリンを分泌して血糖値を下げようとしますが、インスリンがうまく作用しないと、「血糖値スパイク」につながることが指摘されています。そこで、具体的な原因を見てみましょう。

食べる速度が早い

早食いがくせになっている人は要注意。食べる速度が早いと、栄養の消化・吸収も早くなるので、血糖値も上昇しやすくなります。

炭水化物中心の偏った食事

うどん、そば、ラーメンなど、炭水化物が中心のメニューは血糖値が上がりやすくなります。時間がない中でもサクッと食べられるのは魅力ですが、炭水化物オンリーは避けるのがベターです。

朝ごはんを食べない

人間の体は、食事の間隔が長くなると、次の食事で栄養をより体に取り込もうとする性質があります。朝ごはんを食べないことにより、昼食後の血糖値が急激に上がりやすくなってしまいます。そのほかにも、太りやすくなったり、高血圧や糖尿病のリスクにもつながったりと、 朝ごはんを抜くのはデメリットが多そうです。

眠くならないために気をつけてみたいこと

“血糖値”と聞くとむずかしく構えてしまいますが、「血糖値スパイク」は、ちょっとしたコツで予防できます。思い当たる原因を踏まえたうえで、食事や運動を少しずつ改善できると良いかもしれません。

糖質の少ないメニューを選ぶ

おすすめは、肉類や魚介類、たまご、豆類などのタンパク質をたくさん含む食材をはじめ、葉野菜や海藻、きのこ類など、食物繊維を多く含む食材を摂取することです。

・白米や白いパン
→食物繊維が豊富な玄米や全粒粉パンに変える
・炭水化物が多い麺類や丼物
→炭水化物メインの単品をやめて、サラダや小鉢を付ける

など、主食の変更や、副菜を加えることも有効です。

食べ方の順番を変える

野菜などから食べ始める「ベジファースト」を意識するのも◎野菜や海藻、きのこ類など、食物繊維を多く含む食材は、糖質の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を防いでくれます。野菜類→タンパク質→糖質の順がもっとも理想的だといわれています。

軽い運動をする

軽い運動により筋肉が糖を消費することでも、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。血糖値スパイクを防ぐ目的ならほんの数分でも十分です。オフィスの中を軽く歩いたり、食べに出たお店から戻ってくることを考えると、かんたんに取り入れられそうですね。

編集部のまとめ

朝ごはんを食べ損ねた日は、ランチをがっつり食べてしまう&食後は眠気を感じることがありました。

いずれもちゃんとした理由があることを再確認。

できることから少しずつ取り入れて、より働きやすい習慣づくりをしていきたいですね。

STAFF
text:くるみちゃん
illustration:lilyco

監修:岡本交二(医療法人社団伍仁会岡本クリニック 医師)