そんなつもりはないのに。
ティップス
「甘えてる」って言われた……。
社会人にとって甘えとはなに?
社会人になると、周りから「甘えてる」と指摘されることがあるがあるかもしれません。
子どものころにはほとんど言われることのなかったその言葉に、少なからず動揺してしまったり落ち込んでしまったりすることもあるでしょう。
しかし、自分の甘えの部分について悩んだときは、これからの仕事への取り組み方を変えるチャンスでもあるはず。
「甘え」と言われない自分になるためにはどうすればいいのでしょうか。
これを機に自分と向き合い、考えてみませんか。
「甘えてる」って指摘されちゃった……
上司や家族などから急に「甘えてる」と言われてしまった。
自分のためを思って言ってくれているのは分かっても、それでもショックで悔しくて「自分なんて……」と、どんどん落ち込んでしまう。
そもそも「甘え」とはどういうことを指すのかも分からなかったりして、「自分のどこが甘えなんだろう」ともやもや悩んでしまうことも多いかもしれません。
私の個人的な考えではありますが、何を「甘え」とするのかというのは、それぞれの人の価値観によっても違ってくるものだと思います。
とはいえ、「甘えてる」と直接的に指摘されると、どうしても落ち込んでしまったり、ショックから立ち直れなかったりしますよね。
どんな場面で
「甘えてる」って言われちゃう?
あまりポジティブなイメージのない「甘え」という言葉ですが、そもそもどんな意味があるのか、調べてみました。
辞書によると、「甘え」とは「人の好意をあてにする気持ち」のこと。
子どものころにとっての甘えはなくてはならないものですが、社会人ともなると他人に甘えることはむずかしくなります。
それは、大人や社会人という立場の人間が、自分の行動を律し、責任感をもつことをあたりまえとされているからなのではないでしょうか。
この言葉の意味をふまえた上で、周りの人に「甘えてる」と指摘されてしまう理由にはどんなものがあるのか、考えてみました。
周りの人に頼りすぎている
ひとつめは、人への甘え。
仕事において、周りを頼ることは決して悪いことではありません。
しかし、「この人に任せておけばいいや」などと、頼った相手の好意に任せきりになってしまっては、「甘えてる」と言われてしまいかねません。
周りの人は快く仕事を引き受けてくれるかもしれませんが、その好意ありきでの仕事の進め方や好意のあてにしすぎは、あまり印象もよくないのではないでしょうか。
無責任な発言や行動をしている
ふたつめは、環境への甘え。
仕事を進めるうえで、責任感は非常に重要なもの。
どれだけ責任をもって仕事に取り組んでいるかは、自分自身、ひいては会社の信用にまでつながります。
「こんなもんでいいや」「これは報告しなくてもいっか」と、自分の判断で手を抜いたり、約束したことを守らないなどの無責任な態度ばかりをとっている場合、「甘えだ」と言われてしまいかねません。
また、周りからの指示を待つばかりで自分で仕事を進めない場合や、言われたことだけしかやらない場合なども、仕事への責任感がないと思われてしまう要因のひとつとなるでしょう。
自己管理や努力が足りていない
最後は、自分への甘え。
つまり、自分に対して厳しい態度をとれないという点です。
たとえば、何度も仕事に遅刻したとき。締切や仕事の予定をなかなか守らなかったときや、同じミスばかりをしたときなど。
1回きりならまだしも、同じ失敗を何度も繰り返している場合、あるいは、失敗をしてもへらへらして反省していない場合、周りの人からは、「この人は自分に甘い人なんだな」と思われてしまいます。
「ちょっとだし、連絡しなくてもいいか」「うそをついてごまかしちゃえばいいか」などと、自分に甘い言葉ばかりを投げかけてしまっていては、「甘えだ」と言われても仕方ないでしょう。
「甘えない自分」に成長するために、
意識したいこと
主体的に動く
自分から進んで仕事に取り組む姿勢は、きっと評価されるはず。
指示されずとも仕事を進めたり、効率のよい方法を提案したりするなど、自分からできることを見つけて動くように意識することがおすすめです。
仕事に慣れない新人のうちは、まだまだ限界があるかもしれません。勝手に進めては、逆に失敗につながってしまう可能性もあります。
そのため、「○○を進めようと思うのですが、いかがですか」「ここまで進めておくとよいと思ったのですが、どう思われますか」などと、進める前に上司や先輩にコミュニケーションを取り、判断を仰ぐことが大切です。
責任をもって仕事に取り組む
他人まかせの仕事の進め方や、手を抜いた仕事の進め方は「甘え」の要因のひとつ。
任された仕事にはしっかりと責任をもち、最後までやり遂げる意識をもつことが大切。
自分自身の仕事に対する態度を改めることが、「甘え」のイメージ払拭にもつながります。
また、時間や締切を守ったり、同じミスを繰り返さないことも、責任ある行動のひとつ。
自分自身の行動を律し、行動に責任をもつことが、仕事への態度にもつながります。
甘えられない環境を選ぶ
助けてくれる人が身近にいるとついつい頼ってしまい、自分に甘くなりがち。
いつも他人に頼ったり任せきりだなと感じる場合には、あえて逃げ道のない環境に身を置くことで、自分自身と向き合うことができるかもしれません。
実家を出てひとり暮らしをしたり、部署異動や転職などで新しい環境に身を置くこともひとつの選択肢。
「人に頼らず、自分の力でなんとかするぞ」という意識が、自分自身の成長にもきっとつながるはずです。
一度「甘えてる」と言われてしまうと、自分のすべてが「甘えなんじゃないか」と思えてしまって、行動することが怖くなってしまうかもしれません。
一方で、自分に厳しすぎるのもきっと息が詰まってしまいます。
自分自身の甘えの部分に気づけたのなら、そんな自分を変えていくチャンス。
まずは人や自分に甘えずに仕事をしている先輩を目標にするなど、できるところから少しずつ挑戦することが確実な成長の第一歩なのではないでしょうか。
STAFF
text:Oyama.
illustration:iina